第33話 なんか見つけた!
「掘るかぁ! “イロージョン”!」
「掘るぞぉ! スマァァッシュ――」
「それは止めてトトン! また崩れる!」
と言う事で、美味しいポイントまでやって来た俺達。
すげぇぜ、今回はマジで火山の中までお邪魔してしまった。
ボッコンボッコン言ってるマグマの泉が眼下には存在するし、普通だったらココに居るだけで焼け死んでしまいそうだ。
しかしそこはダイラの補助魔法。
コレがあるからこそ、ここまで踏み込もうって話になった訳だが。
「凄い、凄いぞコレ! そこら中に反応がある!」
「早く掘ろう! 今回は大儲けだ!」
ミルキーとシーシャも大層興奮している御様子で、すぐさまツルハシを振るい始めた。
彼女達もこれ程奥まで辿り着いたのは初めてらしく、ミラさんとリーンさんもどこかソワソワしているみたいだ。
「す、すごい! 見てくれリーダー! こんな大きなマナライトが!」
「こっちはミスリルだ! 凄い、何でも出て来るぞコレは!」
なにやらすぐに掘り出したらしい二人が、大興奮でデカイ塊を手にしているではないか。
コレは俺達も負けていられないだろう。
と言う事で今一度“イロージョン”を使って岩壁の中を調べていれば。
「うん? 何だこりゃ?」
「クウリ、どうした?」
俺のスキルでは、そこに何があるのかまでは分からない。
だからこそ、掘り起こしてみないと何が何やらって感じではあるのだが。
「なんか……物凄くデカイ物が埋まってる。多分俺の身長と同じくらいあるんじゃないか?」
「え、なにそれコワ。クウリくらい大きい鉱石とか、どんな価値になるのさ」
皆揃って俺が手を当てている壁に視線を送っているが……どうすっかな。
発掘素人の俺達が無理矢理掘り出したら、それこそ砕けたり崩れたら元も子もない。
またトトンがスマッシュでも使ったら、足元さえ崩れて溶岩の中に一直線! なんて、洒落にならないからな。
「ミラさん、ちょっと良い?」
「何!? 今度は何を見つけたの!?」
何かギラギラした目をしているミラさんが、大急ぎでコチラに駆け付けて来た。
その向こうでは相手パーティの皆が、掘り出した鉱石を並べて大いに喜んでいる光景が。
大きいのがいっぱい出て嬉しいんですね、そうですね。
こういうの専門のパーティだから仕方ないのかもしれないけど、結構キャラ崩壊起こしてるからちょっと怖いよ。
などと思いつつ、俺が見つけた“何か”の説明をしてみれば。
「ミルキー! シーシャ! ここを慎重に掘って! クウリさんと同じくらい大きな何かがあるらしいわ! 本当に慎重にやってちょうだい!」
「なんだって!? そんな大きさの塊が!?」
「クウリ鉱石! クウリ鉱石!」
違います、俺は鉱石ではありません。
と言う事で、二人が俺達の居た場所を掘り進めていけば。
「出て来た! 見えて来た!」
大興奮状態の二人だったが、現物が見えた瞬間に手つきが慎重になり。
ガリガリガリと削る様に掘り起こしていけば。
「何だコレ……錆びの塊?」
本当によく分からないものが発掘されてしまった。
妙な形をしてはいるが、どう見ても錆び。
もはや触れる事すら戸惑われる程に、ガビガビだ。
え、何。
せっかく掘り出して貰ったのに、俺ゴミ見つけちゃった?
「でも錆びる何かが埋まっているって時点でおかしいわ。ここらで採れる物に、錆びるモノなんて無いもの」
「え、でも鉄鉱石とかだったら……錆びたりしないんですか?」
はて、と首を傾げなら質問してみれば。
相手はもはて? と首を傾げてしまう。
「クウリさん、鉄は確かに錆びるけど、加工前の鉄鉱石って錆びないのよ?」
え、そうなの?
新しい知識を得てしまった。
というか、俺の無知を露見しただけとも言えるが。
だとすると、コレは何?
「溶岩が固まったり、火山灰が積み重なって山が出来たり、色々あるけど。こんな奥深くに眠っていた錆びている何か、つまり太古の代物ね。しかも人の手が掛けられている物に間違いないわ……もしかしたら、大発見かも」
おぉっとぉ? これはまた面白い物を引いたかも。
そういう設定ってワクワクするよね。
ゲーマーとしては、レアドロップは大歓迎。
しかも太古の何かだ~なんて言われれば、ロマンの塊も良い所ではないか。
コレが武器とかだったら、それはもう飛んで喜ぶ所なのだが……果たして。
「なぁクウリー、そんな珍しい物ならもっと探しても良いんじゃない? コレだけが溶岩に流されて来た、とかじゃ無ければ他にもあるんじゃない?」
なんて、のんびりとトトンが声を上げた。
ゲーム的に考えれば、こんなレアものがゴロゴロ出て来る訳無かろうがと言いたいが。
現実的に考えればどうだ?
ここには昔人類が住んでいた、とか。
この場所まで戦闘に来た誰かの遺留品だった場合。
それはもう一個だけって事は無いだろう。
太古のこの場所がどんな所だったのかは知らないが、もしも戦闘に来ていた場合は仲間が居たかもしれないし。
ココに村やら街やらあったのなら、それこそゴロゴロ出て来てもおかしくはない。
と言う事で。
「全力全開! “イロージョン”!」
範囲を拡大させながら、そこら中を俺のスキルで包み込むのであった。
出て来いお宝、もっともっと来い。
そうすれば俺達は、インベントリの中身を売りさばかなくてもいっぱい金が稼げるのだから。




