1 称号を得る
マリエールは魔導伯の次女だが魔力は多くない。魔力枯渇して目が覚めら膨大な魔力を得た。
1 称号を得る
気が付けばマリエールは床に臥せていた。ああ、私は称号を得る途中なのだ。どうしても取らなくてはならない称号を取るため魔力を枯渇させて倒れたのだ。魔力枯渇は致死に至る行為だ。四人兄弟の末子だが同じ称号を目指し称号を得たのは長女だけだ。一生で一度の機会。魔導伯の子供にとっては是が非でも取らなくてはならない称号だ。
立ち上がり時計を見ると、終了迄後四時間ある。身を清め、食事を取ると魔力が漲るのを感じる。荷物をまとめ、退出の準備をすると、扉の開閉口に魔法を放った。
「ウィンドウ カッター」
扉の外でかんぬきの落ちる音がした。
後は事前に指示されたように事務所に行き、達成を告げた。対応した司祭が課題達成を確認して、魔力の確認のために水晶玉の所に案内する。司祭は驚愕の表情をするが些細は伝えられなかった。司祭は一緒に魔導伯の所まで向かうと伝えられて、暫く待たされた。司祭に呼ばれ馬車に乗り込んだ。
魔導伯家に着くと父母姉が待っていた。司祭は丁寧な挨拶をし父は司祭とマリエールに着席するように勧めた。2人は着席して司祭は話出した。まず書類の説明だ。
「こちらが魔導師Aの証明書、こちらはカード、こちらが鑑識鑑定書です。」
マリエールの魔力量は10万を超えている。魔導師Aの称号は200で得られる。超エリートの魔導師でも1000を超えるのは稀な事だ。10万と言う数値は人間ではありえない。それに6大魔法はもちろん、個別、固有魔法への特性が得られている。司祭は話出した。
「私自身、この様な鑑定結果は見た事もありません。過去の聖女ならあったのかも知れません。私はこの結果を国や教会本部に通知しなければなりません。国から魔王討伐の指示があるかも知れせん。覚悟と準備、プランを立てておく必要があるでしょう。家族との思い出も必要でしょう。魔導伯様にとってはめでたい事でしょう。ご活躍をお祈りします。」
少しやり取りはあったが、程なく司祭は帰って行った。父はマリエールを訓練場へ連れて行った。マリエールは程々の魔力で放ったが壊れた目標が多く直すのが手間だった。アイテムボックスやフライ、転移の確認も行った。アイテムボックスの容量は確認出来なかったが、フライの性能や転移が行った事がある所なら行ける事が判った。父と冒険者ギルドに行ったり、魔獣討伐をしながら肩慣らしをした。昼間は殆ど父と一緒なので、自由に行動出来るのは夜だ。マリエールには何百人かの仲間がいる。いずれも戦闘能力や魔法、各種の専門能力を持った者達だ。夜は彼らと作戦会議を行う時間だ。彼らはいずれも冒険者として働き、一定の評価を得ている。実力に問題ない。彼らとの話でドエールに拠点を作り、そこで事業、産業、流通、ギルド活動を行い、出来るだけ魔王城の近くに拠点を置き仕留める作戦だ。何しろ100年前に出現し、何度討伐しても失敗が続く相手だ。中途半端な攻撃では成功しないだろう。確実に成功する方法を取りたい。
司祭の説明もあり、国王より魔王討伐の命令が下る事が予想された。準備とプラン作成が忙しい。