お題『童話』
『シンデレラの姉』
気付くと私は、シンデレラの姉になっていた。長女のほうだ。めっちゃかわいいな、シンデレラ。
次女と母親のいじめを止め、甘やかした。
舞踏会で見初められた私は王子様と結婚式を挙げた。
シンデレラはいない。
結婚式の途中、「お姉様は私の物」と馬車に乗ったシンデレラが入り口の扉を突き破ってきた。
『恋をして、美しく』
お妃様は毎晩、魔法の鏡に、「鏡よ、鏡。この世で一番美しいのは」と聞いていました。
いつもお妃様の名を挙げる鏡ですが、この日、鏡は、「白雪姫です」と告げました。
由々しき事態だ、と思ったお妃様は白雪姫を呼びつけました。
「誰を好きになったの。変なひとだったら、お母さん、許しませんからね」
『雪女に恋をして』
吹雪で死に掛けた青年の命を救ってくれたのは、雪女だった。
「も、もし私のことしゃべったら。こ、殺してやるからな」と頬を赤く染めて、消えてしまった。
村へ帰った青年は、村の全員に雪女の話をした。
すると、「なんで言うんだ!」と青年を殺しにきた。
「殺されてもいいから、もう一度、会いたくて」
『レンガを持ったブタ』
気が付くと、私はブタになっていた。
二匹の兄がいて、三匹それぞれ家を建てることになった。
直感的に私はレンガだ、と思った。兄たちが完成するのを尻目にレンガを運んでいると、オオカミが襲ってきた。
建てる前は卑怯だ。
私はレンガで、オオカミの頭を撲った。兄たちもレンガを持って加勢してくれた。