#03 かわいい子がかわいい服を着るのは普通だよね?
2ヶ月も放置してすみませんでした。
今後はもうちょっと更新頻度上げられるように頑張ります。
<前回のあらすじ>
女の子なれることがお姉ちゃんとお母さんにバレたけど2人とも変だったからなんとかなったよ!
「ど、どうかな……?」
「「きゃーーーわいいいいいいいいっ!!!」」
僕がお姉ちゃんの持ってきた服に着替えると、お母さんとお姉ちゃんは叫び出した。
僕ってそんなにかわいいんだ……っておいちょっと待て。
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ
「そこのバカお姉ちゃん連写するな」
「えぇ〜?嫌だね!……わかったやめるからその拳を下ろそう女の子なんだから暴力は良くない。
……それより、ほら!」
そう言って差し出されたスマホの画面を覗くと、そこには「慣れない服を着てドキドキしながらも、かわいい服を着れたよろこびを隠せない」という表情をした美少女が写っていた。
ちなみにお姉ちゃんが持ってきたのはふりふりのついたワンピース。
「そういえばお姉ちゃんこんな服持ってたんだ?
着てるところ見たことなかったけど……」
「いやぁ買ったはいいんだけどさ、私ってほら、美人系じゃん?かわいさ全開の服ってあんま似合わなかったんだよねぇ……
だからそれは1回着ただけのほぼ新品だよ?」
なるほど。
たしかにお姉ちゃんは高身長ですらーっとしたモデルみたいな体型で、どちらかと言えば「かわいい」より「美人」とかの方が近い。
それに比べて僕は「美人」と言うよりは「かわいい」に全力を注いだような童顔。幼顔。
身長も164だったのが縮んで多分今は160ないぐらいだろう。
そうなってくるとかわいい系の服でもなんなく着こなせる。
自分で言うのもなんだけど、僕めちゃくちゃかわいい。
「んふふ……後でRAINで送ってあげるね♪」
お姉ちゃんはそう言いながら僕からスマホを回収する。
正直もっと見ていたかったけど、送ってくれるんだったら後ででもいいや。
僕がそんなことを思っていると、またもや部屋の扉が勢いよく開けられたっ!
「お兄ちゃんたちいつまで上にいるのっ!?ご飯冷めちゃうじゃん!?私お腹すいたんだけどっ!
……!?その子だれ?めっっっちゃかわいいんだけど」
部屋に入ってきたのは妹の冬華。
僕とは3歳差だから中学1年生。
僕がどう答えたらいいかわからず言葉に詰まっていると、咄嗟にお姉ちゃんが助け舟を出してくれた。
「おー冬華丁度いいところに。……かくかくしかじかで……なんと……」
「えええええっ!?あの子お兄ちゃんなの!?!?」
流石に信じきれていないのか、僕の身体を上から下まで舐めまわすように見てくる冬華。
「うん……そうなんだ。朝起きたらこうなっててね?」
「うーん……確かに雰囲気はお兄ちゃんっぽいけど……
疑ってる訳じゃないんだけど、なんか証拠とかない?」
「証拠かぁ……んー……あ、そうだ!」
さっきまで軽く忘れかけてたけど、そういえば僕は「戻れる」のだ。
証拠を見せろと言うなら、それをやって見せればいいだろう。
「……ナツキ?今はやめた方g」
(戻れッ!)
そう念じると同時に、僕の身体を光が包み込む。
数秒後、僕は男に戻った。
ふふふ……これで証明になったかな……?
……あれなんで冬華そんな目をしてるの?
そういえば戻る前にお姉ちゃんがなんか言ってたような?よく聞き取れなかったけど……
そうふと思い出しお姉ちゃんの方を向くと、
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ
お姉ちゃんはまたもや僕にカメラを向けている。
「だから連写やめてってば容量の無駄」
僕がそう言っても、お姉ちゃんは笑いを堪えながらといった様子でスマホのシャッターを切り続ける。
少しして満足したのかスマホを仕舞うと一言。
「あんた今の自分の格好見てみ?」
僕の格好……ゴスロリワンピース……男に戻った……
っ!?!?!?!?!?!?
状況を理解し、青ざめる僕。
するとお姉ちゃんがスマホの画面を見せてきた。
そこに写ってたのは
「ゴスロリワンピースを着て女装した僕(男)」
うわああああああっ!?!?!?なにこいつ!?僕かっ!きもちわるっ!?
(女の子になれっ!!!)
光。そして数秒後僕は女の子に戻った。
「……わかってくれた?」
「う、うん。ほんとにお兄ちゃんなんだね。冬華びっくりだよ。
あ、そうだ、これからはお兄ちゃんじゃなくてお姉ちゃんの方がいいのかな!?」
「早くないっ!?」
「あっでも秋奈お姉ちゃんもいるし……うーん……」
冬華が僕の呼び方を考えている間に、僕はその秋奈お姉ちゃんの方に向き直る。
「すぐ教えてくれればよかったのに……」
「だって私言ったし?
あ、さっきの写真は待ち受けにしとくねっ☆」
「やめて今すぐ消して」
「やなこったぁ〜……ちょっ何をするっ!?」
「今すぐ写真のデータ全部消してやるっ!」
「もうクラウドにバックアップ済みですぅ〜残念でした〜……おい待て端末を壊そうとしてくるな怖い、お母さーんパスッ!!!」
「任されたっ!」
「お母さん!?」
「んふふ……秋奈?後で私にも画像頂戴ね?」
「もちのろん」
「ここに僕の味方はいなかったっ!?」
そうこうしている間に、冬華の僕の呼び方が決まったみたい。
「あのね、これからお兄ちゃんがその姿のときはなつ姉って呼ぶね!」
なつ姉……なつねぇかぁ……
まさか僕がお姉ちゃんと呼ばれる日が来るとはね。
「そういえばみんな、僕が普通に女の子でいることは突っ込まないんだ」
「うーん、ナツキは昔から女の子みたいなところあったしねぇ」
「……マジで?」
「幼稚園とか小学生のときなんか、秋奈にしょっちゅう着せ替え人形にさせられたりおままごとに付き合わされてたじゃない?しかも結構満更でもなさそうだったし」
「マジか」
「私はなつ兄がなつ姉になるのは別に全然どうでもいいんだけど、ずっと女子の私より全然かわいいのなんかちょっとムカつく」
「えぇ……」
そんな会話をしていると、僕たちがなかなか食卓につかないのを心配したお父さんが部屋を覗きに来た。
「お腹すいたんだが、メシ食わんのか?
……ん、夏樹か?かわいくなったな。いいと思うぞ
んじゃ、下行ってるなー」
それだけ言うと、お父さんは1階へと降りていってしまう。
えぇ……それだけ?息子が娘になってるんだよ?
なんかもっと言われるんじゃないかって心の中で思ってたから、正直拍子抜けだ。やっぱりうちの家族はどこか変なのかもしれない。
ぐぅ〜
安心したからなのか単純に朝ごはんが遅くなってるからなのか、お腹が鳴った。ちょっと恥ずかしい。
「朝ごはん、食べよっか」
「そだね」
「手は洗ってねー」
「はーい」
お姉ちゃんが作った朝ごはんは、ちょっと冷めてたけどめちゃくちゃ美味しかった。
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