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クールな女神様と一緒に住んだら、甘やかしすぎてポンコツにしてしまった件について【C5が2/12に発売!】  作者: 軽井広@北欧美少女コミカライズ連載開始!
第三部

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96話 従姉弟は結婚できるでしょう?

 俺は慌ててユキに言う。


「帰り道だよ」


「普段はここ、通らないよね。まさか……夏帆を差し置いて……」


 ユキは顔を赤くして、ラブホテルと俺たちを見比べる。

 俺はぶんぶんと首を横に振った。玲衣さんには言わなかったけれど、俺たちはラブホテルに入れない。


「たまたまゲーセンの帰りに通りがかっただけ。制服を着たまま、入れるわけないよ」


「あっ……」


 玲衣さんとユキは顔を見合わせ、その後に俺に顔を向けて「それはそうだ」という表情をした。

 高校生の立ち入りは禁止だし、制服を着ていたら当然、入店は禁止だ。


「そういうわけだから、冗談だって言ったんだよ」


「ああ、そっか」


 玲衣さんがほっとしたような、がっかりしたような複雑そうな表情を浮かべる。

 

「というか、ユキこそどうしてこんなところにいたの……?」


「わ、私もゲームセンターに寄ってたの」


「なるほどね」

 

 ユキも意外とゲーム好きだ。格闘ゲームなんか、けっこう強かったりする。

 ユキは寂しそうに微笑んだ。 


「また、アキくんの家でテレビゲームしたり、ゲームセンターに寄ったりしたいな。夏帆と一緒に」


 俺が答えるより先に、玲衣さんが口をはさむ。


「本当は晴人くんと二人きりが良いんじゃないの? 今朝だって晴人くんに抱きついていたし」


「あ、あれはそういうのじゃないから! 私はアキくんと夏帆と一緒がいることが大事なんだもの。……私、まだ水琴さんのことを認めていないんだからね?」


「大丈夫。桜井さんが認めても認めなくても、わたしは晴人くんのものだもの」


 バチバチと玲衣さんとユキの視線が火花を散らす。

 俺は慌てた。このまま二人で帰るというのは、さすがに気まずい。


 けれど、ユキが腕時計を見て、ため息をついた。

 

「お母さんが駅まで車で迎えに来てくれるの」


「そうなんだ」


「でも、二人きりだからって、イチャイチャしたらダメなんだからね……?」


 ユキは「うーっ」と威嚇するように玲衣さんを睨む。でも、雰囲気が小動物めいているからか、可愛い仕草にしか見えない。

 それは玲衣さんも同じだったようで、「あはは」と苦笑いをしている。


 そして、ユキは名残おしそうに去っていった。


 俺たちも隣に並んで帰り道を歩き始める。

 玲衣さんがくすっと笑い、少し首をかしげる。


「桜井さん、わたしたちに嫉妬していたね」


「そう……なのかもね」


 昔からユキは大事な友人だった。

 ユキは俺と夏帆をくっつけようとしていて、でも、俺のことを好きであるようで。


 そんなユキは、俺の隣にいる玲衣さんを許せないのかもしれない。

 玲衣さんは柔らかい表情になる。

 

「わたしはね、ヤキモチを焼かれるのも、悪くないかもって思っているの」


「え?」


「だって、嫉妬されるぐらい、わたしが晴人くんに大事にされているってことだもの。佐々木さんにも、桜井さんにも、琴音にも、雨音さんにも、すごくヤキモチ焼かれるぐらい、晴人くんに好きになってもらうの」


 玲衣さんがふふっと笑う。その笑みは妖艶ですらあった。玲衣さんの想いの強さに圧倒され、俺はたじろいでしまう。


「少なくとも、雨音姉さんは関係ないんじゃないかな……」


「どうして?」


「だって、雨音姉さんは俺の従姉で家族だよ。俺に異性として好意を持っているわけないし……」

 

 玲衣さんはぴたっと足を止めた。そして、まじまじと俺を見つめる。


「本当にそう思う?」


「え?」


「雨音さんは、晴人くんのこと、好きな気がするな……」


「まあ、そりゃ、家族としては好きだと思うよ」


「そうじゃなくて、男の子として意識していると思うの」


「まさか。雨音姉さんはいつも俺をからかってばかりで、俺を男として見ているなんて、そんなことないよ」


「そうかな。家族でも互いを好きになってしまうことはあるでしょう? 従姉弟は結婚できるし」


「雨音姉さんと俺が結婚……か」

 

 考えたこともなかった。もしそうなったら、父さんはどんな顔をするだろう?



このライトノベルがすごい!2023が投票受付中です! 『クールな女神様』も対象なので、面白いと思った方は、ぜひよろしくおねがいいたします!


2巻にはメロンブックス様の描き下ろしの夏服・玲衣さんタペストリーも!!!


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