#02 自分の身体を確認してみよう!
お待たせしました。
基本週に2本ぐらい書こうと思ってます。
まずは、自分の姿を確認しよう。
まずは顔だ。そう思って僕は自分の顔を鏡にガチ恋距離まで近づける。
うーんかわいいっ!
髪は黒のままで変わってないけど長さがかなり長くなっていた。セミロングって言うのかな?
そしてくりくりの大きな目。最高だね!!
そしてひと通り顔を見終わると、今度は全身を鏡に写す。
鏡に映る自分の姿を見ると、やっぱり紛れもない美少女。
あどけなさが残る幼げな顔立ちに、華奢な骨格、すらっとした手足。もちろん毛なんか生えてない。
それに身長も縮んでいる。普段よりもだいたい10センチぐらい視界が低いから、155センチぐらいかな?
僕はふと思いついて、ジャンプをしてみる。
「おぉ……!」
思った通り。身体がすごく軽い。
男の僕は細くはあるけど、やっぱりそれなりに体重はあった。それがさらに減っている。
その質量分は一体どこに行ったのだろうか……?
そしてジャンプしてみた時に気づいたこと。
それは、「胸が揺れる」だ。
僕はダボダボになった服の首部分を引っ張ると、中をのぞき込む。
そこにはふたつの小さくもそこにあることを主張する丘があった。
大きさは……B……なのかな……?
考えてみれば女の子の胸の大きさとかが僕にわかる訳ない。
これはあとでちゃんと図ろう。うん、そうしよう。
そして、1番の問題は下だ。
もっと言うと足と足の真ん中。
そこに、目を移す。
「やっぱりない……!」
僕はそう呟いた。
緩くなったズボンとパンツを脱ぐと、そこにあったはずのモノは跡形もなくなって、間はとてもスッキリとしていた。
「おぉ……これは……」
気になった僕は、手をそこへ徐々に伸ばしていく。
ドキ…ドキ…
……
…ドタドタドタ
その時だった。
誰かが廊下を走ってくる音が聞こえる。
僕は急いで手を引っ込めてパンツとズボンを上げる。
足音は僕の部屋の前で止まると、僕の部屋の扉が乱暴に開いた。
「ナツキおはようっ!今日も可憐で優しいお姉ちゃんが朝食を作ってやったから早く起きやがれってええええええええええええええええ!?!?!?」
入ってきたのは僕のお姉ちゃんだ。そして相変わらずうるさい。
「お姉ちゃん、おはよう。あとうるさい」
僕はお姉ちゃんにいつものようにそう話しかける。
お姉ちゃんはフリーズしていた。
え……?あ。
僕今女の子だったんだ。
「お母さあーーーん?!!!ナツキが朝っぱらから部屋に女の子連れてきてうわっぷぁなにすんだ!?」
「それはこっちのセリフだよバカお姉ちゃん!!」
僕はお姉ちゃんの口を抑えようとして、お姉ちゃんはそれを避ける。このやり取りは僕たち姉弟で毎日行われいるものだ。
それにお姉ちゃんは気づいたのか、僕の方をまじまじと見つめてくる。
「え?……ナツキなの……?」
「そうだよ……?」
僕がそう言うと、お姉ちゃんは数秒間なにかを考えたあと、息を深く吸い込む。
「お母さーーーん?!!!ナツキが「ちょっと1回黙って!?!?」
◇
僕がベッドに腰かけると、お姉ちゃんはカーペットに座った。
「それで?あんたはナツキなの?」
そう言うと、お姉ちゃんは僕のことを訝しげな目で見てくる。
あこれ絶対信じてないやつだ。まぁこの場合信じる方がおかしいんだけどね。そこは流石に自分でもわかってる。
「そうだよ。信じられないかもだけど、僕はナツキだよ」
僕はそう言ってお姉ちゃんを見つめる。
「なるほど確かにナツキっぽい……でもナツキは男の子だぞ?君はどう見たって女の子じゃないか」
うーん……どうしたら証明出来るかなぁ。
……!!
その時、僕は昨日神社でなんてお願いしたか思い出す。
――僕をめちゃくちゃかわいい女の子にして下さいっ!!
あ、でも日常生活に支障出るから好きな時に女の子の姿と元の姿を切り替えられるようにしてください――
もしその通りになっていれば、僕は元に戻れるはずだ!
