10 峡谷での生活と1日目
はじめまして、Miaです。
3姉妹が転生した先で奮闘し、楽しい第二の人生を送っている話を書きたいなと思って突然書き始めた作品です。
なかなかタイトル回収できないでいますが、気長に付き合っていただけたら幸いです。
拠点を作った私たちは、各々ができる事を考えた。
まず、
一葉は峡谷付近を探索してみることにした。
地図を描いたりするのは得意だし、ログハウスを移動させながら森の中を歩いた時に地球で見た植物と似たものを見つけた。これから暮らしていく上でそれらの研究は必須だろう。こういう分野は研究者体質の一葉が適任だ。
しかし、1人では危ないからと妹たちに止められた。妥協案でニ葉に〝結界〟を周囲に張ってもらって納得してもらった。ニ葉の〝結界〟は座標を指定する〝固定型〟と指定しない〝移動型〟があるようで、〝移動型〟の方を直接一葉にかけた。
ニ葉は〝結界〟の強度や範囲、応用して使う方法を考える事にした。
何かあったら身を守れる〝結界〟は重要だ。まだどんな生物がいるのかも分からないし、敵意のある人物に攻撃された時〝万が一〟があってはならない。
取り得る最善の手を打つために、まずは自分の能力の最大値を測る。
三葉は生活拠点を快適なものにするために、色々と〝創造〟してみることにした。
ログハウスは一応出来たが、生活に必要な家具や道具などはまだ揃っていない。いずれ必要になりそうな物をピックアップし、片っ端から作る事にした。
姉ちゃんたちには不便なく生活してほしい。そう心から願う末っ子であった。
「それじゃ、各自決して無理はしないこと!では解散!」
日も暮れ始める頃、一葉は家に戻ってきた。
するとさっそく家の周りには色んな物が出来ていた。
木の幹と幹の間にロープを張った洗濯物干しスペース、川から水路を繋げた先にあったのは水車と水車小屋だ。
特に驚いたのは水車だ。
流れる水を動力源として、その力で水を自動的にくみ上げるタイプの水車がある。
用水の流れに通常の流れより大きな落差を生じさせるため水車の手前には、堰が設けられていた。
木の丸太を上手く使ってせき止められた水の一部が水車の下の部分に流れ込む。
一度堰でせき止められる水の勢い(流れ)は水車の下部では早くなっていて、勢いよく水車の羽根板に当たる。
羽根板は水の流れに押されて下流側に回り、水車の両サイドに取り付けられている木製のバケツで同時に水を汲み上げている。
汲み上げられた水は水車の回転により上に持ち上げられ、通路を通って畑(制作予定エリア)の真横を通り大きなプール(生簀)の方に流れている。
余分な水は配管を通り、川へと戻すように設計されている。配管が詰まらないようにフィルターもつけたようだ。それは現代の日本の道路によくある排水溝の蓋のようなで、網目状に出来ていた。
三葉ったら、どこで水車の構造を勉強していたのかしら?構造を知らないと作れないはずだから、知識があったって事よね?
後から知ったが三葉は漫画やライトノベルものをよく読んでいて、その知識を思い出して見よう見まねで作ったそうだ。恐るべし現代知識。
「あ、一葉ちゃんお帰り〜」
ニ葉が家から出てきて出迎えてくれる。
「ただいま〜。三葉は?」
「中で色々作ってるよ。私も自分の方が落ち着いて、様子を見に来てみたら家の中まで凄いことになっててびっくりしたわ。ほら」
手招きされて中を覗くと、確かによく1日でこれだけ作ったなと言いたくなる量の物が床に散らばっていた。
服やタオルなどの衣類や毛布、明かりを灯すロウソクにランタンにマッチ、包丁や鎌にハサミといった刃物類、様々な種類の食器、鍋やフライパンにまな板、リュックや手提げバック、紙に鉛筆まで散乱していた。
大きい物だとベッド、机に椅子、棚があった。
「ん〜あとは…。あ、お帰り、一葉姉ちゃん」
「ただいま。ところでこの部屋は一体…」
「あ〜、結構散らかっちゃったな。足の踏み場作るね」
「これ、端っこに寄せていい?」
「うん、ごめんね、手伝ってもらっちゃって」
「別に?3人で片付けた方が、早いじゃない」
小さい頃、遊んだあと部屋を片付けていたあの頃のように、3人で家の中を片付けた。
本当にまた一緒に生活できるなんて信じられない。
そこは、いきなり天界から落とされた事は抜きにして、神さま達に感謝したいと、そう思った。
「…で、夕飯どうしよっか。何も考えてなかったね」
解散後、森の中を探索していた一葉だったが、その後目ぼしい食材は一切見つけられなかった。
「あ、それならここに〜」
ニ葉は家の裏手に行くと、バケツを3つ運んできた。そこにはバケツいっぱいに魚が入っているではないか。
「えっ、凄い!?コレはアユに、こっちはイワナ?」
「こっちはサケか?」
一体どうやって捕まえたのだろう。どうやってこんなにたくさんの魚を?
「動く生き物を相手に〝結界〟で捕まえる練習をしてたの。意外とすばしっこくて最初は苦戦したんだけど、今ではこの通りよ」
へへんとドヤ顔をするニ葉。
「ニ葉凄いっ!!」
「ほんとだよ!今日は食事抜きかと思った〜〜」
ニ葉が調達してきたアユを塩焼きにして、今日の夕飯にした。
身はしっかりとしていて臭みもなく、美味しく頂きました。
イワナとサケはさっそく生簀を使い、そこに入れておくことにした。




