表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クールな女神様と一緒に住んだら、甘やかしすぎてポンコツにしてしまった件について【C4️⃣が8/8に発売!】  作者: 軽井広@北欧美少女コミカライズ連載開始!
第二部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/155

87話 誰を選ぶの?

 雨音姉さんは、Tシャツ一枚のみを着た姿で、俺を抱きしめている。

 今は深夜で、遠見の屋敷の和室で、俺と雨音姉さんは二人きり。


「私をどうする?」


 と雨音姉さんはからかうように、けれど恥ずかしそうに俺にもう一度言った。

 近くには、布団もあって……。さっきまで俺は夏帆と琴音の二人とあそこで寝ていて、二人に抱きつかれ、キスをされていた。


「私ともそういうことをする?」


 雨音姉さんは、俺の耳元に甘い声でそうささやいた。

 風呂上がりなのか、ふわりとした良い香りがして、俺は動揺する。


「そ、そういうことを夏帆たちにさせないために、雨音姉さんがここに来たんじゃ……」


「私は従姉だからいいの」


「それはなんか違う気が……」


「それとも、従姉の私でもえ、緊張する?」


 雨音姉さんは俺を抱きしめながら、そう言った。

 その柔らかさと温かさにくらりとする。


「こんなことして……もし俺が雨音姉さんと間違いを起こしそうになったらどうするの?」


「へえ、やっぱり、晴人君、私にいけないこと、感じているんだ?」


「し、してない!」


「私の胸、水琴さんよりも夏帆よりも大きいでしょ? 触ってみる?」


 雨音姉さんは、つんつんと自分の胸をつつく。

 ……さすがにおかしい。

 雨音姉さんはいたずら好きだけど、こんなことをする人じゃない。


 そう。普段なら。

 その時初めて、俺は雨音姉さんが酒に酔っていることに気づいた。

 目がとろんとしていて、息遣いが荒い。


「め、珍しいね。雨音さんがこんなに酔うなんて」


「だって……他の子たちに晴人君をとられそうで心配で……」


 雨音さんは上目遣いで俺を見て、そんなことを言う。


「少し前までは、私だけが晴人君と一緒に住んでいて、晴人君と一緒にいるのは私の特権だったのに、今じゃ三人も美少女を侍らせているし……」


「いや、それは誤解で……」


「三人ともとキスしたのに?」


 俺はうっと詰まる。雨音姉さんは寂しそうな目で俺を見る。


「私ともキスしたい?」


「そ、それは……」


「できない?」


 雨音さんの柔らかそうな唇がささやく。相変わらず、雨音姉さんは俺に抱きついている。

 このままだと本当に雨音姉さんにキスして、そして……その後、どうにかしてしまいそうだ。

 俺は誘惑に耐え、雨音姉さんをまっすぐに見つめる。


「雨音さんは俺の従姉で、姉代わりで、大事な家族だから。そんなこと、できないよ」


「……晴人君の女たらし。そう言ってくれるのは嬉しいけれどね」

 

 雨音姉さんは微笑んだ。

 そして、雨音姉さんは俺を見つめた。


「ねえ、晴人君は……誰を選ぶの?」


「え?」


「水琴さん、夏帆ちゃん、それとも琴音?」


「選ぶだなんて、そんな……」


「だって、三人とも、晴人君のこと、大好きだもの。晴人君が自由に選ぶことができるの。決めないの?」


 雨音姉さんは俺の耳元でそうささやいた。

久々の更新になりすみません。ブクマやポイント評価で応援いただけると嬉しいです!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] やっぱり全ヒロインのルート見てえー!
[気になる点] 超特急で終点に向かっているようでびっくりしています。脱線してしまうのではないか(?)と。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