6 王都での活動
冒険者班に返らされた。ロイドは今度失敗すれば解雇という重い条件で王都担当に回された。
6 王都での活動
ロイドは結局、流通班の王都担当に貸し出しの形になった。冒険者班が一人欠員になったのだ。その変わりロイドに今度ミスがあった場合は能力を消して解雇となる。冒険者班に戻ったとしても。ロイドとしては一生消えない傷を負ってしまったわけだ。流通班の班長としてもロイドに期待するものはない。これ以上面倒を起こされたくないだけだ。王都担当としても護衛の強化と言う意味合いなら容認出来る。たとえ協調性が問題あるとしても。
今日の使命は宝石類や貴金属の輸送だ。販売員、護衛の5人だ。彼らは交渉も出来る。流通班きっての精鋭だ。まず商業者ギルドに行く。ロイドは回りを警戒しながら商業者ギルドに向かう。商業者ギルドでも歓待される。富を提供してくれる訪問者だ。宝石や貴金属の鉱山は手の届かない存在になってしまった。それでも需要はある。新しい宝石、貴金属は是非欲しい品物だ。宝石類の売買は女性メンバーの役割だ。貴賓室に通され、ギルド職員と鑑定師が対面する。女性メンバーが宝石を出す。
「鑑定させて頂きます。」
いずれも大きな宝石だ。計20点の宝石を鑑定して行く。
「1のルビー50万エミリ、2のダイアモンド30万エミリ-------------。」
鑑定結果を示しながら鑑定師は述べていく。流通班の女性メンバーは鑑定結果を見ながら
「8と16はこちらの鑑定と倍以上低いですので、再鑑定お願い出来無ければ持ち帰らして貰いまらいます。」
緊張の走る場面だ。護衛も殺気立つ。
「判りました。8と16以外を引き取らせて頂きます。」
8と16の宝石を別のケ―スに移し、他の宝石の売買した。
流通班が立去った後、商業者ギルドと鑑定師は話合った。
「あの8と16は特別の物だったな。」
鑑定師は呻く。
「なら何故正当な評価をしない。」
ギルド職員は不満そうに言った。
「あんなも一つ買ったら、ギルドの金無くなるぞ。此処で売る物じあない。」
商業者ギルドでの買取を終えた一行は王城に向かった。マリエ―ルが王城に向かえなくなったので代わりに向かっていた。
門番に要件を話と直ぐに招かれた。打ち合わせ室に入り宰相と思われる人と対面した。
「状況はどうかね。」
宰相らしき人は聞いた。
「現在5つ目の拠点が出来ました。6つ目の拠点作りに入っていますがどの魔獣も強く連携がとれています。冒険者と拠点作りの者300人が戦っています。マリエ―ル様も参戦しています。被害も出ていますが、マリエ―ル様のフィ―ルで回復しています。魔獣達は昼夜攻めてきますので、こちらも交代で休憩を入れています。既に拠点作りに半年を要していますが、マリエ―ル様はここからが正念場だと仰ってます。」
宰相らしき人は何点か問うと
「必要なら国軍を動かしても良いが、邪魔だろう。何か必要な物があれば申すが良い。」
と言う。
「されば、攻城戦となれば大量の火薬が必要です。おそらく半年後、火薬を提供願います。」
「あい判った。」
流通班は拠点に戻った。
王城への報告の折、半年後の火薬の提供を頼んだ。