第0話
初投稿作品です。感想等よろしければお願いいたします。
オタク……それは趣味を極めんとする一種の猛者のことを指す。
世間からは「あの人、あんなことしてて楽しいのかしら?」とか「オタク……?あははっ……キモチワルイ」とか言われたりする人種でもある。
そんなオタクも様々である。集めることを目的にするオタクから、ただひたすらにその作品に情熱を傾けたり、特定の人種あるいは職種にどストライクな作品を発表するアクティブな創作系オタクまで……まさに星の数ほどのオタクの人種がいるのである。
はい?語ってるお前はどうなのか?ええ、オタクとも言える人種です。主に巻き込まれ型創作系オタクに分類されるのではないかな?
巻き込まれ型創作系オタク?なにその人種?
いや、わからなくはないよ?普通は自主的に道を踏み外した人たちによって形成されるのがオタクだもの。
けど、ちょっと考えてみて?
巻き込まれ型創作系オタク。
創作系オタクってところはまだわかるよね。同人誌とか作ったりするわけだもの。
巻き込まれ型ってどういうことかって?
創作系オタクで一定以上のクオリティを持つと参加する恒例行事があるよね?
そう、コミケ。コミックマーケット。あるいは同人誌即売会。そこで発表するのはなにも商業やってるプロだけじゃない。
なかにはネットでの評判から「いざ出陣!」って参加する人々もいる。ようするに趣味が高じて飯食える一歩手前の人たちもいるわけだ。
そんな創作系オタクのなかにはこんな人間が必ずいる。
修羅場になるまで原稿が進まない作家が。
もうお分かりであろうか。
僕、安西優一は幼馴染の同人作家によって修羅場に巻き込まれた結果、オタクになった巻き込まれ型創作系オタクである。