第15話【わたし視点】翼さんと、おそらのさんぽ!
きんぴかさんのおうちでの生活は、なんだか毎日がピカピカしてる。
ふかふかのクッションはいつでも使い放題だし、魔力で甘さが増したお菓子も、瑞々しい果物も、毎日たくさんもらえる。わたしは、このおうちがすっかり気に入った!
ある日、お外のすごく広いお庭で、翼さんと一緒に日向ぼっこをしていた。
そこへ、きんぴかさんがやってきた。相変わらず、服も髪の毛もピカピカだ。
きんぴかさんは、わたしに何かを言っていた。翼さんを指さしたり、自分の胸を叩いたりして、すごく偉そうにしている。わたしにはさっぱりわからないけど。
よくわからないから、とりあえずぷるんと体を揺らしておいた。
すると、きんぴかさんは、すごく自信満々な顔で、魔力でキラキラしている美味しそうなお肉の塊を、翼さんの目の前に差し出した。
でも、翼さんは、そのお肉をぷいっ、と無視した。私と違って魔力が入った食べ物は好きじゃないのかな?
そして、わたしのところにやってくると、その大きくて威厳のある頭を、わたしのぷるぷるの体に、ごりごりーっと擦り付けてきたのだ。もっと撫でて!って言ってるみたい。
きんぴかさんは、すごく変な顔をして固まってる。
せっかくの美味しそうなお肉なのに、もったいないなあ。翼さんが食べないなら、わたしが食べちゃえ!
わたしは、きんぴかさんが持っていたお肉に、ぱくり!と飛びついた。
んー、おいしい!
お菓子よりも、魔力が詰まってて、お腹の中がぽかぽかして、力がみなぎってくる感じがする! 夢中で、全部食べてしまった。
こんなに美味しいものをくれるなんて、きんぴかさんは、やっぱりすごくいいひとだ!
わたしは嬉しくなって、きんぴかさんの足元にころころと転がっていくと、感謝の気持ちを込めて、その綺麗なブーツにぷにぷに、すりすりと、体を擦り付けた。
でも、きんぴかさんは、なんだかすごく難しい顔をして、わたしのことを見ている。あれ? 喜んでくれてないのかな?
うーん、まあいっか! なんだかお空が飛びたくなってきたな。じっとしているのは、もう飽きちゃった!
わたしは、翼さんの背中にぴょんっと飛び乗ると、一人でぐん!と空に舞い上がった。
わあ、気持ちいい! でも、一人じゃつまらないや。
わたしはすぐに地面に戻ってくると、ビー玉さんと黒騎士さんの前で体をぷるぷる揺らして「一緒にいこ!」ってアピールした。
きんぴかさんも、なんだか乗りたそうな顔で一歩前に出てきたけど、翼さんが、ぐるるるっ!って低い、嫌そうな音を出した。嫌われちゃったのかな? きんぴかさんは、ぴたっと止まって、すごく不満そうな顔をしている。翼さんだって嫌いな人は乗せたくないだろうから、仕方ないね!
ビー玉さんと黒騎士さんも乗ると、翼さんは、待ってましたとばかりに大きな翼で地面を蹴った。
やったー! おさんぽだ!
わたしたちは、ぐん!と空に舞い上がる。
うわあ、やっぱりお空は最高! 気持ちいい風が、わたしの体を通り抜けていく!
毎日、こうしてお空をお散歩できることになった。
おっきな街を上から眺めるのは、すごく楽しい。綺麗な屋根のおうちがたくさんある場所もあれば、なんだかごちゃごちゃしていて、色がくすんでいる場所もあった。
そのごちゃごちゃした場所から、なんだか、すごくからそうな、美味しそうな匂いがする。
わたしは、いつかあそこに行ってみたいなあ、と、じーっとその場所を見つめていた。




