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自キャラ転生! 強アバターは生き辛い。~極振りパーティ異世界放浪記~  作者: くろぬか
9章

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第213話 その地へ


「目標、完全に視認! 突き進むぞお前等ぁぁ!」


「だぁぁぁもう! 最後の最後まで本当に忙しいね!」


 ダイラが大規模なプロテクションを展開し、周囲から集まって来る雑魚モブをまとめて足止め。

 とはいえ……その一体一体がやけに強力だが。

 どいつもこいつもどっかで見た事ある様な獣の姿をしているものの、色も違えば形も違う。

 明らかに強化個体であり、ゲームで言えばこれまでの集大成とも言える完全体が襲い掛かって来る訳で。


「ヤバイ! 数が多過ぎて守り切れないよ!」


「任せろダイラ! ノックバックだけ頼む!」


「“ブレイク”! “放射”!」


「“プラズマレイ”! “シューティングスター”! “エージング”! “カオスフィールド”!」


 魔術防壁が砕け、周囲の奴等を一定距離ふっ飛ばした瞬間。

 此方は“ぶっぱ”開始。

 大火力範囲攻撃が、周囲のエネミーをまとめて呑み込んでいくが……流石に、数が多いな。

 本気で戦争だと言われても納得してしまいそうな程。

 ていうかこんなふざけた難易度では、それこそ大規模クランが総出で掛からないと手が足りないくらいだろう。

 少人数の場合はなるべく戦闘を避け、スニーキングしながら進むのが正解なステージってか?

 でも俺等は、“そういうの”じゃないんでね。


「イズ、トトン、エレーヌ! “頼む”!」


「了解リーダー、“道”を作って来る」


「トトンにお任せっ! 行って来まーす!」


「任されたわ、魔王」


 三人が一気に飛び出し、俺の撃ちもらしどころか、攻撃が届かなかった相手にも特攻していく。

 ただし俺達が通れる分だけ、全てを相手にする必要はない。


「続くぞ! ダイラ、シュウ! 掴まれ!」


「“飛行”を使ったら空からも来るよ!?」


「なぁに、もうお祭り状態なんだ。今更客が増えたところで、大して変わりはしないさ。派手に行こうじゃないか」


 残る後衛二人が俺にしがみ付いた瞬間、低空飛行で前衛の後ろに続いた。

 大槌を振り回すトトンが先頭で暴れ、後を追う様にして展開しているイズとエレーヌが、それぞれ違う“赤”をまき散らしながら相手を切り刻む。


「ククッ、クハハハッ! “祭り”はこうでなくちゃなぁ!? 少し派手な“花火”を上げるぞ!」


「うぎゃぁぁぁ! クウリが完全に魔王テンションだぁぁ!」


 前衛組に追いついた所で翼を思い切り広げて急停止、そのまま正面に杖を構え。


「覚醒! “デウス・マキナ”!」


「少しだけ手を貸そうかな? 花火は“派手”な方が良いだろう」


 俺達の背後に巨大な人形が出現し、カパッと口を開けた瞬間。

 空中に向かって筆を動かしたシュウの元から、二匹の“龍”が出現。

 ソイツ等も人形の隣に並び、バリバリと雷を纏い始めたかと思えば。


「穿て! 殲滅してやらぁ!」


「続け、弾けろ。“夢の黄龍”の名において命ず、この場を“狂乱の地”に塗り替えようぞ」


 デウスマキナの人形が極太のレーザーを撃ち放つと同時に、二匹の龍も威嚇するかの様に牙を見せながら吠える。

 俺の攻撃には輝かしい紫電が纏わり付き、普段より高火力を叩き出しているのは見ただけでも分かる。

 だというのに此方の攻撃を中心地とするかの様に、周囲には空から迸る落雷が降り注いでくるではないか。

 もはや耳がおかしくなりそうな轟音を響かせ、いくつもの雷が多くの魔獣を焼き払い。

 俺の攻撃は一直線に敵の群れを灰にしながら、見上げれば首が痛くなりそうな程デカい“北の門”近くに着弾する。


「すぐに雪崩れ込んで来るぞ! 前衛組、突貫!」


「“道”を塞ぐな! このまま行くぞ!」


「ゴーゴーゴー! 一気に辿り着くよ!」


「忙しい限りね? ま、“いつもの事”かしら」


 俺の指示に前衛三人が再び走り出し、これを確認してから先程の行動をもう一度。

 と、簡単にいけば良かったのだが。


「クウリ、上! “お邪魔虫”も特大だよ!」


 ダイラの声に視線を上げてみれば……おいおいおい、マジかよ。

 とてもじゃないが“お邪魔虫”なんて言えないサイズの連中が、まとめて襲い掛かって来るではないか。

 ワイバーンにレッサードラゴン、まだ遠くて見えないが……もっと馬鹿デカい影まで雲の中から見えている程だ。

 “飛行”を使い続ければ、最終的にはあんなのが下りて来るってか?

