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サクラ三姉妹の楽しい学校  作者: 千間 美胤
出会いと旅立ち編
23/64

20 暁月村へ向かって


〝マジックバック〟に売り物を詰めまくり、準備を整えてから軽くお昼を食べた。片付けをし、再度戸締まりを確認したのちに峡谷を出発した。


荷物は全部でそれぞれ1つずつ。

売り物が入ったマジックバックと、服や着替えが入ったリュック、飲み水やその他軽い雑貨が入ったバックの3つである。



「それじゃ、向かいますか」


「「「うん」」」



4人は森を歩き始める。



すると途中で偶然フレイとフレイママに会い、しばらく留守にするかもしれない旨を伝えた。いってらっしゃ〜いと見送られ、手を振った。


ネイサンはまた驚いて固まっていたけれど、私たちの後ろに隠れて様子をうかがっていた。




私たちは歩きながら、ネイサンに暁月村について色々聞いた。


話をまとめると人口はそんなに多くなく、村人だけで300人足らず。出稼ぎに出ている人もいるので実際はもっと少ないという。過疎地域ってことかな?


しかし村にいるのは村人だけだはなく、村人以外の人も滞在しているという。

それが冒険者ギルドに所属する人たちらしい。冒険者ギルドはS、A、B、C、D、Eランクまであるという。

村にもAランクの冒険者が1人いるらしい。滅多に会えないけど、ギルド長が元Aランクなのだと聞いた。村で迷子になった時に本人から教えてもらったとかなんとか?


あと商業ギルドというものもあるらしいが、冒険者ギルドよりも更にすっっっっごく少ない人数で運営してるという。


………………2人って、何かの冗談だよね?



他にも村には飲食店などもあるが、宿や服屋、雑貨屋なんかもあると聞いた。







しばらく歩き、息も上がり始めた頃。


ちょうど1時間半歩いたところで、一旦休憩を取ることになった。


その場所は小さな小川が流れている岩石地帯であった。ちょうど日陰になる場所が多くて涼しい風が入って来る。

ネイサンは靴を脱いで小川でバシャバシャと涼んでいる。



「ふぅ……みんな、水分も補給しようね〜」


「はい、水」



紙コップに水を入れて一人ひとりに配る。



「ありがとう」



ずっと歩きっぱなしだったから、みんなだいぶ疲れている。

こんなに長い距離歩いたの、転生してから初めてじゃない?体力が……心許ない。



「ここからもう半分ってところかぁ〜…地図を見る限り、山をもう1つ越えなきゃいけないみたいよね…」



そうなのだ。最後の難関がこの山。



「そんなに傾斜は無さそうだけどね。方角は合ってる?」


「多分。今来たのがこのルートだから、このままあの山を越えれば暁月村だと思う」



指を指すが、見ただけで気が重たくなり、ため息をつきたくなった。

山登りって………車が欲しい………



「ネイサンは平気?だいぶノンストップで歩いたし」


「うん、何とか……」



と去勢を張っているが、



「って足がガタガタじゃん。辛いなら交代で背負って行こうか?」


「えっ、悪いよ。それに重いし……」


「ん〜〜。人1人担いで山登りは無謀じゃない?ひとまず休んで、ペース落としながら歩くしかないんじゃないかな?」






そんな会話をして休んでいると、小川の下流の方から人の話し声が聞こえてきた。







「だから言ったじゃな〜い。正規ルートで行きましょうって」



「いやいや、こっちのルートだったから早く来れたんじゃろ?わしのお陰じゃろぃ!」



「……………だからって、崖道を通るなんて聞いてない」



「そうよ!何でわざわざ崖の縁を!アタシはもうごめんよ!!」



「……………俺も遠慮する。こんな事が続くようなら、パーティー解散する」



「ちょっっっ!?待て、お主ら。冷静になってよく考えてるのじゃ!!いっときの感情に振り回されてはいかんぞ!!」



「……………俺らは無茶をしようとするローを止める側。冷静じゃないのは、どっち?」




「ぬぅぅぅぅ………」




何だか、聞こえて来るのはどう言って良いのかわからない内容。まず、ここまで接近してしまったら、逃げるに逃げきれない。悪い人たちだったら、どうする?




そして、いよいよ目が合った。




「ぬ?お主ら、旅人か商人かぇ?」



最初に話しかけてきたのはおじいちゃん口調で話す長身の男性。腰に剣を2本差している。剣士だろうか?

髪は銀髪で肩くらいまである。目はちょっと吊り目だ。

長い黒のコートで、こんなに暑いのにフードまでかぶっている。



するともう1人もこちらに気がつく。



「あら、こんなところで人と会うなんてねぇ〜珍しいこともあるものねぇ」



おねぇ口調で話しているのは女性ではなく男性。手ぶらで武器を持っているようには見えない。

髪は金髪で腰まである髪を、キレイに後ろで結っている。

格好としては神職に就いているような人のようにも思えるし……というか完全に神官的な人では!?



「……………何で君ら初対面の人間に、フレンドリーに話しかけられるのさ。……………コミュ力お化けめ」



一見おとなしそうでメガネをかけた高校生くらいの男の子は、腰に短剣を2本差している。

帽子をかぶり、髪は黒髪で、目元が前髪で隠れていて表情が読みにくい。あと、話のテンポがちょっと遅い印象だ。

学ランのような黒い服に、灰色の短いコートを羽織っていた。





この人たちは……一体……







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