表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/19

お題『初恋』

『初恋』


 初恋は叶わないらしい、と友達から聞いた日、ぼくは初めての恋をした。

 転校生の女の子に一目惚れしたのだ。そして振られてしまうと、その話を教えてくれた友達が、「仕方ないよ。初恋だから」と言った。

 ぼくが二番目に恋をしたのはその友達だった。彼女は頷き、そして言った。

「叶うこともあるんだね」



『叶わなかった初恋』


 幼馴染の男子から告白された。

 いきなり呼び出され、「好きだ」と言われた。彼は私の初恋だ。

 嬉しい。

「私も好き」と返事すると、彼が「えっ」と困った顔をした。

「なんで振ってくれないんだよ」

「うん?」

「初恋は叶わない、って聞いたから、転校生に告白する前に、一回振られておこう、と思ったのに」



『初恋と歌声』


「昔の同級生に、歌手になった子がいるんだ。すぐ辞めてしまったけど」

 娘にその話をすると、「どんなひと」と聞かれた。

「パパの初恋だよ」と伝える。

「そっか。失恋しちゃったんだ」

「あぁ、いや」

「私も聴いてみたかったな。パパの初恋のひとの歌声」

 いまそこで口ずさんでいるよ、とは言わなかった。



『最初の恋≠最後の恋』


 祖父が最後の恋をした。

 相手は介護士さんで、死んだ祖母の面影があったらしい。祖父が逝ったあと、僕は介護士さんに聞く。

「言わなくて、良かったの」

「新しい恋もしてみたいでしょ。お互いに」

 お互いに最初の恋のまま成就した、と聞いている。

 転生して新たな人生を歩む、かつて祖母だった女性が笑う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