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クールな女神様と一緒に住んだら、甘やかしすぎてポンコツにしてしまった件について【C4️⃣が8/8に発売!】  作者: 軽井広@北欧美少女コミカライズ連載開始!
第二部

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49話 両隣の少女

短めです。

 夏帆が俺たちの家に住むという。

 たしかにスペース的にはまだ余裕がある。


 けれど、問題はそこではない。


「晴人はあたしが一緒の家に住むのは嫌?」


「嫌ってわけじゃないけど」


 そんなこと、俺の父さんも、夏帆のお母さんも賛成するはずがない。

 けど、夏帆は続けて言った。


「あたし、家出するの」


「家出?」


「だから、晴人が泊めてくれないとすごく困っちゃう。晴人は居場所のない水琴さんを受け入れたんだよね。なら、あたしだって同じだよ」


「でも、夏帆には普通にお母さんがいて、家もあるはずだよ」


「あたしね、お母さんといま、一緒にいたくないの」


 そう言って夏帆は上目遣いに俺を見つめた。

 たぶんだけど、夏帆の母と俺の父の不倫疑惑が関係しているのだとは思う。


 夏帆のお母さんは、俺と夏帆の血縁関係についてどう言っているんだろう?

 気になったけれど、玲衣さんの前でそれを聞くのは、ちょっとためらってしまう。


 夏帆が人差し指を立てて、くすっと笑った。


「とりあえず一緒に学校に行こっ!」


 夏帆の提案に、隣の玲衣さんが不服そうな顔をする。


「晴人くんと一緒に学校に行くのは、わたしが先に約束したの」


「なら、三人一緒に行けばいいよね」


「わたしは二人きりで行きたい。だって、わたしは晴人くんの彼女だもの」


「水琴さんはあたしに晴人をとられるのが怖いんだ」


 夏帆がいたずらっぽく目を輝かせた。

 うっと言葉に詰まった玲衣さんに夏帆がたたみかける。


「水琴さんが本当に晴人の心をつかんでいるなら、あたしが学校についていくぐらい、平気なはずだよ。そんなことで、二人の仲は危なくなるの?」


「……そんなことない!」


「なら、いいよね?」


 水琴さんはしぶしぶといった感じでうなずいた。

 なんだか夏帆の変な理屈に丸め込まれてしまった形だ。


 俺と玲衣さんは学校への荷物を持って玄関の外を出た。

 それとほぼ同時に、夏帆が俺の左腕をとる。


「じゃ、行こっ、晴人!」


 夏帆が強引に俺と腕を組んだ。

 そうすると、なんというか、夏帆の柔らかい部分が自然にあたって、俺は赤面した。


 玲衣さんも頬を染めている。


「ずっ、ずるい! わたしも晴人くんと腕を組むんだから!」


 玲衣さんはさっと俺の右腕をとると、同じように俺に胸を押し当てた。

 二人の少女が左右にいて、その甘い香りに俺はくらくらさせられた。


 もしかして、このまま学校に行くんだろうか?


 夏帆は楽しげに、水琴さんは頬を膨らませながら、俺を見つめていた。


「両手に花だね! 晴人!」


 夏帆は綺麗な声で、からかうように言った。

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― 新着の感想 ―
夏帆ーー 邪魔せんといてー
[一言] 夏帆への好感度急降下中
[気になる点] ダメだなあ晴人君。 話的には面白いかもしれないが、この辺の仕切りができないことがクラスのみんなから頼りにならない陰キャと評価されるのだろうな。
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