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2 神達との対面






「私は〝神〟ですわ」






そう名乗る胡散臭い人物がいきなり現れた。




「ふふっ。皆さん、あまりの私の美しさに言葉も出ないようですわね、まぁ、何せ私は天界でも3本の指に入るほどの美貌をもっていますもの〜。本来であれば私が直々に会ってあげるだなんて、宝くじに当たるような確率ですのよ〜」




と、何やら語り始めた〝自称、神〟

そして、




「何が3本の指だ。良くて両手両足の指を足した数くらいだろうが」




そう聞こえたかと思うと今度は色黒のイケオジが現れた。その人も何故か宙に浮いていた。




「ちょっ!あなた、失礼ではなくて!?その辺の女神達よりも私の方がイケてますわよ!?」



「お前はそういうところが残念なんだよ。周りで何て呼ばれてるのか知ってるか?〝残念女神〟だとよ」


「だ、誰がそんな事をっ!」




何やら言い争っているようだ。

というか、この人たちは一体…。




「ふふっ。〝残念女神〟が何やら喚いておる」




またそんな声が聞こえてきたら、今度はツインテールの幼女が現れた。




「おお、やっと来たか。こいつがよ、わーわーうるせぇのよ。何とかしてくれ」


「〝残念女神〟は言動だけじゃなく、頭まで〝残念〟だったとわのぉー。嘆かわしや」


「何ですってーー!!」




また何か増えた。

〝残念女神〟と呼ばれている自己評価の異様に高い女性、〝残念女神〟と呼ばれている事を暴露した色黒のイケオジ、そしてその〝残念女神〟を更に煽るツインテール幼女。

3人は当の私たちの存在を気にもとめず、言い争いを続けた。




それからどれくらいの時間が経ったか分からないが、小一時間はそんな応酬の繰り返しだった。

そしてようやく落ち着いたのか、イケオジがこちらを向き、話しかけてきた。



「あぁ、悪かったな。放置しちまった、許してくれ」



「あの、ここは夢の中なのでしょうか?私達は死んだはずでは?」



一葉(かずは)がそう切り出した。



「そうじゃよ、お主らは現世で死に、そしてその魂はわしらに呼ばれたのじゃ。ここはお主らがいた世界とは違う次元の異なりにある場所、〝天界〟じゃ。」




「「「天界?」」」




いきなり天界と呼ばれてもイマイチぴーんと来ないが、私達が死んだという事は間違いないようだった。



「ふふん、そう、貴女たちは死んじゃたんだけど、あまりにも死に方が不憫だと思って私達3人の力を使って地球から魂を呼んだわ。貴女たちには天界の意向で他の世界に〝転生〟してもらうことに決まったのよ。そんで、久々の再会を楽しんでもらおうと思って空気を読んであげてたんだけど〜」



「お前、一葉(かずは)と言ったか?お前は俺らが〝スキル〟や〝加護〟を与えちまう前に自分でスキルを習得しちまったらしいんだわ」



それは先ほどの強い光の現象の事らしい。



「あ、あの先ほどからすごく聞き慣れないワードが…その、〝スキル〟や〝加護〟とは?」



「あぁ、説明すっ飛ばしちまったな。俺らはこの〝天界〟っつう場所に住む〝神〟だ。〝天界〟はお前の世界でいうところの天国?死後の世界?みたいなもんだ。〝スキル〟っていうのは転生してもらう世界で生きていくのに必要な力の事だ。例えばお前がさっき使ったような力の事だな。」



「そうよ〜。貴女はさっき心身共に回復する〝癒やし〟のスキルと、物体を正常な状態に戻す〝巻き戻し〟のスキルを使ったのよ。貴女の強い想いが、スキル発生のトリガーになったみたいね。通常の人は成人すると教会から1つだけスキルがランダムで貰えるんだけど、まぁ、稀に複数発生する場合もあるわね。」



「そして教会で更に稀の、神達の〝お気に入り〟に与えられるのが〝加護〟の事じゃよ。わしらはお前たちにそれを授けにきた、というわけじゃのぉ。という事でわしらはお前たちに勝手に〝加護〟を授けるぞい」



と次々と爆弾発言を繰り出す〝神〟ら



「僕らに〝加護〟って、それは一体どんな?」



三葉(みつは)がたまらず聞いた。



「まぁ、簡単に説明すっと、俺がお前に与えた加護は〝恵みの大地〟っつう加護だよ。お前、自然災害で死んじまっただろ?次の人生ではそんな事が無いように大地に関わるスキルは大抵使えるようにしといたぜ、ついでにランダムで〝スキル〟も引いておいたぞ。え〜っと…?〝創造〟っていうスキルが当たったようだ。大事に使えよ」



「ついでじゃから、わしからも説明しておくぞい。ニ葉(つぐは)とやら。お前さんに与えたわしの加護は〝絶対防御〟じゃ。防御系のスキルは大抵使えるぞ?何者もお前の前では無力じゃ。自分自身と大事な家族を守るために使っておくれ。わしもついでに〝スキル〟を引いておいたぞ。〝血気〟というスキルじゃのう。よう聞かぬスキルじゃが、何かと役に立つじゃろうて」



「じゃぁ、最後は私からね。私が貴女… 一葉(かずは)に与える加護は〝良縁〟という加護よ。生きていた頃のように、貴女と貴女に関わる人々が良い縁で繋がれるように願いを込めてあげたわ。この加護は種族、性別を問わずに発現するわよ?そのために必要なスキルは勝手にその都度現れるわ。例えば〝言語理解〟は常時発動するみたいね。もちろん、貴女の妹達にもね。人と人とのコミュニケーションは言語があってこそだもの。我ながら良い加護を与えたわねぇ〜。あと〝スキル〟だけど、自分で習得しちゃったから言うまでもないわね〝癒やし〟と〝巻き戻し〟よ。貴女の願いから生まれたスキルなんだろうから、うまく使いこなしなさいな?」






「それじゃ、そろそろ時間のようじゃのぉ。良い人生を!またいつか会えるじゃろう!」






そう一方的に告げられると、辺りは一面に闇に呑まれた。

神達も姿を消し、







そして、〝落下〟







「「「ぎゃぁぁぁぁーーーーーーー」」」






三姉妹の声は、暗闇へと消えていった。








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