表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/155

書籍化記念SS 玲衣さんとお買い物!

 ある日の放課後、俺は玲衣さんと一緒に買い物へと出かけていた。

 もう玲衣さんと一緒にいることが、俺の日常の一部になっている。


 商店街の店をきょろきょろと見ながら、制服姿の玲衣さんは楽しそうな表情を浮かべている。


「わたしたちの家の近くにこんな商店街があったんだ……」


「そうそう。けっこう昔からある商店街だけど、ちゃんと今でも繁盛していて、自炊の食材を買うのに重宝してる」


「晴人くんが主婦みたい」


 玲衣さんがくすっと笑う。俺は肩をすくめた。


「言われてみればそうかもね」


 父さんや雨音姉さんと家事は分担していたとはいえ、俺が一番得意だった。今は玲衣さんの食事を作ったり、お世話をしているし。


 玲衣さんがちょっと申し訳無さそうな顔をする。


「わたしも晴人くんに甘えてばかりじゃなくて……晴人くんのためにご飯を作ってあげたりとか……できるようになりたいな」


「そんなこと考えなくていいよ」


「わたしがそうしたいの。晴人くんに甘やかされてばかりじゃなくって、晴人くんを甘やかすことができるような女の子になりたいなって思ったの」


 玲衣さんに上目遣いに見つめられ、俺は体温が上がるのを感じた。

 ふふっと玲衣さんが笑う。


「こうして一緒に買い物に来ているのも、晴人くんに料理を作ってあげられるようになる準備なんだから」


「そうなの?」


「晴人くんのやり方を見て、一人で買い物に行っても安くて美味しいものを買えるようにしたいなって」


「ああ、なるほどね。たしかに一緒に見て回るのは良いかもしれない」


 精肉店にしても八百屋にしても、このあたりには良い店がたくさんある。

 玲衣さんが料理を上手にできるようになって、一人で買い出しに行くようになれば、俺の負担も小さくなる。


 二人で暮らし続けるなら、それは大事なことだ。


「あ、あのね。料理も晴人くんに教えてほしいなって思うの」


「もちろん。それぐらいお安い御用だよ」


「やった!」


 玲衣さんが無邪気に喜ぶのを見て、俺は微笑ましくなる。

 俺がおすすめの店を案内しようと歩き出す。玲衣さんも俺のあとに付いてきた。


 歩く速さを、俺は玲衣さんと合わせる。

 玲衣さんは幸せそうに俺を見上げながら、ささやく。


「一緒に商店街に来た理由はもう一つあるの」


「それは、えっと……」


「は、晴人くんとデートしたいから……」


 玲衣さんは頬を赤く染めて、そう言った。


書籍がいよいよ1ヶ月後に発売! ご予約開始&一部ではタペストリー特典も!


加筆や修正をいろいろしている&イラストも可愛いのでぜひぜひ~(*´ω`*) 

引き続き


・☆☆☆☆☆


での応援もお待ちしていますっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