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何でも屋5  作者: 風雷
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何でも屋5 第2話 妹

 マリアとルネリッサの銃撃戦は、実力が拮抗しているのか平行線を辿っていた。

 (スナイパーみたいだったから、接近戦が出来れば勝機があると思ったけど、やっぱりそう上手くはいかないかな)

 マリアはそんな事を思いながら次の行動をどうするかを考えている。

 ルネリッサも拳銃の弾倉を変えながら考え事を巡らせていた。

 (あの時、実力を出していなかったのは向こうも同じか。けど、覇気は感じられない。そんなんじゃ私には勝てないよ)

 リロードを終え相手の射撃の切れ目を見計らい、隠れていた場所から別の場所へと移動する為に走り出す。

 (出てきた?……そこっ!)

 足音を頼りにしてマリアはナイフを一本取り出し、物陰から飛び出して瞬時に狙いを定め投擲をする。

 ルネリッサは、飛んできているナイフを体を捻りながら躱しつつ、拳銃をマリアへと向け引き金を引く。マリアはすぐさま元居た場所へと退避をして難を逃れるが、その隙を突いたルネリッサは姿をくらました。

 (まずいですね……距離を離されてまたどこからか狙撃なんてされ始めたら……)

 物陰から顔を覗かせて辺りを見回してみる。すると、少し先で物音がしたのを聞き逃さず、手榴弾を取り出しそこに向かって放り投げた。

 「貴女は、そうするんですね」

 その姿を陰に潜み、手鏡を地面に置いて見ていたルネリッサは、マリアが手榴弾を投げたと同時に姿を現し、手榴弾に向かって発砲する。

 「!?」

 視界の端でルネリッサの行動が見え、咄嗟に隠れている位置を変え少しでも自分にくる威力を抑えようと試みるが、一歩間に合わず吹き飛ばされてしまうのだが、皮肉にも隠れるようにコンテナの後ろに飛ばされたのでその後の攻撃は免れた。

 ルネリッサはそれを見て、隠れていたものから飛び出してコンテナに向かって走り出す。角まで行くとそこで止まり、まずは腕を伸ばし拳銃を出してマリアがいるであろう場所に銃口を向けて引き金を引く。撃ち尽くしてからリロードをして、角から拳銃を構えながら飛び出した。そこには、マリアの姿は無く、自分で作った地面の弾痕以外は、目ぼしいものは無かった。

 「……」

 警戒をしながら、コンテナを背にしてゆっくりと進んで行く。

 そこに頭上から、何かがガンガンと音を立てて接近してくる。

 (上か!)

 ルネリッサが上に向かって銃口を向けるのと、そこから同じように銃口だけが出てくるのは同時で、引き金を引き始めるのも同じだった。しかし、上からは敵が見えず、下からは的が小さいうえに避けながらなのでお互いの銃弾は彼方へと消えていく。

