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サクラ三姉妹の楽しい学校  作者: 千間 美胤
出会いと旅立ち編
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11 本日の成果とこれからの生活




夕飯を食べ終わったあと、私たちは各々の成果を報告し合った。




「じゃあ、最初は僕から報告するよ。……って言っても姉ちゃんたちが見たまんまだけどね。今日は初日だし、まず思いつく物をひたすら作ってみたよ。結構夢中で作ったから、変なものもその辺に転がってて申し訳ない。……それで姉ちゃんたちから見て、今後必要そうな物があればこのノートに書いててほしいんだ。もし構造が複雑そうなものなら、絵があるとイメージしやすいかも?」


「このノートとペンも三葉(みつは)が作ったのよね。やっぱり書くものは必要よね〜」


やっぱり学校で先生をしていた一葉(かずは)にとっても、紙とペンというものは馴染みの深いものだった。コレがあると安心する!っていうものの1つだ。


「ねぇねぇ、ちょっと話がそれちゃうんだけどさ、これからの生活をノートに記録しておくってのはどう?日記?みたいな?後から振り返れるように。どうかな?」


「僕は良いと思うよ。曜日感覚も分かるだろうし、後々役にたつかもしれないしね」


「私も賛成よ。クラスでいうところの〝日誌〟みたいに書いていいんでしょ?どうせなら、そのうち家事の当番表でも作る?」


「そうだね。当番表作るなら、ホワイトボードでも作ってみる?作れる気がするんだよね〜」


「それいいねぇ!それぞれの今日の予定とか把握できると生活しやすいかも〜。〝ニ葉(つぐは)、今日は川で修行がてら魚釣り〟みたいな?」


ニ葉(つぐは)の場合、釣りというより、網を使うひき網漁って方が合ってるんじゃない?」


「確かに。釣り道具も作ろうとしてたけど、それはいらなさそうだね」





なんて話してるうちにだいぶ時間が経った。





「えっと、それじゃあ次は私ね。私は〝結界〟の強度とか、色々実験してたわ。その副産物で魚も捕まえたんだけどね。まず、〝結界〟の強度だけど、込める魔力?の量で変わるみたい。薄く伸ばして広げれば反発性が生まれてトランポリンみたいになったわ。〝結界〟は〝固定型〟と〝移動型〟の2種類で、使い方によってはもっと応用が効くかも?〝認識阻害〟も物体を全く見えなくしたり、半透明にしたり調整が可能ね」


「手数かかっちゃうけど、〝結界〟の張り直しは定期的にお願いするわ」


「OK〜そこは任せておいて〜」


〝結界〟があるからこそ、ここでの生活もそんなに不安なく過ごせるだろうと思う。

周りから見えなければひっそりと暮らせるし、変な人が来ても中にいれば安全だもの。


ニ葉(つぐは)姉ちゃんの〝結界〟ってほんと便利だよなぁ。制限あるけど〝瞬間移動〟も出来ちゃうし。自宅のセキュリティっていうかさ、SECAMみたいな?」


「確かに確かに〜!ニ葉(つぐは)は私らの最終防衛ラインよね」


そう言うとニ葉(つぐは)は顔を真っ赤にした。あっ、可愛い…


「ちょ、恥ずかしいんだけど…それを言うなら一葉(かずは)ちゃんの方が重要じゃない?だって〝癒やし〟と〝巻き戻し〟でしょ?治療系の力は何かあった時安心するなぁ〜」


私に無理矢理話をパスしてきた。そんなに恥ずかしがることないのに。かっこいいのに、SECAM。


「使う事がなければ一番いい事なんだけどね。〝巻き戻し〟の方は色々試してみないと分からないことだらけかな。〝巻き戻し〟の対象の制限はあるのかとか、どれくらいの時間まで遡れるのかとかね。まぁ、こっちは追々かな」


まだ全然試せていないので、早いうちに実験してみたい。





「じゃあ、話が振られたついでに次は私の番ね。私は森の中を探索してきたわ。あ、ついでだからちょっとこの紙とペン借りるわね。え〜〜っと………」


そう言ってスラスラと描き始める。この周辺の地図だ。


一葉(かずは)ちゃん、すごい。こんなに詳細に……よく覚えてられるわね。さすが先生」


「あ〜こんな事なら先に紙とペン作って渡せばよかったね。失敗。次からは持って行って。どんどん作るからさ」


「ん、そうさせてもらうわね。えーっと、こんな感じだったわ!みてみて?」


地図を2人の方に向ける。


「今私たちがいるのはココ、峡谷ね。で、ここが滝で滝壺。この滝壺の裏から、秘密の階段があるわ。まず私は階段から出て、しばらく崖沿いに真っ直ぐ進んでみたのよ。そうしたらその先には綺麗な野原があったわ!お花がいっぱいで、小さな池もあったわ。今度一緒に行ってみましょう。

野原を過ぎてまた少し行くと大きな川があって、大きな橋がかかっていたわ。吊り橋だったけどね。つまり、橋があるって事はそれを使う人が存在するってことだから、ココはそんなに人里と離れていないのかもしれないわ。今日はここまでで、後日峡谷から川を下った反対側も見てくるわね」


「へぇ、吊り橋ねぇ。高さはそんなになかった?」


「ええ、せいぜい水面から2〜3メートルって所かしら」


「私は人里が近いかもって聞いて安心したのと同時に、怖くなったわ。この世界の人たちにまだ会ったことがないっていうのもあるけど……どこの世界にも悪い人はいるだろうしさ」


「うん……否定はできないよね。でも、出会う人たちが皆んな悪い人たちってワケでもないでしょ?話し合えば分かり合えるかもしれないし……見た目は怖そうでも、優しい先生だっていたしね?」


「……それはそうだけど僕はきっと、姉ちゃんたちを傷付けるような奴がいたら容赦なく相手を倒すよ?その力だって……今はあるんだから」


「私だってそうよ。家族を傷付けられて黙っている家族なんていないわ。いざとなったら、再起不能になるまで叩き潰すわ」


「……2人とも過激ね。まぁ、私もそんなことになったら、きつ〜い教育的指導をお見舞いするかもね」





夜も更け、今日はひとまずもう休む事にした。

パジャマに着替えて、ベットに横になった。


「あぁ、、寝る前にアレなんだけどさ、お風呂とかシャワーが欲しいかも」


「……賛成。明日試作してみるよ」


「更に、シャンプーと、リンスがあれば最高です」


「作れるかなぁ……やってみるわ」


そんな会話をして、3人は眠りについた。まだまだ分からないことだらけで不安なこともたくさんあるけど、協力し合ってコレからも生きていこうと思います。





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