何でも屋5 外伝5 ハイベル・グラウンド
隊長からは色んな事を教わった。戦い方を。生き方を。それ以外にも沢山。隊長は、とても優しい方だったから。それは、たとえ敵だったとしても。戦いが終わった後は、毎回複雑な表情をしていました。
犠牲者を一人でも多く出さないように作戦を立て、少しでも傷付いた者がいれば、自分のせいだと責めてしまう程に、隊長は人一倍繊細な方です。
私が加入した時、驚いた後に、微笑んではいるんですけど困ったような顔をしていました。多分、幼い子供が戦力としてまた追加されたのが引っかかったんでしょうね。
たいちょう、やさしい。おれにも、やさしい。たたかい、ながびく、たいちょう、おちこむ。だから、おれ、がんばった。けど、だめだった……。
隊長が、このような事に固執し始めたのは、あの戦いの後からでした。辛くも勝利を掴んだものの、今までにないくらいの犠牲者を出し、隊長も大きな怪我を負い、それの影響もありしばらくの間、戦線を離脱していました。その間に、隊は解散させられ、皆は他の部隊にそれぞれ再配属されていきました。
私達四人も程度の差はあれど傷を負ったので、しばらくの間前線から離れ治療に専念することになったのですが、元隊員達が次々と戦死したという情報が寄せられ、それは、隊長の耳にも入ることになり……。私達の気持ちとは比べ物にならないくらい隊長の心中を察するに余りある事です。
ある日、皆の傷も治り前線に復帰が何時になるか考えていた所、隊長から提案がありました。この国を抜けませんか、と。もう、この国の為に戦うのをやめましょう、と。驚きはしましたが、隊長の性格を知っているからこそ、すぐにその提案を受け入れる事が出来ました。
エフェル、イルダ、デルバドと続き、最後は私が受け入れる返事をすると、隊長は嬉しいような悲しいような、複雑な顔をしていました。あの時には、すでにこういう事をするというのを決めていたのではないでしょうか。
どんな、ことに、なっても、ついていく。みんな、そう。きもち、いっしょ。
はい。私達が生き残ってこれたのも隊長のおかげです。いつからか、国の為じゃなくて、隊長の為に、皆で生き残る為に戦っていた。そう考えるようになったのも隊長のおかげです。
この戦いも、これからも、私達は、自分たちの意思で隊長の為に戦いぬきます。どんな相手だろうとも。それが、私達残った部下の共通の思いです。
私達にとって隊長は、かけがえのない存在。どのような考えで行動を起こしても、私達は、信じて付いて行く。隊長が切り開く道が、私達が歩む道です。そこに迷いはありません。