 両者共に弾切れを起こすと、マリアは走り出し強襲する。一回転してルネリッサに向かってかかと落としを繰り出した。

 ルネリッサはそれを、両腕をクロスして防ぎ腕に力を入れて振り上げて弾くと、銃弾の入っている拳銃を取り出し構える。

 マリアも吹き飛びながら、もう一丁拳銃を取り狙いを定める。

 お互いが引き金を引くと発射した銃弾がすれ違い二つの拳銃に当たり宙を舞う。

 拳銃を弾かれたルネリッサは、マリアから背を向け脱兎の如く走り出した。地面に着地したマリアはそれを追いかける。

 拳銃のリロードを終え、狙いを定めて引き金を引くが、工場にある打ち捨てられた何かの機械達に阻まれルネリッサに弾丸が到達することは無かった。

 ルネリッサを追いかけていると、コンベアやスイッチが沢山付いた何かの機械が置かれている屋根が広がる倉庫のような広い場所に付く。

 「ここから、第二ラウンドの開始です!」

 走っていたルネリッサが突然振り返りながらそう叫び、コンベアの上にあったマシンガンを手に取り、マリアに向かって引き金を引いた。

 「なっ!?」

 マリアは咄嗟にスライディングをして、近くにあったコンベアの影に隠れて射線を切る。

 そこから顔を出してルネリッサの方を見ると、そこらにある物を飛び越えながら近付いて来ていた。

 その場に隠れながら拳銃を構え撃ち始めると、ルネリッサも近付くのを止め撃ちながら別の方向へと離れていく。マリアはそれを見て、隠れながら追いかける。

 持っているマシンガンを撃ち尽くしたルネリッサはそれを捨て、辺りをきょろきょろと見回した後に別のマシンガンを手に取る。その姿を見たマリアは、疑問に思って今いる自分の辺りを見てみる。すると、コンベアの脇に拳銃が貼るように置いてあった。

 (もしかして、ここにはこういうのが沢山あるのでしょうか……第二ラウンド……私達が来ることは予想していたでしょうし、準備していてもおかしくはないかもしれないですね)

 手に取った拳銃を見つめながらそんな事を考えていた。

 ざっざっと地面を踏みしめる音がしたので、ルネリッサがまた移動し始めたのかと思い警戒しながらマリアも動き出す。

 ある程度進んでから様子を見る為に顔を出してみると、左手に何かを持ちそれを投げようとしているルネリッサの姿があった。それはよく見ると手榴弾だった。急いで狙いを定めて撃ち落とそうとするが、何に使うか分からない機械群に阻まれて上手く出来なかったので急いでそこから離れる。

 その姿を見たルネリッサは、新しく手に取った隠してあったマシンガンの銃口を向け引き金を引く。

 銃弾の雨にさらされながらも別の物に隠れる。その後ろでは先程の手榴弾が爆発していた。

 ルネリッサが走り出す音が響く中、マリアはそれを無視してその場に居ながら入ってきた時の事を思い出しつつ今いる場所の地図を大雑把に頭の中に思い描いていく。

 何かを考え付き、辺りを探ると近くに隠してあった敵のマシンガンを見付けたので取り出し、深呼吸をしてから一度顔を出して目的の物を確認してから、体を半分出してアームが付いた鉄塔のような錆びついた機械に向けて弾丸を撃ち始める。

 (何してるんだ?)

 マリアの行動に疑問を持ちつつも、マリアに照準を定めてルネリッサも引き金を引いた。

 自分が撃たれているのも構わずに遮蔽物を挟みつつ行為を止めずに続ける。やがて、マシンガンの球がついてしまうが、マリアは何かを確信したように一度頷くと、使えなくなった銃を捨て出口へと向かって走り出す。走りながら体を捻り先程まで撃っていた物に対してリボルバーを構え、一発二発と撃ちこむ。五発目が当たった時、それは音をたてて倒れ始めた。

 「くっ!?」

 ルネリッサは急いでその場から離れようとするが、焦りのあまり転んでしまう。もう駄目かと思い目を瞑ったが、幸いな事に近くにあったコンベアの上に落ちてきたので潰されずに済んだようだ。

 ホッと安心したのも束の間、すぐに立ち上がりマリアの行方を探す。ここから出るまであと少しの所まで迫っていた。

 「私から離れる事がどう言う意味を持つのか、忘れたんですか?」

 そう力強く叫び背負っていたライフルを構え狙いを付ける。

 その気配を察知したのか、マリアは体を捻りながら拾ったマグナムと自分の拳銃を向ける。同時に銃声がした後に、拳銃の発砲音が響く。ライフルの弾とマグナムの弾がぶつかり合い、拳銃の弾がルネリッサへと近付く。咄嗟に頭を傾けライフルに取り付けてあるスコープから離す。そこに、銃弾がヒットしスコープは壊されてしまった。

