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自キャラ転生! 強アバターは生き辛い。~極振りパーティ異世界放浪記~  作者: くろぬか
2章

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第36話 太古の装備


「あぁぁぁぁぁ……」


「クウリー、今日も休みぃ?」


「や ず み ぃ ぃ ぃ ぃ 」


 マッサージチェア(魔道具)にドドドッと身体を揉まれながら、トトンの声に返事をしてみたのだが。

 ちびっ子は非常に不満な御様子で。


「暇だよぉぉ! 何か依頼受けようよぉ!」


「真面目だなぁ、お前は……おぉぉぉ、そこそこそこ」


「クウリおっさん臭い!」


「う る せ ぇ ぇ な ぁ ぁ ぁ」


 人間、ダレる時はダレるのよ。

 前回の買い取り金も入って来たし、金銭的には非常に余裕のある状況なのだ。

 だからこそ、一週間以上宿でのんべんだらりとしている訳だが。


「クウリィィ! 暇ぁぁぁ!」


「あぁもう、ホント元気だなぁ……露店巡りでもして来いよー」


「良いの!? いやでも……昨日も一昨日も行って来たし……」


「大した金額じゃねぇから良いぞぉ、最近稼ぎも良いしなー。皆の分もお土産よろしくー、ホイお小遣い」


「分かった!」


 そんな声を上げ、街へと飛び出していくトトン。

 若いねぇ、ホント。

 俺みたいなお疲れ社会人では、休める時には休むというのが鉄則なのに。

 とか思って居れば。


「クウリ、すまない。俺達も少し出て来て良いか?」


「んあ? イズとダイラも? どしたの、皆暇になると死んじゃう系?」


「いや、そうではないが……武器屋とか、色々な。普通の物だと、どうしても使い潰してしまって。また少し見繕って来る」


 前衛は大変だねぇ、とか思いつつ彼等に金を渡そうとしたが。


「前回の残りで十分足りる。それに人目がない時はゲーム内の武器で足りるからな、そこまで良い武器を買うつもりは無いさ。悪いな、クウリはゆっくりしていてくれ」


「行って来まーす。無駄使いは控えるから」


 と言う訳で、二人もまた街へと出かけてしまった。

 凄いねぇ皆、元気だねぇ。

 俺はマッサージチェアに揉まれながら、今後売れる物でも考えるよ。

 などと思いつつ、ウィンウィンと全身を揉み解されていれば。


「クウリさん一大事ですよ!」


 同じ宿に泊まっているミラさんが、随分と焦った様子で接近して来た。

 もぉぉぉ、今度は何さ?

 とか思いながら、眠くなってきた眼差しを向けてみると。


「襲われますよ? いや、ホント。そんな顔しながら、こんな所で居眠り始めたら」


「俺いったい今どんな顔してたんだよ……」


 と言う事で、よっこいしょっとばかりにマッサージチェアから腰を上げてみれば。


「錆び落とし、終わったそうです! しかも全部!」


「ふーん? 錆び落とし、錆び落とし……なんだっけ?」


「古代の代物です! しかも全部武器だったと言っていますから! 今すぐ見に行きましょう!」


 とういう事で、俺の休日は阻害されてしまうらしい。

 今から仲間を集めて……いやぁ、別に良いか。

 結局の所レアドロップ完全強化武装を携えている様な面々だし。

 それ以外の装備だっていくつか保管している上、イズの言う通り人目がある時だけ普通装備があれば問題ない。

 俺が適当に見繕って、皆にお土産として渡せばソレで良い気がして来た。

 というかインベントリしかない以上、武器の能力値とか計る事も出来ないし。

 だとすれば、店で売ってるヤツより良い品だったら良いね。程度。

 この地方の魔物を見る限り、ゲームで言う中盤を抜けるかどうかくらいの感覚だしなぁ。

 まぁそこまで期待せずに確認しますかね。


「んじゃ、見に行きますんかぁ」


「なんでそんなにのんびりしているんですか!? 古代武器ですよ!? 未知の塊ですよ!? すぐに行きましょう!」


 物凄く興奮した様子のミラさんに連れられ、俺はギルドに足を運ぶのであった。

 あ、浴衣モドキのままだけど……まぁ良いか。


 ※※※


「アンタさぁ……ギルドに来るなら、もう少しマシな格好で来なさいよ」


「あ、あはは……随分急いで連れ出されたもので」


 とても緩い恰好で登場した俺に対して、受付さんはものっ凄く顔を顰めていた。

 ですよね、ごめんなさい。

 休みっぱなしだったから、かなり気が緩んでいたのは否定出来ない。


「まぁ良いか。奥の部屋に“例のブツ”は運んであるから、まずはリーダー同士で相談しな。そういう類の研究者なんかからも、研究資料として預けてくれないかって声を掛けられてるから。そっちも話し合って決めてちょうだい」


「うーっす」


 そんな訳で、ギルドの奥へと案内される俺達。

 以前の街で、支部長に呼び出された様な部屋かな? とか思っていたのだが。

 通されたのは武器庫みたいな場所。

 そこには既に何人もの人が集まっており……何やらピリピリした空気が漂っていた。

 え、なに。

 誰ですかこの人達。


「そっちのカタッ苦しい恰好をしている連中が、さっき言ってた古代物品の研究者。要望としては、一つでも良いから彼等に物品を預けて欲しいって話だよ。それに対して金銭を要求するかどうかは、アンタ等次第。んで、あと半分の奴等はコレらの“手入れ”に関わった鍛冶師達だ。物の説明はソイツ等から受けな」


