83話 三人で寝て監視しましょう
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俺たちは渡会さんに口止めすると、玲衣さんにはちゃんと服を着てもらった。
玲衣さんはまだ不満そうだったが、仕方ないといった感じだ。
「提案があります」
琴音がよく通る声で言う。
俺も他のみんなも琴音を振り返った。
「今日はたまたま渡会さんが仕事中に通りがかかって気づいたみたいです。でも、今後も同じことがあるかもしれません。姉さんだけじゃなくて、佐々木さんも、もしかしたら私も先輩の部屋に忍び込むかもしれません」
「それで?」
「抜け駆けはやめましょう……といってもみんな守りませんから。だから、交代交代で先輩を監視するのはどうでしょうか?」
「か、監視? 俺を?」
「はい。先輩と、交代で女子二人が同じ部屋に寝るんです。たとえば、先輩と姉さん、私。または先輩と佐々木さん、それに雨音さん。こういう感じで同じ部屋にいれば、先輩に手出しはできませんから」
女の子二人と、俺が同じ部屋で寝起きする?
冗談だろう、と思っていたら、他の三人も名案だと言わんばかりにうなずいていた。
「いい案だと思う。それに晴人と一緒にいられる時間も増えるし」
夏帆の言葉が、その場の総意を代弁しているようだった。
俺の意見などはお構いなしだ。
せっかくアパートと違って、一人の空間ができると思ったのに!
四人は話し合い、今日、俺と寝るメンバーとして、夏帆と琴音を選んだ。
玲衣さんは抜け駆けの罰(?)として後回し。雨音姉さんは微笑んで、他の二人に譲ると言った。
夏帆と琴音が俺に近づき、それぞれ両側からぎゅっと腕をつかんだ。
俺の腕に二人が抱きつく感じになり、そうすると二人の胸が俺の腕に当たる。
夏帆の胸は大きくて、琴音の胸は小さいけれど柔らかかった。
「晴人と一緒に寝れて嬉しい!」
「よろしくおねがいしますね、先輩♪」
二人の美少女に挟まれ、俺は冷や汗をかいた。
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