epesode 1
森の中、一人。
「うぁぁぁぁっ!?」
血で濡れた巨漢の剣士が崩れ落ちる。
手ごたえは無し。
二人。
「いやぁぁっ!?助けっ…!!?」
体を貫かれた女戦士は自分の体を抱きながら倒れた。
こちらも、手ごたえは無し。
「この野郎ぉっ!もう容赦しねぇぞ餓鬼がぁ!!」
三人目の男は散弾銃を持ち、二人を殺した相手目掛けて撃ちつづける。
「汝、悪魔の声に耳を傾けよ」
そう言った少女…ーつまり、男の仲間を殺した強者は、片手を目の前に出し、クスリと意地悪そうに
笑った。
「黙れや糞ガキィィィィィ!!!」
男は涙を目に浮かべながら叫ぶ。
「傾けなければ…」
「汝はここで死ぬであろう」
三人目の男はその後、呆気なく死んだ。
少女は血の池に浸る三人の亡骸を見ながら嘲笑う。
「あはははははははははははは!!
はははっはははははははははぁ!」
少女は通称「魔王」と呼ばれるプレイヤー。
名を、「シェーラ=リコル」。
彼女の通った道には何も残らず、ただ真っ赤な血の海が道を敷くだけ。
「はははははは!あはは!みぃんな、ガラクタ!
ガラクタは死ねよ!!はは、あはははは!」
シェーラは足で何度も死体を蹴る。
勝利に酔った彼女の表情はまさに。
魔王そのもの。
「アタシはもぉぉぉぉっと強いヤツと戦いたいのぉ!!
でてこいよーぉ!アハハハ!」
少女の手に、男が持っていた散弾銃が握られる。
その時…。
「強ーいヤツ、ならここにいるぞ?小娘」
繁みから出てきた声の主は、微笑みを見せたまま、シェーラの目の前へと立った。
彼女の二倍程ある背丈に、身の丈以上の大剣を持ち、黒髪緑眼の少し変わった格好の女性は
「ほうら、どうした?獲物が目の前にあるというのに襲わないのか?」
そう言ってクスリと笑った。
「あはははぁ!いいねぇ!!強気な馬鹿は嫌いじゃない!!」
シェーラはそう言って散弾銃を放り投げ、両手を前へと突き出し吼える。
「せいぜい最期の言葉でも考えときな!!さっきのヤツらより手ごたえ無かったらお前、ミンチな!!
あははははは!!」
シェーラの展開した魔方陣から繰り出される烈風が渦を巻き、女性に襲い掛かった。
「……駆けろ、風天」
女性が背中の鞘から抜いた大剣を、片手で振るった刹那。
シェーラの放った烈風は、女性の振るった剣の風圧で掻き消され、
勢いがついた風は刃となってシェーラの体を抉った。
「うっ、あぁぁあぁ!??」
少女の記憶は、そこで途切れた。




