Survival3:東京<Tokyo>-山手線サバイバルゲーム-
雪原は、ホームへ到着した途端、目の前の光景にただ呆然と立ち尽くしていた…。
階段を駆け上がり、ホームに辿り着いた俺は、目の前の光景に呆然と立ち尽くしていた。
「な…何なんだこれは…」
俺の目に映ったのは、“山手線サバイバルゲーム”と車両全体に装飾された1本の山手線と沢山のランプが装飾された眩しい大きな看板。それにメタリックレッドの特殊なえんび服と同じ色のスーツ、白のハットを着用して、片手にマイクを持っているとても怪しい中年男が1人。その男の周りには、全身黒のスーツを着用した体格の良い男達がズラリと並び立っていた。
その時、俺の真上にあったくす玉から沢山の紙屑と共に白い紙が落ちてきた。しかも、その瞬間にあの怪しい中年男が俺に近寄って来たのだ。男は、俺の顔を見るなりニヤリと笑い、こう言った。
「おめでとうございます!あなたは、最後の参加者となります!いやー、あなた運が良い!こんな楽しいゲームに参加できるとは!ささっ、この車両に乗車して下さい!」
男は無理矢理、俺を車両に乗車させようとした。当然、俺は待ったを掛けた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!何だいきなり…何なんだこの訳の解らないこのイベントは!」
すると、男は自分の懐から水色の表紙の冊子を取り出した。表紙には大きな字で、
(あなたは、周りの知らない人達と協力し、最後まで生き残れるか?!山手線サバイバルゲーム)
と書かれてあった。
「あなたは今から、この楽しいゲームに参加して貰います。さぁ、乗って下さいな!」
男はそう言って、また俺を車両の中に押し詰めようとした。俺は、その理不尽さに到頭キレた。
「おい!ふざけんな!こんな下らないゲームに参加してる程、俺は暇じゃない!」
俺は男を振り払い、階段を降りようとした。が、次の瞬間…首に冷たい感触と共にカチッと音が聴こえ、俺の足は自然に止まった…。