3 ドエールの街へ行く
ドエールは被災地ではないが、窮状は理解出来る。領主や関係者と話し合い、協力関係を築いていく。
3 ドエールの街へ行く
朝食後、集合地点に転移すると、既に全員集合していた。ここからはフライだ。かなり上空を飛び続ける事5時間。休憩ポイントに着いた。宰相役のニコライが話し掛ける。
「マリエール様、もう一息です。私とマリエール様はドエールの領主に会います。他の仲間は拠点作りに入ります。マリエール様は国王の書状お忘れ無く。」
領主に会えば、ドエールの街に泊まる事になる。魔王城に近いドエールは今どんな状況だろう。被害が大きく無ければいいが。活気のある街ではないだろうか。
「ニコライ、もしドエールの街で惨状を見たら、魔王の所へ突撃をし掛けるかも知れないよ。」
幾らドエールが魔王の城に近いとはいえ、壁を越えて魔獣が入り込む事は無いだろう。しかし、街外で被害にあった人は見かけるかも知れない。其れを見て冷静でいられる自信は無い。単独で魔王に勝てる自信は無い。仲間達と協力しても勝てないだろう。だからこその作戦だ。冷静に考えればこれ以上の策は無い。でも惨状を見てしまったらどう思うだろう。
しはらく休憩して、再びフライで拠点迄来て、現場責任者に指示を与えニコライとドエールに向けてフライした。門番達が立っていた。街に入ると活気は無いものの被災地と言う感じではない。寂れた街だ。攻め込まれたわけでは無い。
早々領主館迄来た。門番に書類を見せ、来意を告げた。早急領主の部屋に通された。30代の恰幅の良い男性だった。早急来意を告げた。
「魔導伯の次女マリエールです。王命により魔王討伐を行います。まずこの街と魔王城の中間に拠点を置き魔獣討伐をしながら拠点を拡大しながら魔王城を攻めます。数百人の仲間がいます。1年から2年かけての討伐になる筈です。討伐した魔獣はここで買い取って貰う予定ですし流通もここで行います。いろいろお世話になると思います。宜しくお願い致します。」
領主は喜んだ。
「100年の彼岸がやっと叶うか。勇者や聖女と違う形の討伐だね。魔導伯の次女ということは魔導師だね。期待しているよ。協力させて貰うよ。」
マリエールはドエールの状況を尋ねた。
「食料が厳しい。肉は冒険者ギルドで賄えるが、農業が広い場所が取れず厳しい。」
拠点で農業を始めれば売れるらしい。
その日は領主の館に泊まり領主やドエールの人々といろいろ話が出来た。魔獣は魔王城に近づくほど強くなり、魔人に率いられた魔獣が厄介らしい。軍事行動や連携を取るらしい。冒険者ギルドや商業者ギルドで討伐した魔獣の買取や流通の話も出来た。ドエールはあまり人的被害は出てないが耕作地が減り、魔獣が凶暴化して冒険
者が活動が鈍くなり食料が足りない事、流通が困難な事で経済活動が困難な事が上げられた。マリエールは討伐が目的なので冒険者ギルドに魔獣を買取して貰う事、拠点で農産物を生産するので供給出来る事、仲間の全員がアイテムボックス、フライ、転移の持ち主で強力な攻撃、防御魔法の持ち主なので、流通の役に立てる筈と応えた。
お互いに隔日の訪問を約束して、マリエールは拠点に戻った。拠点が出来ていた。300m四方の四角の拠点だ。魔王討伐の始まりだ。
魔王討伐の拠点が出来た。ここからが討伐の始まりだ。