 「これが無ければ、狙撃手として働けないと思っているんですか」

 壊れたスコープを外してその場に捨て、再びライフルを構えるが既に姿はなく仕方なく背負い直すと、近くのマシンガンと拳銃を新しく持ち、建物から出て行ったマリアを追いかける。

 外に出てから少し歩いた所で立ち止まると、どこかに隠れているであろうマリアに呼びかける様に叫んだ。

 「貴女達がしたい事は何ですか?私達の計画の阻止ですか?復讐ですか?それにしても覇気を感じないんですよね。一体何をしに来たんですか?」

 それに問いに答えるようにマリアは声を出す。

 「そうですね。確かに人を殺す覚悟も無いままに、お姉様の言うままにここまで来ました」

 「ならば帰りますか?ここまで暴れられといて、逃がすと言うのは癪ですけども」

 「心遣いは感謝します。けど、私もパンプキン家の、お姉様の妹なんです。いつまでも弱い妹じゃ駄目なんです」

 「……そうですか」

 その台詞の語気が強くなったのを、ルネリッサは感じ取った。

 (凶悪なモンスターを生み出してしまったかもしれない……)

 マシンガンを持っていない左手で首の後ろに手を置く。

 (って思ってる私も、まだまだ甘い所があるなぁ)

 何かの想いを断ち切るように、首の後ろに置いてあった手を横へ振る。

 すると、目の前のコンテナから丸い物が上に向かって飛んでいく。

 「何か分からないけど、場所は分かった」

 上に飛んでいく物を無視して、コンテナの右側にマシンガンの銃口を向け、左手は拳銃を抜いて持っておく。

 「自分から場所を教えたんだから、大人しく出てきたらどうですか?」

 用心の為にコンテナから距離を取る。すると、マシンガンを向けていた所から手榴弾が飛んでくる。爆発すると閃光と爆音が響くが、距離が離れていたのでそこまでの被害は無かった。そんな中、上に投げられたものが落ちてくる。それは、さっきの物と同じただの手榴弾だった。

 (不発?不運ですね)

 ルネリッサがそれから目を離したその時

 「それは、不発したんじゃないんですよ」

 マリアがぼそりと言い、手に持っていた機械のボタンを押す。すると、不発だと思われた爆弾が破裂し、その場で強烈な閃光を放った。

 「!?」

 不意打ちだったのでルネリッサは、その光をまともに見てしまう。

 それを見ていたマリアはすぐに飛び出してルネリッサへと突撃して行く。

 「視界を奪っただけでは!」

 マリアの足音を察知して、即座にマシンガンを向け、引き金を引こうとするが、それよりも早くマリアの拳銃から弾丸が発射される方が早かった。一発目は銃口を逸らさせ、二発目で手から撃ち落とす。

 ルネリッサは即時に持っていた拳銃を構え引き金を引く。

 マリアもそれに合わせる様に引き金を引いた。射出された弾丸は擦れ合い、互いの拳銃へと着弾して同時に弾いた。

 (一時的に目を使えなくしても、ここまで出来るものなんですか)

 そう思いながら、それでもマリアは足を止めることなく接近していき拳を作り放つ。

 足音で接近されていたのは分かっていたルネリッサは、数歩引き下がって拳を躱した後に、お返しとばかりに近付いて拳を突き出した。

 マリアも拳を躱すと、右足を軸にして体を捻り左足で後ろ蹴りを放つ。ルネリッサがそれを体を屈めて避けると、体を回転させながらマリアの右足を蹴ろうとするが、それよりも早く片足だけで地面を蹴り体を回転させてルネリッサから距離を取った。

