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世界平和に不都合なぼくたち  作者: さんかく
第二話 勇者さん、お断り
65/153

第65回 世界平和と関南コンフィデンシャル

 電話がなった。


「ユウタくん、緊急よ」


「はい」


 時間は、20時56分。


※ ※ ※


 モンスター襲来。対象:鳥獣型、数:20、エリア:広範囲に分割。


 復興対策本部の指令=「1班は東3体、2班は南部5体、3と4班は北西7体、5班は北北東3体。佐倉ユウタは単独行する南東部モンスター1体を撃破後、2班を援護」


「了解」


「佐倉ユウタさん」


「はい」


「武運を」


 走行音/銃声/爆発音。


「だから、いっただろう? 鳥獣型には拳銃は無理だ」


 にやけた声。下卑た笑い声。


 作戦進行度:40パーセント。


 ”6班”からの連絡=なし。


「1班、現場到着」


「2班、まもなく」


「3班、4班、現在モンスターと交戦中」


「5班、現場到着、モンスターの姿、未確認」


「佐倉ユウタ、現場に到着」


 ぼくは指定の場所に立つ。狭められた道路/広くない場所/破壊された工場地帯=的確な罠を仕掛けるためには最適な場所。鳥かご。どんな声で、鳥はなく?


 時間:22時48分。作戦開始から48分。入電から2時間弱。


 頃合いだ。


 無線=「佐倉ユウタ、モンスター1体を撃破。繰り返す、モンスター1体を撃破」


 本部からの入電=「佐倉ユウタ班、撃破確認。回収は後回し。南部へ向かって頂戴」


 回答=「了解」


 車に乗り込む。移動をする、わずかな距離を。


 無線。鋭い電子音。ぴ、ぴ、ぴぴ、ぴー。”6班”からの連絡。鳥が動いた。


 作戦進行度:80パーセント。


 罠にかかるか? こころの声。


「かかるよ」


 ぼくはひとりごちる。うまい餌の味は忘れられない。


 車から降りる。徒歩で移動する。


 ルート上の”6班”メンバーからの電子音。予定通り。


 こんなときどうするかって? 待つんだよ、期待して。


 となりの男がするどく息を吐く。「落ち着いて。いまのところ、うまくいっている」


「落ち着けって?」


 高揚で言葉が乱雑になる。「無理だっつーの」


 電子音。ぴ、ぴ、ぴー。3。

 電子音。ぴ、ぴー。2。

 電子音。ぴー。1…………鳥=ヘッドライトが一本道に入る。鈍いエンジン音が聞こえる。すばやく復興対策本部が後方を固める。逃げ場は、ない。


「ゴー!」


 ナナミさんが叫ぶ。


 1〜5班の車のライトが一斉に灯火する。


 大型のバンの姿が現れる。


 急ブレーキの音。一瞬の間が空いて、バンはバックで走り出す/仕掛けられた網に絡みとられるタイヤ/鳥はがんじがらめになる。


「確保!」


 復興対策本部のメンバーがそのバンを取り囲む。


「抵抗はよせ! さっさと車から出るんだ!」


「ま、待ってくれ! 何かの誤解だ!」


 ふたりの男が車中から転がり出てくる。すばやく隊員がふたりを確保する。開いたドアから中に入り、電波ジャックの装置をひっぱり出す。


 ナナミさんはにやりとわらった。


「無線傍受を確認。よかったわ。これでこころ置きなく、あなたがたを逮捕できる」


 車のヘッドライトに照らされたそのふたりの顔を見て、告げる。


「古川正一、今井照政。復興特別対策法63条2項、作戦執行妨害にて逮捕します。そしてあなたがたにはモンスターの違法取得嫌疑、および違法売買嫌疑もかけられています。くわしく本部で聞きましょう」


 ふたりの顔にシャッターがまたたく。

 あけみさんと、同僚の記者の顔は赤くほてり、高揚がみられた。


 真実の独占スクープだ。

タイトル引用:L.A.コンフィデンシャル(文春文庫)ジェイムズ・エルロイ

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