84話 どうせ姉さんにとられちゃうぐらいなら
落ち着かない。
玲衣さんに、夜這いみたいに下着姿で迫られて、キスをした。
その直後に、今度は夏帆と琴音の二人と同じ部屋で寝ることになったのだ。
こんな状況で、普通に睡眠が取れるほど、俺は肝が据わっていない。
しかも、二人は俺と同じ布団にいる。
「あの……夏帆、琴音」
「なに?」「はい!」
夏帆と琴音が同時にこちらを向く。
「なんで同じ布団で寝てるの?」
「だって先輩を監視しないといけないですから。他の女の子と……こんなことをしないように」
琴音がくすっと笑って、俺の腕に小さな胸をくっつける。
琴音は薄いネグリジェのような寝間着しか身に着けていなくて、その胸の感触と暖かさがかなりはっきりとつたわってくる。
「だからって、同じ部屋にいるだけでも大丈夫なんじゃ……同じ布団で寝なくても」
「そうだよね。だから、あたしがそうしたいだけ」
夏帆は小さな声で言う。そして、微笑み俺の額にキスをした。
ちょっと子供っぽいパジャマを夏帆は着ていて、でも、胸元のボタンが一つ外れていて、胸の谷間が見えていた。
俺が顔を赤くしたのを見て、琴音が俺をつんつんとつついた。
「佐々木先輩の……胸を見てました?」
「いや、そんなことしてないよ」
「嘘つき。やっぱり大きいほうがいいですものね」
琴音はジト目で俺を睨んだ。
小さいのも悪くないよ! なんて返したら、殺されそうな気がする。
琴音は俺にますますひっついた。
「そんなに大きくはないですけど……先輩にだったら、ちょっとぐらい触らせてあげてもいいです」
俺がぎょっとすると、琴音は恥ずかしそうに顔を赤くした。
そして、ネグリジェの胸元を指で少し広げ、俺に示す。
「ね……先輩?」
慌てたのは、俺よりも夏帆だった。
「ちょ、ちょっと待って! 抜け駆けは禁止でしょ!?」
「なら、佐々木先輩も晴人先輩に胸を揉んでもらったいいんじゃないですか?」
琴音がにやりと笑い、夏帆が顔を真赤にする。
「そ、そんなこと……できないよ」
「意外と純情なんですね。下着姿で晴人先輩に迫ったり、『晴人の初めてをもらうのはあたしなんだから』って叫んだりしたって聞きましたけど」
「……そ、それは……」
「姉さんにとられちゃうぐらいだったら、いっそ私たち二人で晴人先輩の初めてをもらっちゃいます?」
夏帆はぱくぱくと口を開けていて、俺もふたたびぎょっとした。
「それって、あたしと晴人と琴音と三人で……」
「するってことです」
琴音が真顔で言う。
うろたえる夏帆に、琴音が言葉を重ねる。
「私は……いつでも平気ですよ? 佐々木先輩は覚悟ができてないんですか?」
「あ……あたしだって」
夏帆はそう言って、いきなり起き上がると、パジャマを脱ぎ始めた。
黒の下着姿のみになり、俺を見つめる。
「晴人は……あたしとしたい?」
「いや、えっと……」
「どっち?」
俺が返事をする前に、夏帆は俺に覆いかぶさるように、強引に唇を奪った。
甘い香りと、夏帆の下着姿が、俺をくらりとさせる。
そして、夏帆はそのまま耳元に唇を近づけ、ささやいた。
「あたしじゃ……ダメ?」
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