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第1回 世界崩壊とその終わり
ぼくとかえでは、半年前、世界を崩壊の危機から救った。
そのてん末を書いたものは先週の資源ごみの日にかえでが古雑誌と一緒に出してしまったらしい。
さすがに驚いたけど、まあ、いいやと思ってそのままだ。
出版社のお姉さんは真っ青な顔で、もう一度書くよう強く迫ってくる。
でも、ぼくらは読み返したりしないし、誰でも結末を知っているのにバカのように長い冒険の話ぐらい、つまんないものはないでしょう?
結末の分からない物語のほうが面白いに決まっている。
だからこれは、ぼくたちとその周辺をうろちょろしていた人たちの、後日談だ。
まだ世界が崩壊すれすれだったころのひずみがあちらこちらに残っていて、ちょっとファンキーな部分をそこかしこで見かけるけれども、誰もがずっと望んでいた平和な世界だ。
とどのつまり、ぼくの自慢話なのです。
そんな話をご所望な方たちに、この本を捧げます。
さあ、どうぞ。
お読みいただきありがとうございます!
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