表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我はツチノコ  作者: あいうわをん
第2章 機動戦士ツチノコ
107/786

脱出

久しぶりの一日三話投稿・・・タイトルこれからどうしよう?・・・orz




“まあ、テスト代わりにプリン作ってみるわ。今日はボルちゃん頑張ったからご褒美ですな!”


“私も頑張りましたよ。もうレシピの書き写しで手首が痛いです!ご褒美を要求します!”


“スネークさーん!あたしも忘れないでー!”


相撲エルフよ、ニクを食いながらデザートを要求するな!しかしまあ、ハンナちゃんもエマさんも地味に活躍はしていた。あとは村長さん宅の四人で七人・・・十個作ればいいのか?それじゃあ材料のバターと牛乳を要求します!あとで家の中でやりましょう。ここではまだまだ村人が沢山いますからな。材料の卵がぜんぜん足りません!


「・・・足りません!とスネークちゃんは言ってます」


「と、言うことはだな・・・材料があれば村人全員にそのプリンとやらを食べさせることができるのか?」


“そりゃ、できるがな!材料があればなんだってできる!気合いだー!”


「よくわからないけど、そう言ってますね」


「やはり養鶏を新しく仕事に加えなければならんな・・・」   


“卵を売りにするんけ?それよりも客をこの村に集めてプリンを売ったりした方が村全体としては利益が大きくなるんでない?”


「・・・なるんでない?とスネークちゃんは言ってますが?」


「・・・どういうことか、詳しく話してくれるとありがたい」


えっと、こういうことですよ。卵を作るには、ガルスにかかるエサ代、お世話する人件費が必要です。さらに販売先までもっていくための輸送費がかかります。持っていくのに卵割れたりするリスクもあるでしょう。それよりは、この村に来る商人などに、この村でしかできない料理として、やってきた旅人に販売していくとした方が、よいのでは?あ、この作戦だと客が止まるための大きな宿が必要となりますが、その分、宿泊商売としても仕事が増えることになりますな。だけど、卵売ってはい終わりというよりは産業のすそ野は広がります。


「・・・すそ野は広がります、と言ってますが・・・」


横で聞いていた村長の奥さん、アデーレさんはうんうんと頷いていた。


「あなた!これは村が飛躍するチャンスですよ!スネーク先生は今日たくさん料理のレシピを教えてくれました。これと新しく養鶏を始めることでこの村は生まれ変わるのです。この村で育った若い人が食い詰めて出ていくこともなくなるでしょう!貧乏な村から抜け出せますよ!」


「いや、お前の言うとおりだ。スネーク殿よ。力を貸してくれ!」


“ここにいる間はできるだけのことはしますがな。名付けて貧乏脱出大作戦ですな”


「・・・ですな!と言ってますがな」





「お!なんだなんだ!また悪だくみか?俺にも聞かせろよ、スネーク!」


よって来たのは鍛冶屋のスミスさん。ちょうどいいところに。我、ハンナちゃんに通訳してもらって泡立て器を作ってもらうことを依頼する。もちろんお代は村長宛てやで!


「村長宛てやで!などと言ってますが、よろしいのでしょうか?」


「スネーク殿にはいろいろやってもらってるからそのくらい屁でもないわい!」


「あなた!下品ですよ!ごめんなさいね、スネーク先生」


「スネークよ、いつの間に先生になったのだ?」


「スネークちゃんは今日はお料理を皆さんに教えていたので先生と呼ばれるようになったのです。一体あの知識はどこから来たのか疑問ですね。隊長と会う前に、一緒にいた人は誰なのでしょうか・・・」


疑問に思うハンナちゃんに、泡立て器の説明をして、鍛冶屋のスミスさんに作ってもらいます。我がこの村にできるのはこまごましたアイデアを出すことですな。あとは緑魔法で収穫物を作ってあげることか。我いなくなっても回っていくようにしないといけません。今日は泡立て器がないということで・・・代わりに風魔法が使えないかな?







マウンテンディアの焼肉でおなか一杯になった村人たちがぽつぽつと減っていき、残るは村長一家とポルさんとあと一人ご婦人だけになった。あれがポルさんの奥さんかな?アデーレさんとはまた違う雰囲気のおとなしそうな人が、なぜかこちらにやって来た。


「あなたが、スネークさん?この度は私の夫を助けていただいてありがとうございます。それとスネークさんのおかげで美味しい桃を食べることができてとても感謝いたします」


おどおどとしながらも謝意を伝えるご婦人。まあヘビが嫌いなんでしょうから、そんなに近づかなくてもよろしいで!気にせんといてや!


「俺が桃持って帰ったら、どこで採って来たのか盛んに聞かれてな。ランドルドのところにもいつの間にか桃とか柿の木が生えてるだろ?あれ、お前がやったんだろ、スネークよ。うちにも植えてほしいわけよ。なあ、いいだろ?頼む!この通り!」


もうここ2日でこの村に起きた変な出来事は、たいがい我のせい、ということになったらしい。まあいいけど、この村の土は本来果樹栽培には向いてないから、年に何回か肥料を揚げないと、甘い実はならないよ。それでもよろしいか?


「・・・と、言ってますが?」


「ああ、それでいい。頼むスネーク。桃はうちのやつの好物なんだ。この村に来てからずっと食べさせてやれなくってな。お前が来てくれてよかったよ!」


うーむ。村長宅だけに植えたのは不公平だったかな?それじゃあ、建物があるところに一本一本植えてきますか。あ、ポルちゃんみんなにも言っといてね。肥料をあげないと甘い実はなりませんよ、と。


「肥料はどんなのをいれればいいのだ?」


崖向うの森の黒々とした土を根の周りにぶちまければいいんじゃね?葉の茂り具合を見て量は調節すればよろし。


「・・・と言ってます」


「よし、わかった。それで、お前らまだこの村にいるんだろ?なんか手伝えることはないか?なんでもするぜ!」


そんじゃあ、明日ガルスの雌を捕まえに行こう。ボルちゃん一人だと大変だから大勢で行けばガルスのメスが沢山連れて帰られるよ。そうハンナちゃんに通訳してもらいました。


「スネーク殿にこの村の新しい産業を教えてもらったのだ。ポルティエ、お前も手伝え。お前の息子夫婦もこっちに呼び戻せるさ」


「そうすると、家が必要になるなぁ・・・この村にはちょっと材料がないしな。黒色土の森まで行けば幹がまっすぐで太い木が生えてるんだが」


ああ、それなら、我が村と森の間の崖に橋を通しておくからそれを使えばいい。と、言うか、種があればその木を村で植えることができるがな。


「・・・できるがな!と自信満々にいってます。もはや神ですね、スネークちゃん!」






やり過ぎた感が無きにしも非ず・・・というかやり過ぎた感しかない!もうええか!




本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