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人情味のある俺は、ダチの仇をしっかりうちました。

「……ば、バカな、上位魔法のボンブリスでびくともしないとは」





「終わりだ、この村は終わりだ」




 ケーちゃんが何者かにロケット花火を当てられたあと、周りの奴らは何やら失礼そうなよくわからんことを呟きあってる。





 ホント失礼な奴らだな。そりゃあケーちゃんはテメェらにゃ、ダチじゃねーのかも知れねぇけどよ? 


 ロケット花火当てられたんだぜ? ちっとくれー心配してくれてもいーじゃねーか。




「よぉテメ……」




 ヒュー、ドン!




 言い終わる前にもう一発、ケーちゃんにロケット花火が直撃する。




「テメェ!」




 あまりのことにブチ切れちまった俺はロケット花火が飛んできた方に全力疾走。




 ダチが花火ぶつけられて返しやらなきゃ男じゃねえ、そうだろ?




「くそっ、あいつもケルベロスの手先か? ボンブリス! ボンブリス! ボンブリス!」




 なんか向こうのおっさんからこっちに向かってロケット花火が三つ、……あいつか!




 ピコン!




【スキルを習得しました】


・回避性能+3(攻撃を避けるルートを推測、利用者に伝達。攻撃された時自動で発動)




 ロケット花火が俺に向かって飛んでくるがんなもんは関係ねぇ!




「見える!」




 ロケット花火を右へ左へ避けると、後ろで大きく破裂音がする。




 昔っからうるせーんだよなぁ、ロケット花火ってよぉ。




 ま、んなもんガキん頃から上級生とかに散々撃たれ慣れてる俺にゃ避けるのは朝飯前ってもんだ。 




 相変わらず俺って奴ぁ天才だな。




「おいコラぁ!」




 花火のオッサンに追いつき胸ぐらを締め上げてやる。




「ひ、ひぃっ!」




「テメェよー、やっちゃいけねーことやってくれたなぁ!」




「こ、……殺される!」




 オッサンは俺に凄まれてションベンちびりそうな顔で怯え出す。




 ビビんならハナから喧嘩うんじゃねぇ。




 っていうか殺さねぇし、人聞き悪りぃな。




「テメなんであんなことしたんだよ?」




「ひっ! すみませんすみません! 財宝も食料も全てお渡しします! 命だけは! どうか命だけは!」




「何ワケわかんねーこと言ってんだテメェよ? いいかテメー!」




「はひぃ!」




 俺が胸ぐらをいっそう締め上げるとオッサンはプルプルと小刻みに震え出す。




 ……んだよ、これじゃ俺が悪役みてーじゃねーか。




「いいか? いきなりあんなことされたらよ? 誰だって傷つくんだぜ! そこわかってんのか?」





「はひぃ!」




「なら、もうあんなこと二度とすんじゃねーぞ?」




「はひぃ!」




 オッサンの震えは加速し、手のひらに伝わってくる感触は中学の頃マンションのゴミ捨て場で拾ったピンクローターを思い出させる。




 あの日以来、ア○ルの話しかしなくなったヤスアキ、引っ越しちまったけど元気してっかな?




「……主人よ」




 野太い声に振り返るとそこには追いついてきたケーちゃん。




「おお、ケーちゃんよぉ、とりあえずもうしねーようにクンロク入れといたけど、これでいいか? 被害者のケーちゃんが気に食わねーっつんなら2、3発イッとくけどよ?」




「ひぃぃ〜!」




「……大丈夫だ。離してやってくれ」





 ってなわけでオイタしたオッサンに説教カマした俺とケーちゃんは、慰謝料代わりにメシと酒をしこたま貰ってこれから宴をするんだ。




 ま、今日のところはメデタシメデタシだな。

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