……どうすればいいのかな……?
……まぁ適当にやってみるか!
(元の姿に戻れ!!)
僕がそう言うと、身体を光が包みこむ。うわ眩しっ!?
数秒後、光が消えたと思うと、視界が少し高くなる。
姿見を覗くと、そこには見慣れた男の僕の姿。
なるほど。こうやって戻るのか……
「お姉ちゃん……?」
僕はお姉ちゃんに話しかける。しかし、フリーズして動かない!
いつまでたっても再起動しないので、お姉ちゃんの応答を待っている間に僕はもう一度女の子になれるかを試す。
(女の子になれ!!)
僕がそう念じると、またさっきの光が僕の身体を包み込む。光が消え、姿見を覗くとそこにはさっきの美少女が。
なるほど。どうやらなりたい!戻りたい!と念じることによって、自由に女の子の姿と元の姿とがが切り替えられるらしい。最高。
しばらくすると、フリーズしていたお姉ちゃんが再起動する。
「え……!?マジでナツキなの!!?」
「そうだよ……?」
僕がそう言うと、お姉ちゃんは下を向いて黙り込む。
……気持ち悪いとかって思われちゃったかな……?
……お姉ちゃんに嫌われたらどうしよう!?
そう思うと、なんだか悲しくなって少し涙が出でくる。
おかしいな……そんな泣くことでも無かったはずなのに。
女の子の身体になった影響だったりするのかな……?
僕は涙をぬぐうと、お姉ちゃんの方を向き直す。
すると、お姉ちゃんは体をわなわなと震わせていた。
「ナツキ」
「は、はいっ!」
僕はちょっと上ずった声で返事をする。
お姉ちゃんはこっちを向き直すと、満面の笑顔で言った。
「お姉ちゃん昔からナツキが女の子だったらいいなって思ってたんだ!!」
「ええええ!?!?」
僕は二重の意味で驚いた。僕だって信じて貰えないと思ってたから僕だと信じてくれたことと、お姉ちゃんが今言った言葉に。
「だってその姿でもナツキはナツキなんだろ?」
「うん」
「なら問題などない!!!むしろ妹が増えて嬉しいっ!!!」
「いいのそんなんで!?!?」
そのままお姉ちゃんと大声で話をしていると、騒がしい声で目が覚めたのかお母さんが起きてきた。
眠そうな目をこすりながらこちらへと向かってくる。
「うるさいけどまた喧嘩でもしてるの……?あれ?どなた?」
「お母さんあのね?かくかくしかじかで……ナツキが女の子に!!!」
「ええええええ!?!?!?」
お姉ちゃんから説明を受けたお母さんは、僕の方へ駆け寄ってきて、膝立ちになりながら僕の肩をがしっと掴むと、真っ直ぐ僕の目を見てくる。
「ナツキなのね?」
「う、うん。そうだよ」
「よっしゃ!!!」
「なにが!?!?!?」
「お母さんね!ナツキが女の子みたいだったからいっそのこと女の子にだったらいいなって思ってたのよ!!」
「ここにもいた!!!」
そんなに僕女の子っぽかったかなぁ……
まぁ、僕も女の子になりたいなとは思ってたからいいんだけどさ。
僕がそう思っていると、お母さんは僕の身体、いや、服を見てくる。
「服がダボダボね……秋奈、あなたが昔着てた服ってある?」
「冬華がそのうち着るかなーと思って取ってあるぜっ」
「それ今持ってきて?」
「あいあいさー!」
そう言うと、お姉ちゃんは僕の部屋を出て自分の部屋の方へ走っていった。
お姉ちゃんがいなくなると、お母さんは僕の肩に置いていた手を離してこう言った。
「ナツキ、男のナツキにも戻れるのよね?」
「う、うん。戻った方がいい…… ?」
「逆よ。これから家ではその姿でいなさい」
「え」
「嫌なの?」
「いやむしろ嬉しいけど……」
「じゃあ決まりねっ!」
そこにお姉ちゃんが廊下を走って戻ってくる音が聞こえる。
こうして、僕のある意味激動の1日が始まったのだった。
前半部分もっと書いてたんですが読み返して流石にアウトだったんで削りました()IFルートということでそのうち出すかも……?
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