2 国王に謁見
国王に謁見だ。必殺の討伐方法を示し国王の信頼を勝ち得る事が肝心だ。
2 国王に謁見
予想通り、国王に謁見するための使者が来た。3日後の午後一番に謁見だ。既に謁見用のドレスは準備してある。謁見後直ちに出発出来ように仲間達に伝えてある。
現国王は名君の誉れが高い。奢ったり無茶を言うタイプではないらしい。臣下の声に耳を傾け、判断が出来るらしい。ただ魔王討伐の命令は現国王にとっても初めてでマリエールの魔力量が桁外れで討伐命令を出すべしとの声は高いがどうやってという具体策は無い様だ。マリエールは聖女と認定されたわけではない。魔力量の高い魔導師だ。勇者と共に行動する理由が無い。国王としてはその高い魔力で魔王を葬ってくれればいいだけだ。やっと来たチャンスだ。やりやすい方法でやってくれればいい。
国王の目の前に現れたのは愛くるしい少女だ。14歳と聞くが、小柄で女性らしさを感じさせない子供だ。高レベルの魔力が成長を阻害しているのだろうか。あるいは個人差か。
「お召しにより参上しました魔導伯次女マリエールでございます。使者の方には魔王討伐の件でお召しと聞きましたがそのような大役務まるのか判りかねますが自分なりのプランも立てました。お許し願えるなら私のプランでお役に立てるなら光栄です。」
ほう方策があるのか。
「どのような方策か聞かせて欲しい。」
前置きも無くいきなり本題に入った。貴族の流儀には反するが子供故か魔導伯家ならではか。
「お聞き下さい。ドエールの街と魔王城の中間に拠点を置きます。そして魔王城側に拠点を広げます。山地が続きますが土魔法で均して行きます。開発と事業、産業、流通、冒険者活動していきます。初期投資として幾らか補助をお願い致します。数百人の冒険者を雇います。魔王城周辺の魔獣を狩り尽くせば魔王討伐の道筋が見えます。転移の魔法が使えますのでドエール、王都との往復は可能です。この活動には税金の免除をお願い致します。私の計画では2年以内の討伐が可能な筈です。」
マリエールは流暢に語った。マリエールの話では国からはお金だけで良いようだ。2年かかると言うのが少し引っかかるが拠点を広げると言う発想は面白い。他に対策も無いのでし任せればいいのだろう。
「判った。君に任せよう。初期費用については宰相と打ち合わせてくれ。討伐達成してくれた望みは叶えよう。」
その後も応答を続けたがマリエールの考えが腑に落ちる事はなかった。ただの遠征ではない事は判った。こんな面倒な事が必要なのかと思ったがそうは言わなかった。
謁見は終わった。宰相からまとまったお金が貰えたので仲間に分けて準備をしてもらい。明日の出発に備えた。両親と姉には王命により魔王討伐に向かう事を伝えた。
必要品の買い出しだ。毛布や服など必要な物を備えてアイテムボックスにしまえば準備完了だ。家族と共に夕食を取り、明日からの準備をして、入浴済ませ、仲間達と連絡を取った。
翌日朝食を取り、いよいよ出発だ。
国王との謁見を終えいよいよ拠点作りだ。本格的な魔王討伐の始まりだ。