 「よく躱せますね。本当に不発弾だったんでしょうか」

 「残念ながら、しっかりと爆発はしましたよ。ただ、こんな事は慣れているのと時間が経てば目は徐々に見えてきますからね」

 二人は体勢を整える。

 「第三ラウンドは接近戦がお望みですか?」

 「距離を取られて得意な狙撃をやられるよりかは」

 「……まだチカチカします。どれ程強力な物を使ったんですか」

 「そういう物を改造するのが好きな人が身近にいるもので」

 「そういう人はこうやって、自分がいないのに巡り巡っていい働きをするので手に負えません」

 「そうですね。味方でいてくれて良かったとつくづく思います」

 マリアは構えながら走り出す。間合いに入ると右ストレートを繰り出す。ルネリッサの右手が払うように現れ、突き出した拳の軌道をずらされる。すぐに右手を引きながら左手の拳を繰り出すが、これも裏拳の様な手の動きに阻まれてしまう。再び右拳を突き出すと、今度は左手で突き出した拳を掴まれてしまった。掴まれた手を引かれ前のめりになった所に下からルネリッサの右手が襲い掛かる。

 足を踏ん張り空いている左腕で防御すると、素早く相手の服を掴みそのまま体を回して横に倒そうとした。しかし、その勢いを利用して膝蹴りを入れてくる。

 それを防ぐ為にマリアも足を曲げて受け止めた。お互いに掴んでいた部分を離し、仕切り直しとばかりに距離を空けた。

 「やっと目が治ってきました」

 「そうですか。でしたら、ここからが本番ですね」

 「ずっと本番のはずですが?」

 「そうでしたっけ?」

 同じタイミングで近付いて行く。マリアはナイフを取り出し斬りつける。ひらりと躱され、お返しとばかりに伸ばした腕の上をルネリッサの拳が這うように移動させて殴り掛かってくる。素早く左手でそれをガードし、ナイフを回し逆手持ちにしたらルネリッサの背中に向けて突き刺そうとする。

 それよりも早く、拳を引いてマリアから離れてナイフを躱し、ルネリッサもナイフを取り出すと腕を下から上に動かす途中でそれを投擲する。

 マリアは飛んでくるナイフを自分のナイフで斬り払って叩き落とす。そこに、いつの間にか接近していたルネリッサが回し蹴りを顔に入れてくる。腕で防ぐことが出来たがよろけてしまい、そこにもう一蹴り加えられて吹っ飛ばされる。更に攻撃をしようとする所に、持っていたナイフを投げて体勢を戻す時間を稼ごうとする。狙い通り、近付こうとしていたルネリッサは足を止めナイフを取り出し自分に飛んできていたナイフを斬り落としていた。新しいナイフと足に隠していた拳銃を抜く。照準を合わせ、引き金を引く。だが、横に避けられたりナイフで斬り落とされたり、簡単に捌かれてしまう。

 (あの時代を生き抜いてきたのは伊達ではないって事ですか)

 全弾撃ち尽くした銃を捨て接近戦に切り替える。互いにナイフで斬りつけ合い始めて、空を斬ったりナイフどうしがぶつかり金属音が鳴り響く。

 斬り合いを始めてしばらく経ち、ルネリッサは胸騒ぎを覚えていた。

 「やっぱり、あの時の特訓は無駄ではなかったと、ここに来て実感しています」

 「何?」

 不意にマリアが独り言を呟いたので、少し驚きつつ返してみる。

 「一つの戦場しか知らない私ですが、それでも、貴女とここまで渡り合えるなんて思っていなかったです」

 「それは自慢ですか?自分の強さを誇示したいんですか?」

 「あなた達がいくつの戦場を渡り歩いているか知らないので、自慢にはならないと思いますが」

 「なら、どうしてそんな話を?」

 「何となくですよ。ふと、そう思っただけですので。気に障ったのならごめんなさい」

 マリアのその軽い態度に、ルネリッサは苛立ちを覚える。

 「すみません。続きを始めましょうか」

 「いいえ。もう終わりです」

 ルネリッサが鍔迫り合いになっているのを力強くマリアを押して強引に終わらせると、ナイフを持っていない方の腕を動かし袖から小型の銃を取り出し、マリアに向けて発砲をした。しかし、マリアは軽々と銃弾をナイフで払って見せた。

