1話 幼馴染に振られた
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タイトル:【連載版】幼馴染に振られた俺が、国民的アイドルの義妹に手料理を振る舞った結果
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人間、些細なことを含めて、いろいろと思い通りにならないことが多いものだ。
ただ、だからといって諦めてはいけない。
期待しすぎずに、でも何とかしようとすることが肝心だ。
これは父が俺に残してくれた言葉だ。
念のために言っておくと、べつに父さんは死んだわけじゃない。
はるか遠く北海道の釧路市に単身赴任に行くときに、父はそういう教訓を垂れてくれたのだ。
そういうわけで、高校生の俺は地方都市の安いアパートで一人暮らしをしていて、郵便受けには「秋原晴人」という俺の名前が書かれている。
父さんの言うとおり、困ったことがあっても、俺はとりあえず何とかしてきた。
無理して進学校に入って落ちこぼれてしまったけれど、何とか赤点だけは回避している。
両思いだったと思っていた幼馴染に告白して、振られたときはだいぶヘコんだ。けど、その幼馴染とはどうにか仲の良い友達に戻ることに成功した。
だから、現在進行中の面倒事にも、俺は適切に対処できるはずだ。
たとえそれが、ちょっと癖の強い女の子と共同生活を送れ、というものであっても。
☆
俺の通っている高校は、JRの駅からバスで十分ほどかかる場所にある。
校舎の裏手には大きな川の河川敷があって、有名な学園ドラマのロケ地みたいな雰囲気を出していた。
それほど目立った特徴はない公立高校だけれど、それなりに進学校で偏差値も高いから、俺は入試でけっこう苦労した。
なんで俺がこの高校を選んだか、といえば、まったく不純な動機だった。
幼馴染の女子と一緒の学校に通いたい、という理由だ。
俺の幼馴染の佐々木夏帆は、ひいき目を抜きにしても、かなり可愛いと思う。
ショートカットのさっぱりとした髪型は、明るく活動的な夏帆の性格にぴったりで、大きなくりっとした夏帆の瞳はいつも楽しそうに輝いていた。
俺は夏帆のことが好きだった。
そして、中学3年生の春に、夏帆から「一緒の高校に行こうよ」と言われて、俺もその気になった。
夏帆はけっこう優等生で、一方の俺は中の上といった成績だった。
だから、成績的には厳しいラインだったけれど、夏帆に教えてもらいながら、猛勉強のおかげで高校には合格した。
ここまでは良かった。
すべて順風満帆。
夏帆は俺に優しかったし、高校に入ってからは同じクラスになれて、よく一緒に下校した。
帰り道には駅近くの映画館に行ったり、夏帆のお気に入りの喫茶店に寄ってケーキを食べたりもしていた。
幼馴染で家も近所だから、互いの家を行き来して、夜ご飯を作ったりするのも日課だった。
といっても、夏帆はあまり家事が得意でなく、いつも料理を作るのは俺の役目だった。
「晴人の料理ってほんとおいしいよね」と言うのが、夏帆の口癖で、その後に夏帆はいつも綺麗に微笑んだ。
俺は、夏帆も俺のことを好きだと信じて疑わなかった。
ほとんど夏帆とは付き合っているみたいなものだけれど、そろそろ俺の方からちゃんと告白しないといけないな、などとそのときは思っていた。
今から思えば、俺は本当に間抜けだった。
高校一年生の六月、俺は夏帆に告白して、あっさりと振られた。
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