 普通にレイドボスかってサイズだし、この集団戦をやりながらあんなのもまで相手しろってのは、流石に無理だろ。

 では、どうするか。

 “急ぐ”しかない、アイツが下りて来る前に。

 とはいえシューティングスターも、デウスマキナもリキャストタイムが終わらない。

 かといってここでルインなんぞ使おうものなら、後衛組の足が完全に止まる事になる。

 という事で。


「“召喚”! ノーライフキング、頼む!」


『御意』


 くぐもった声と共に、ローブを被った骨ボスが登場。

 すぐさま周囲には幽霊の兵士達が勢揃いして、一斉に上空へと向けて武器を構えた。


「俺達に空飛ぶトカゲを近付けないでくれ! “任せる”!」


「御心のままに」


 ノーライフキングが杖を振り上げれば、空が炎の海に包まれる。

 数多くの羽を生やしたトカゲ共が燃え上がり、悲痛な叫び声を轟かせるが。


「休ませるな! 皆の者、我等は魔王様の盾……一匹残らず駆逐しろぉぉ!」


 更に炎をまき散らす彼が命じれば、幽霊たちが一斉に空中戦を開始した。

 ったく、頼もしくなりましたねぇ本当に!

 とはいえ、脅威は空からだけって事もなく。

 前衛組がいくら敵を散らそうが、やはり全体から迫ってくれば手が足りる筈も無い。

 だったら、こっちも数で勝負するしかないってもんだろう。


「来い! “砂の海賊”!」


『我々の魂は、魔王と共に』


 俺の周囲を魔法陣が包み込んでみれば、そこから出現するのはミイラの大群。

 そして先頭に立っているゾンビは、緑色の双剣を鞘から抜き放ち。


「地上をお前等に任せる! 押し返してくれ! “頼んだ”!」


「あい分かった。全員、武器を構えろぉぉ! 一匹残らず、殲滅せよ! コイツ等は、我々の敵だ! 我らが王に歯向かう獣共を、全て駆逐するぞ!」


 彼の一声と共に、ミイラ達も全員抜剣。

 次の瞬間には雄叫びを上げながら走り出し、周囲の魔獣達を数で押さえつけていく。


「砂漠地帯の海賊……本来は、船。間違いないかい? 魔王」


「ん? あぁ、そうだけど……どうした、シュウ」


「なに、多くの“仲間達”にも、少しだけ手を貸そうかと思っただけさね」


 そんな事を呟く黄龍が筆を動かせば、北の門間近の広いフィールドは霧に包まれていき。


「踊れや狂えや。ホラ、ここは自らの庭だと思って存分に牙を剥くと良い」


 ピッ! と筆を掃ったシュウが笑えば、その一帯は全て“砂漠”へと姿を変えた。

 ただし、俺達が通ろうとしている一本道以外。

 足場が急に変化した事により魔獣は戸惑い、砂に足を掬われている。

 しかしミイラ達は、むしろ慣れたフィールドに変化した事により、その動きは先程とは比べ物にならない程活性化。

 ついでに言うのなら。


「船に乗り込めぇぇぇ! 一気に片付けるぞ!」


 船長が声を上げると同時に、彼の背後には“屍の箱舟”が出現。

 デカいそれに幾人ものミイラが乗り込んでいけば、すぐさま豪華な海賊船は動き出し。

 そこら中に向けて、大砲を撃ち放っていくではないか。


「ククッ、クハハハハッ! 最高だぜシュウ! こりゃ俺も“役者”を増やさねぇとなぁ……来い! “屍竜”!」


「あぁぁもぉぉぉっ! クウリが怪獣大戦争にする気だ!」


 ダイラの悲鳴を聞きつつも、再び広がった魔法陣からは……馬鹿デカい腐ったプレシオサウルスが出現。

 ソイツは咆哮を上げてから、勢い良く砂の海を泳ぎ始める。

 此方の大規模戦力投下によって、現場は完全に混乱状態。

 空を飛び交う竜達は、亡霊兵とノーライフキングの炎に包まれ。

 地上ではこれまで暴れていた魔獣達が、亡霊の海賊船と砂漠の竜が蹂躙を始める。

 まさに狂乱、こんなのはゲームの運営さえも想定していなかっただろう馬鹿げた大規模戦闘。

 だが今は、俺達の事をチートだ何だと騒ぎ立てる奴もいない。

 それどころか、ゲームマスターすら俺に協力している状態な訳で。

 もしも発生するなら、“世界そのもの”からの追放処分くらいなものだが……。


「ハッ! この程度じゃ俺をBANする訳にはいかねぇもんなぁ!? 俺達が世界に変化を及ぼすのは、“これから”だもんなぁ!? その結果を見る前に処分なんぞ出来る筈がねぇ!」


「クウリィィィ! 神様的な存在が見てるかもしれないから、世界に喧嘩売るの止めてぇぇ!」


 そんな訳で、俺達は目的の場所まで一直線に突き進んだ。

 ラストステージの、最終地点。

 ゴールなのか、それともある意味スタートなのかも分からないその場所に。

 アホみたいにデカイ建造物、その根元に作られた建物へと向かって。


「クウリ! 神殿みたいな変な建物確認!」


「これまた、御大層な門で通せんぼだ……近付いたら一瞬で開いてくれるような、自動ドアだったら良いのだが」


「ゆっくり待っている時間も、調べている時間も無いわよ? 周りがこの状態なんだから」


 前衛組からの声に、こちらはニッと口元を吊り上げてから。


「全員で、盛大に“ノック”してやれ! 最大火力!」


「「「覚醒!」」」


 今回ばかり魔女も乗っかったのか、三人は声を合わせてからそれぞれのスキル名を叫びつつ……そのまま、巨大な門へと攻撃を叩き込んだ。

 そして。


「お邪魔するぜ? 俺等にこの世界の“真理”ってヤツを教えてくれよ」


 此方を阻害する物は何も無くなり、俺達6人のパーティは。

 ついに、北の門と呼ばれる建造物まで辿り着いたのであった。

 どうでも良いけど……扉、壊れなかったな。

 すげぇ勢いで開いたけど。

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