 「……」

 続けて引き金を引き続けるが、一発一発をナイフで斬り払われ続ける。全弾撃ち終わった時、マリアは平気な顔で言い放つ。

 「こんなこと、二人の師匠との訓練で日常でした」

 「そうですか!」

 空になった小銃を捨て、ルネリッサが襲い掛かってくる。

 「これが、最終ラウンドです」

 マリアはルネリッサを迎え撃つように構える。近付いてくるルネリッサが突然ナイフを投げてきた。それを斬り払って弾き飛ばすと、ルネリッサが回転をして蹴りを入れようとしてくる。左腕で防ぎナイフで刺そうと動かすが躊躇してしまい、そこを狙われて腕を思いっきり叩かれてナイフを落としてしまった。

 そこに、支える足を瞬時に切り替えて再び蹴りを入れられる。お腹に入った勢いでマリアは後ろへと吹っ飛ぶ。

 「貴女の敗因は、優しすぎた、でしょうか」

 お腹を押さえてよろよろと立ち上がるマリアに向かって吐き捨てるようにルネリッサは言う。

 「そうですね。そこは、どんなに訓練を積んでもなおらなくて師匠達に呆れられた、私の長所でもあり短所です。でも、敗因にはなりませんよ。負けませんから」

 構え直したマリアは笑みを浮かべて答えた。

 そんなマリアに向かって急接近をし、拳を叩き込み始めるルネリッサ。

 丁寧に一つ一つの攻撃を捌き、逆にカウンターを決め続ける。しかし、やはり優しさが邪魔をして、致命打にはならなかった。

 「はぁ……はぁ……遊んでいるんですか?」

 「そのつもりは無いんですけど。でも、追い詰めている感じはありますね」

 「……っ!?まだまだ!」

 再び殴りや蹴りといった攻めを始める。右ストレートを出すも躱され、左ストレートを出すと掌で受けられ、右足の蹴りを入れても防がれ、左足で蹴っても躱される。

 ルネリッサが右の拳を放ってきたので避けた後に後ろ蹴りをかましてきたので、バク転で避ける。そこに、その場で跳躍して殴り掛かってきたルネリッサに合わせるように伸ばしてきた腕を掴み体を捻りながら襟首を掴んで投げ飛ばす。

 投げられながらも綺麗に着地をして、すぐに反撃をしに近付き拳を振る。

 マリアから見て右から来た拳を受け流し、裏拳を繰り出しルネリッサの顔面すれすれで止めて見せた。

 「こいつ……!」

 お互い同時に距離を取る。ルネリッサの顔を見ると明らかにイラつきが見える。

 走り込んでくるルネリッサは単調な打撃を繰り出し、マリアはそれぞれを簡単に捌くと大振りになった攻撃の隙を見逃さずにルネリッサの鳩尾に肘鉄を入れた。

 「うぐっ……!?」

 よろめきながら下がっていく敵に対して、マリアはその後ろに回り首の後ろに向かって回し蹴りを叩き込んだ。

 蹴り飛ばされてごろごろと転がり、ルネリッサはそのまま動かなくなった。

 「……」

 様子を窺っていたマリアは、張り詰めていた気持ちを一気に解き放ってその場にへたり込んだ。

 「はああぁぁぁ……終わったああぁぁぁ」

 息を整えた後、完全にのびているルネリッサを見る。

 「お姉様達は、こう言う事を平気で続けているのでしょうか……私には真似出来ませんね……」

 少し離れた家族に思いを馳せていたが、すぐに状況を思い出し急いで姉達の元へ行こうとするが、体に力が入らずに立てなかった。

 「……少しの間、見張りをやりつつこちらで休みましょ」

 自分に言い聞かせるようにマリアは呟き、近くのコンテナに寄りそう様に座り直した。

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