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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第2章 機動戦士ツチノコ
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異世界料理事情




庭先に料理を抱えて奥様3人と幼子がやって来た。


「さあさあ、今朝は蕎麦粥ですよ。スネーク先生も・・・アーダが食べさせてあげる?」


「うん!あたしが食べさせるよ!」


蕎麦粥ですかぁ・・・我、食べたことないある!蕎麦だったら麺の方がよかった・・・我、うどんも好きだが蕎麦も好き、どっちかというと蕎麦の方が好きなのだ。まあこんなことを考えると、麺を作れとかいう流れになるので、考えない!我、蕎麦粥を食べさせてもらうんだ・・・あぁ、これが蕎麦粥ね・・・思ったよりトロトロですね・・・これは・・・やはりそのままでは食べられません。口を広げて丸呑みすれば食べられますが、器ごと食べてしまうのはいかにも行儀が悪い。我、アーダちゃんにフウフウしてもらって木のスプーンで食べさせてもらった。至福!我、至福なり!なぜかアーダちゃんとは反対側にハンナちゃんが来て、私もスネークちゃんに食べさせたいです!などというものだから、我、右と左に首を振りながら蕎麦粥を食べさせてもらうのであった・・・優しい味のはずだが、周りのニヨニヨした目線が気になって味わうどころじゃないよ・・・



「で、スネークちゃん、その麺というのはどのような料理なのでしょう?」


ガーン!我、一瞬だけ考えてそのあとすぐに考えるのを止めた考えを読まれていた!我に麺類の説明をさせるか!


“麺というのはだな、穀物をいて粉にした後で、その粉に水を入れコネコネしていくのだ。コネコネし終わったら、細いひも状にして、出来上がり。乾燥させて保存食にするもよし、そのまま出来立てを食べるもよし。穀物の種類により、コネコネの仕方により、棒状の形の作り方によって複雑多岐に渡る麺類が出来上がるのだ!”


「すると、もしかして、ラーメンという料理も麺類なのでしょうか?」


なに?知っているのか、ライデン?


「ラーメンというのは勇者関連の文献にたびたびでてくるのです。なんでも、その味に様々な派閥があって、それで勇者同士が幾度も死闘を繰り広げたとか」


“何味が勝ったの?”


「いえ、そこまでは書かれていませんでした。不毛な争いを防ぐため、この料理はこれ以上広まるのを封印する、と書いてありましたよ」


“封印したって、一度広まってしまえば、お終いじゃない?”


「広まる前に封印したそうです。だから、具体的にはどのような料理なのか、失伝しているのですよ」


“するとラーメン以外の麺類もないのかな?”


我、アーダちゃんに粥を食べさせてもらいながら、ハンナちゃんと話をする。どうも麺にする意味が分からないみたいですね。そりゃそうか。保存するなら穀物を挽く前で保存するしな。麺の形にするのにも面倒だしな!メン、ドーでしょう?メンドーですね!ひろめなくってよかよか。


「ところで、その争いを生んだ味の派閥というのが、私は気になっていたのです。一体、どうすれば料理の味付けごときで争いが生まれるというのでしょうか?まるきり理解できませんが。スネークちゃんはわかりますか?」


皆、粥を食べ終わって我の方を向いている・・・なんかうかつなことを言うと,作らさせられそうで怖い!


「いやいや、そんなことあるわけないじゃないですか。だいたい材料もないでしょう?」


“それもそうだな。ラーメンというのは、小麦・・・ってわかるかな?黒麦は挽いたら黒いけど挽くと白くなる麦だけど”


「ああ、トリティカムのことですね」


“な、なんだってーーーΩΩ。。。小麦はトリティカムっていうんかーーーーー!それでは、ライ麦・・・いや黒麦のことはなんていうんでしょか?”


「黒麦は、セカレといったりローゲンと言ったりしてます。名前なんて場所によって変わるのですよ。スネークちゃんも黒麦のこと、ライ麦って言ってたでしょ?」


“さよですね・・・もういいや、我の知ってる名前で話しますと”


ラーメンというのは、小麦を麺にして作るもの、麺に少し変わった塩を入れることによって麺に弾力が生まれ、噛んだときに歯ごたえができること、麺の作り方はストレートとちじれ

の二種類あること。スープによって全然違う感じだけど、やはりラーメンという料理であること・・・


「そう、そのスープのところ!何をどう使うのでしょうか!」


“しかし、それを説明するにはこちらの味付けを我知らないからなぁ・・・塩味しかない感じがするけど?ああ、甘味はあるけど値段が高くていつもの料理用には使えない感じか。酢は?確かワインはあったよね?昨日の料理に使ってた”


「確かにワインはありましたね。でも、あれもやはり高級品なのです。おいそれと料理に使うことはできません」


「え?ワシのワイン、料理に使っちゃったの?」


「ええ、使わせていただきましたよ?それが何か?」

ガーン!村長さんショック!


「ガハハ、うまいもん独り占めしてた罰が当たったな!」


「あなた~そんなこと言って!うちにあるのも料理に使ってもらいますからね!」

ガーン!ポルちゃんショック!


“酒を造れることができれば酢も作れるんだが・・・我がいるときに作れるだけ調味料を作っておくか?”


「「「「「是非!お願いします!」」」」」


大の大人5人が頭を下げてきた!アーダちゃんはなにやら事情が分からないけど真似して頭を下げてきた。ちょっと待て!調味料の前に干ばつの食糧確保が先だからな!



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