 それだけ言ってから受付さんは溜息を溢し、適当に座って煙草なんぞ吸い始めた。

 ホント自由だな、この街の受付嬢は。

 まぁソレは良いとして、さてどうしたものかとミラさんと顔を見合わせてしまったが。


「アンタ等が見つけて来た武具である以上、決定権はアンタ等二つのパーティにある。んで、素人に専門家がガツガツ行ったら“話し合い”にはならないだろう? アンタ等の話し合いが終わるまで黙ってる様に言っておいたから。こんな所でトラブル起こされたら私が困るからね、仕事増やすんじゃないよ?」


 あっ、はい。

 とりあえず俺等が決めるまでは、黙って見ているだけの置物だと思って良いのか。

 威圧感めっちゃ凄いけど。

 そんな事を思いながら、並んでいる武具に近付いてみれば。

 ほほぉ、これはまた……結構な数があるではないか。

 槌に槍に大剣に、意外と細かい装備もあったようで。

 長剣やレイピア、短剣なんて物まであるじゃないか。


「こんな細かいのが出て来たんだ。小さめの塊ってそんなに数あったっけ?」


「いえ……ここまでの数は無かったかと思いますけど」


 などと会話をしていれば、鍛冶師の一人が手を上げて来た。

 喋るなって言われているみたいだからね、多分此方が許可しないと発言すら出来ないのだろう。

 と言う事で、掌を向けて発言を促してみると。


「長々話すと怒られちまうから、自己紹介は後で良いな? その細かい武器に関しては、一塊のデカイヤツを崩したら出て来たんだ。俺達の予想じゃ、その場に武器庫でもあったのか……それともソコに鍛冶屋があったんじゃねぇかって予想してる。普通なら戦場に、そんな色んな種類をまとめて持って行ったりしないだろ?」


 と、言う事らしい。

 へぇ~、そういう事も考えられるのか。

 今でこそマジで火山だけど、昔は違ったのかもね。

 その辺は想像しても、俺には良く分からないが。

 そういうのを調べる為に、今日は研究チームも足を運んだのだろうし。


「クウリさん、どうしますか? 見つけたのは貴女ですから、全て貴女が持ち帰るというのなら……私達は引き下がります」


「いやいや、掘ってくれたのはミルキーさんとシーシャさんな訳だし。独り占めするつもりはないよ。むしろ欲しい物とかある? 意見がぶつからない限りは、そのままそっちで貰っちゃって良いし」


 そんな訳で、二人して武器を吟味し始めた。

 とはいえ専門家という訳ではないから、ゲーム目線でしか見られないが……。

 しかしこう、イメージしていたのとは違ったというか。

 随分綺麗なフォルムをしているし、ちょっと変わった形をしているのは好ましい。

 だけどこういうファンタジーでいう“太古の武器”と言われれば、ちょっとSFチックなのを想像していたのだ。

 実は過去の方が、技術が物凄かったんですよー! みたいな。

 だがそんな事はなく、ちょっと今の武器とは雰囲気が違うだけ。

 全体的に丸みを帯びた武器が多いというか、大槌だってこう……丸まったエビの背中みたいに、ツルンとした見た目で甲殻が重なっているかの様なデザイン。

 見てくれは面白んだけどねぇ~性能を数値化してくんねぇかなぁ……。


「うーん、これはまた。判断に困るな……そもそも俺達のパーティが使ってる武装が殆どないし……」


 長剣なら、イズ辺りは使えるかもしれない。

 ハンマーに関しては、トトンなら振るう事が出来るかもしれないが……けどアイツ、盾ばっかり使ってるしなぁ。

 渡してもしばらくオモチャにして、すぐ飽きてしまいそうだ。

 攻撃の為の武器、という意味では他にも色々持っているし。


「珍しい物を補完したいって気持ちはあるけど、宝の持ち腐れじゃぁなぁ……」


 適当に短剣を手に取り、しげしげと眺めていた訳だが。

 俺とダイラじゃ剣は使えないし……いや、職業補正とか無ければ装備不可って事は無いかもしれないし、頑張れば振るう事くらいは出来るのかもしれないけど。

 ナイフくらいなら、俺達も持っていた方が良いのか?

 そういう補正が働くの、ゲームの物品だけって雰囲気もあるし。

 俺の翼を皆が“重い”と表現したのがソレだが、現地の物では経験した事無いしなぁ。

 魔人の大剣、俺でも持ち上げられたので。


「あの……それじゃ、此方の欲しい物から提案して良いでしょうか?」


「あぁ、どうぞ?」


 そんな事を言いだしたミラさんが欲しがったのは、まずレイピア。

 意外だ、てっきり長剣を欲しがると思っていたのに。

 そして大槌を一つと、短剣を一本。


「ちなみに、何でソレ? 長剣は良いの?」


「レイピアに関しては、私でも使えそうだからです。長剣は私が使っている物より随分肉厚ですし……ちょっと厳しいかなと。そして短剣はリーンに、護身用として。大槌に関しては、ミルキーとシーシャで共有してもらって使って貰おうかと。ただ殴りつけるだけなら、きっと最終手段としては役に立ちますから」


「戦闘に関してミラさん一人ってスタイルは、相変わらずか」


「そういうパーティですから」


 なんて事を言って、困った様に笑う彼女。

 ま、それならそれで良いさ。

 他パーティの構成に口を出す程、野暮ではないので。


「んじゃソレは全部そっちでどうぞ。こっちで欲しいのは……長剣くらいだから、後の物はどうするか相談しよっか」


「あとは全部クウリさん達が所有権を主張しても良いんですよ?」


「それならソレで良いんだけどね……」


 周囲から、物凄い視線を向けて来る人達。

 少しくらい、コッチにも渡さないと絶対問題になるでしょ。

 はてさて、どうしたもんかね。



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