ソフィアとの再会
俺がこちらへ引っ越してきてから九年が経った。
俺は立派な高校生になっていた。
ある日、村からの一通の手紙で久しく山松村へ戻った。
懐かしいな。俺はそう思いながら、坂を上り村の少し上へ来ていた。
「オヤジ、久しぶりだな…」
俺は石に向かって呟いた。俺の父親、オヤジはこの前病気で亡くなった。村からオヤジの状態が危ないと聞いて、急いで来てみたらこの様だ。
俺は改めて村の人に「よく来てくれたねぇ」と歓迎された。学校は、親父の状態が良くない。との内容で一週間ほど休んだ。
(この村はちっとも変わってないな。まぁ、七歳に出た村だから特に思い入れは…)
俺は村での思い出を思い出していると、あの引っ越しの日の出来事が頭に思い浮かんだ。
(あの子、今何してるのかなぁ)
その少しの疑問から俺はかつての少女、ソフィアと出会った花畑へ行こう。そう考えた。
道は前よりも険しく、獣道さえも見当たらなかった。仕方なく俺は茂みをかき分けて進んでいった。しばらく進むと、開けたところへ出た。
「ああ、あった。」
俺はうっすら笑みを浮かべた。
(何年ぶりだろう。ここも変わらないな…)
どこを見ても花が目に入る。俺がまわりを見渡していると、あるものに気付いた。花畑の真ん中に何かある。近づいていくと、俺はそれが何か分かった。俺がそれを見ていると、
「ダ…誰?」
背後で声がする。俺が振り返ると後ろには金色の髪に青い瞳、白いワンピース姿の女性。いや、少女か。その少女の体が少しの震えている。俺はその容姿から、
「もしかして…ソフィア…?」
そう聞くと、
「なんで私名前、知ってる?」
そう、彼女とのが答える。
「俺の事、覚えてない?九年前にここで初めて会った…」
「九…年…前…男の子…あっ…」
ソフィアが何かを思い出したような顔をして頭を抱えてしゃがみ込み、まるで何かに怯えているように取り乱す。
「おい!大丈夫か?落ち着け!」
俺はソフィアをなだめる。俺は優しい口調で、
「九年前に何かあったの?俺で良かったら話して。」
と、聞くとソフィアはコクリと頷き、
「あの日ネ…」
と、語りだした。