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クールな女神様と一緒に住んだら、甘やかしすぎてポンコツにしてしまった件について【C4️⃣が8/8に発売!】  作者: 軽井広@北欧美少女コミカライズ連載開始!
第二部

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77話 琴音の宣戦布告

少し書き換えました。


 琴音はそのまま俺の唇に、自分の唇を重ね、幸せそうに微笑んでいた。

 俺は琴音に告白され、そしてキスをされたのだ。


 やがて、琴音はキスを終えて、くすっと笑った。


 琴音が強引にしたこととはいえ、玲衣さんの前でキスをしてしまった。

 俺はうろたえて、玲衣さんのほうを見た。


 玲衣さんは衝撃を受けたように固まっていた。


 一方の琴音は相変わらず、バスタオル一枚で、しかもずぶ濡れだった。

 なんというか、目のやり場に困る。


「先輩? 姉さんの前で私のこと、そんなやらしい目で見ていていいんですか?」


「見ていないよ」


「先輩の嘘つき」


 琴音はくすくす笑い、そして玲衣さんに向き直った。


「ねえ、姉さん。私、毎日、先輩と一緒に寝ているんですよ? この意味、わかります?」


 琴音の言葉に玲衣さんはかああっと顔を赤くした。

 まずい。

 誤解されている。


 玲衣さんは口をぱくぱくとさせ、俺と琴音を指差した。


「寝ているって、まさか、そういうことをしてるってこと……?」


「先輩のことを責めないであげてください、姉さん。ずっと二人きりで、命の危険にさらされていたら、そういう関係にもなってしまいます」


 琴音は愉快そうに言った。

 明確な嘘こそついていないけど、明らかに誤解されるように言葉を選んでいる。

 たしかに俺と琴音は一緒のベッドで寝ている。

 だけど、それは琴音が怖くて眠れないからで、やましい関係では一切ない。


 俺は説明しようとしたが、琴音の細い人差し指に口を塞がれた。

 琴音のちょっとした仕草に俺は動揺してしまう。


「こ、琴音……」


「姉さんに言い訳するんですか? でも、一緒に寝たのも、キスしたのも、本当のことですよね?」


「そうだけど……」


「それに、わたしが先輩のことを好きなのも、本当のことですよ」


 琴音は顔を赤くして、俺を上目遣いに見た。


「先輩は私のこと守ってくれました。だから……これからも、姉さんじゃなくて、私のことを守って欲しいと思ったんです」


 綺麗な黒色の瞳に見つめられて、俺はどきどきした。

 こんな美少女が俺のことを好きと言ってくれるのは嬉しいけれど、でも、俺には玲衣さん、そして夏帆がいる。


 俺が口を開きかけると、琴音はふたたび俺の口をふさいだ。

 ただし、今度は口をふさいだのは指ではなくて唇だった。


 琴音を突き放すこともできる。

 でも、俺は琴音を受け入れてしまった。


 俺のことを好きだという琴音を、無理やり突き飛ばして、キスを拒むなんて、できなかった。


 琴音はやがて身を離した。

 そして、目を伏せて、小声で琴音は言う。


「返事は……いりません。だって、先輩が私より姉さんのことを好きなのは知っていますから」


「だけど……」


「でも、私は姉さんに負けたりしません。いつか先輩の一番になるんですから!」


 透き通った声で、琴音は言い切った。

 それは俺に対する言葉でもあり、玲衣さんに対する言葉でもあるようだった。


 琴音はつかつかと玲衣さんの前へと進んだ。


「姉さん。姉さんは先輩のこと、好きですか?」


「……っ! わ、わたしも晴人くんのことが好き。ううん、大好きなの」


「そうですよね。だから、姉さんは私の敵。でも、それは昨日までとは違った意味での敵です」


「恋敵ってことよね?」


 玲衣さんは小さくつぶやき、琴音は微笑んでうなずいた。


「姉さん、それに晴人先輩。覚悟しておいてくださいね?」

 

琴音たちが可愛い、晴人と玲衣さんと琴音の関係がどうなるか気になる!という方はぜひ↓のポイント評価をお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ここまでさせてしまう完全に晴人に失望。 どうでも良いのですが男としてだらしないのではと。 >俺が口を開きかけると、琴音はふたたび俺の口をふさいだ。  ただし、今度は口をふさいだのは指…
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