1章 ---3(探偵の推理)
自称探偵である村井月子が
その推理力を 試すときが来た。
中川春が 無くして見つからないという
筆記用具を 探そうと思って 中川春に
村井月子が言った。
とりあえず 村井月子が中川春に いくつか
質問を することから 始めることになった。
「まずは 筆記用具と言っても いちように
大なり小なりの 規模があるけど
中川さん 筆記用具だけど まさか
シャーペンの芯 1本とかでは さすがに
ないでしょ」
そう 村井月子が質問を 始めた。
「先輩 村井先輩 さすがにシャーペンの芯
1本で ここまで困ったりしません。
無くして見あたらないのは 赤い筆入れと
その中に入っている 筆記用具の
ことですから よろしくお願いします」
と 中川春が 答えた。
「なるほど 筆入れ 赤い筆入れねぇ~。
そうなのね。
ウ~ン 赤い以外で ほかには
特徴とかは無いのかしら?
赤いだけのヒントでは さすがにパッとは
探せないわ」
そう 中川春に 村井月子は注文を
付けて言った。
中川春は ちょっと考えて どう説明したら
わかってくれるか 思い悩んでしまった。
思い悩んだが そうウ~ンって感じで
中川春は こう言った。
「その赤い筆入れは どこの文房具屋にも
売っていそうな ごく普通の
筆入れなんです。
あえて言うならば ウ~ン
横に チャックで開閉するタイプなんです。
そんな感じの 筆入れなんです」
村井月子は その筆入れのことは
これ以上のことは くわしく聞いても
仕方ないと思い 次の質問をした。
「じゃあ 質問を変えるわね。
その赤い筆入れは どこまで持っていた
記憶があるの?
最後は この北高校の校内というのは
なんとなく推理 出来るけど それからよ。
この北高校の どこの辺まで
持ってた記憶が あるのかしら」
中川春は そう質問されて
ウ~ンって感じで また答え出した。
「確かに 家を出るときは その赤い筆入れを
カバンに入れて 登校しました。
そして 校門で1回 カバンを
見たときは あったんです。
でも そのあとの記憶が あいまいで
昼前に再び見たときは
もう 無くなっていたんです」
村井月子は なるほど~っと 言った切り
少しの間 黙ってしまった。
そして 少しの沈黙のあと 村井月子は
こう言った。
「真相は 目の前にひらめくものよ」
と。