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Survival4:東京<Tokyo>-出発進行(ゲームスタート)-

雪原は、首に銃口を向けられて動けなかった…。

「一体...、何のつもりだ?」




今、俺の首へ大柄の男が銃口を向けている。


「困りますねぇ。あなたはもう、このゲームの参加者なんですよ。次、抵抗しようとしたら、あなたはああいう風になりますよ。」


中年男が指差す方を見ると、向こう側で大柄の男数人と、OLらしき女性が言い争っている。


「止めてっ!! 私、こんなゲームになんて参加したくない! 放して!」


必死に叫び、逃げ出そうとする女性。すると、一人の男が懐から拳銃を取り出した。女性が、それを怖がって悲鳴を上げた瞬間だった…。


(ドンッ!)


一発の銃声と共に、女性は頭から血しぶきを上げ、ゆっくりと膝から崩れ落ちた。


「っ!!」


頭部を撃ち抜かれた女性は、即死だった。 黒服の男達数人が、無言で遺体を運んでいった…。


「御解り頂けましたでしょうか?」


中年男は、ニヤリと笑った。


「わ、解った。」

「安心致しました。 それじゃあ、乗車して下さい。」

(仕方ない。 今は、この男達に従うしかない…。)


俺は、ゆっくりとドアから中へ入って行った。


「これで全員揃いましたぁ!!」


中年男は、駅員に向かって叫んだ。駅員は、発車メロディを鳴らした。


「それでは山手線サバイバルゲーム、スタートです!!」


男の一声と共に、ドアが閉まった。










列車は、動き出し徐々にスピードを上げて東京駅のホームを離れていった。(これからどうすれば良いんだ…)


俺が窓の外を眺めながら考えていると、


「皆様、こちらを御覧下さい。」


声が聴こえた方を向くと、そこには黒服を着た大柄な男と大きなモニターがあった。


「只今より、このモニターによる山手線サバイバルゲームのルールを御説明致します。 繰り返し御説明致しませんので、御聞き逃しの無い様、御注意下さい。」


男が言い終わったと同時にモニターが起動した。 画面に映し出されたのは、人を嘲笑うような表情の仮面を被った一人のスーツ姿の男だった。


『ようこそ。 山手線サバイバルゲームに御参加頂きまして、誠にありがとうございます。 では、只今から簡単にルール説明を致します。 メモを取っても構いません。

まず、15両の車両一つ一つがチームとなります。 つまり、全体で15チームです。 このゲームはチーム戦です。 同じ車両にいる方同士、仲良く力を併せて頑張りましょう。

もし、同じ車両にいる方が後に説明致します不正行為を行った場合、チーム全体の責任と致しましてその時点でその車両の乗客全員が失格となります。

なお、失格となった場合は、皆様仲良く一緒にあの世逝きでございます。 くれぐれも単独行動はなさらないよう、周りの方は十分目を配らせて下さい。

次に説明致しますのは、概要です。 皆様には、チーム戦でクイズに答えて戴きます。 回答順はありません。 早押し制です。 他チームより先に5問正解されたチームから勝ち抜け、つまりこのゲームから解放されます。 それだけではございません。 勝ち抜けた際、他の車両にいるチーム1つを好きに指名出来ます。 指名されたチームはその時点で即失格となり、全員その場で御陀仏となります。 怨みっこ無しです。 フェアに行きましょう。

最後まで残ってしまったチームの皆様、嘆く事はございません。 皆様全員、生きて解放致します。 ですが、そのチームの皆様全員が次回のゲームに強制参加となります。 勿論、拒否など一切出来ませんので御了承下さい。

クイズの内容は、常識的な一般問題ですので簡単にお答え戴けると思います。 全く、心配する必要はございません。

回答方法ですが、各車両進行方向左前方にある受話器をお使い下さい。他チーム同時に掛けた場合、その時その時により、一方が掛かり、もう一方が掛かりませんのでそこは運だと思って下さい。 もう一回言いますが、怨みっこ無しです。

ゲーム中の睡眠は自由です。 食事は、我々の方から出させて戴きます。 トイレは、各車両に設置している個室トイレ[2ヶ所]を御利用下さいませ。

なお、携帯電話での外部との連絡は一切禁止でございます。 現在、皆様が乗っておられます列車には特殊な加工により、様々な電波をキャッチし、遮断する機能を備えております故、使用しますと即発覚します。 発覚した時点で前述の通り、例え個人行為だとしてもチーム全体の責任になり、チーム全員が失格となります。 十分注意して下さい。

最後に、皆様の御健闘を願って山手線サバイバルゲームの説明を終わりに致します。 御視聴ありがとうございました。』


モニターの映像が消えた。 列車はもう直ぐ品川駅に到着しようとしていた。

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