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epesode 3

夜。二人の女の影が地面に映し出される。

森は静かな静寂に満ち、もう誰も彼女達を狙う者はいない。


「シェーラ=リコル。レベルは120。魔術師だ」

「私はアスハルティルタ=クラウツ。レベル96の大剣士、傭兵だ。宜しく願おうか」

アスハルティルタと名乗った女性は、シェーラに手を差し出し握手を願った。

シェーラはそんな彼女の左手を握り返し、にっこりと笑顔を見せたアスハルティルタに問う。

「傭兵って依頼人の警護とかすんだろ?そんなレベル低くてどーすんだよ」

それを聞いたアスハルティルタは、

「それは、君からみればそうなのかもしれないが」

と言って微笑んだ。

「……本来…君のような強者と対等に戦う為にレベルを上げてきたのだが。

それだけではなかなか武器を買えなくてな。傭兵をしている間にレベルと資金を貯めようという考えに至った」

アスハルティルタは横に置いてあった大剣に触れる。

「だがその最中、私が新しい依頼人を探すため訪れた町である事件があってね。

君も知っているだろう?町にいたプレイヤー達を血で塗らした…」


「血の静粛」

シェーラはアスハルティルタの言葉を引き継いで言った。

その言葉にアスハルティルタはこくり、と頷き

「そう。真っ赤なローブに身を包み、君のように大型魔法を使う奴だった。

強制ID削除になってしまったプレイヤーの数は役八十人。

ある者は腹を裂かれ、またある者は体のどこかしらに武器が刺されていた」

「……」

「私は彼奴(きゃつ)と一戦交えた。とても強かったよ。

何の詠唱も無しで次々と繰り出してくるものだから、レベルの低かった私は見事にやられてしまった。

反撃はしたがね」

アスハルティルタは掌をグッと強く握る。

彼女の眼には血の海に消えた町の人達が映っているのだろう。

そして、彼女の言う赤いローブに身を包み、大型魔法を使いこなす「血の静粛」の犯人は……


今まさに、ここに。


「……なあ、もしアタシがその「血の静粛」の犯人だったら…どうする?」

シェーラはアスハルティルタの綺麗な緑眼をじぃぃぃっと見て問いかける。

「…ふふっ」

その質問に、アスハルティルタはクスリと笑った。

「君が、あの強者?そうかそうか。…別に私は、どうもしないが?」

「あだ討ちとかは、しねぇのか?」

「ああ、しないな」

「アタシは、殺さねぇのか?」

「ああ、殺さないな」

シェーラの問いにアスハルティルタはまだ笑ったまま答えていた。


「さてと。そろそろ私はここをたつが、君はどうする?」

明かりになっていた焚き火を消しながら、アスハルティルタはシェーラの方を見た。

シェーラは膝を抱え、三角座りのままで、

「お前についていく。というか、行かせろ」

と言った。


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