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なんやかんやヘタレな俺は、冥界の番犬のイケイケ戦法にビビらされました。

「言っておくがのう、ワシを殺しても無駄じゃぞ?」




 フテ腐れたジジイがケーちゃんを睨みつけながら言う。


 


 俺の魔力にテンパってビビりになったり急にキモ座らせたり、全く忙しい野郎だ。




「……ふっ、無駄かどうかは殺してみればわかるもいうもの」




 負けじとケーちゃんもジジイの首筋を爪でツンツンしながら凄む。




「ふん、ワシにこんなことしておいてタダで済むと思うなよ? こんな時のために我社には戦闘部隊も配備しているのだぞ!」





 口から唾を飛ばしながら必死で喚くジジイにケーちゃんは軽くニヤリと微笑む。




「……そうか、で? そいつはお主に何かあってから何秒で来るのだ? 1秒か? それとも2秒か? ……それはお主の血液が動脈から吹き出すよりも早いのか?」




 ニターっとした笑みを貼り付けた顔で言いながらケーちゃんは、ジジイの首の前で爪を横にスライドさせる。




 ピコン!




【タケシくんタケシくん、……あのワンちゃん、ちょっとガラ悪すぎません? 怖っ( ゜д゜)】




「……俺もそう思う、あれじゃまるでヤ○ザだ」




「……聴こえているぞ」 




 ケーちゃんが振り返り、俺たちをジロりとひと睨み。




「いや、いい意味! いい意味だって! ほら、頼りになる、……的な?」




【ひぃっ( ゜д゜) 襲われちゃう( ゜д゜)】




「いやウィン子お前、折角俺が誤魔化そうとしてるのに……」




 ったくよぉ、こいつらどーしてこう、お互い喧嘩腰なんだよ。




「なるほど、主人が我をどう見ているかはよくわかった」




 ケーちゃんが呆れたように俺にジト目を向けると、もう一度ジジイに向き直り、長い爪の前足でアイアンクローをキメる。……悪役かよ。




「さて、では天国へと連れてってやろ……」




「待て! 待つんじゃ! 本当にワシを殺しても意味はないんじゃぁ! ワシが死んだら会社は今の副社長が継ぐことになっておるのじゃ! だから……」




 あわあわと言うジジイにケーちゃんはいかにも楽しそうに笑い出す。悪役かよ。





「くくく、……成る程、我はこの後副社長をも血祭りに上げられるというのだな」




 言いながらケーちゃんは爪をジジイの喉元に向かって……。




「ちょちょ! ケーちゃんケーちゃん、やめろって!」




「……ふっ、冗談だ。主人が血生臭いやり方を望まないことくらいちゃんと理解している」




 


「ならいいんだけどよぉ……」




 そうだとは思うけど怖えーんだよなケーちゃん。なん目ぇ据わってたし普段から自分のこと冥界の番犬とか言っちゃってるし。




「さてご老人、殺しはしないがこの“初心者ダンジョンは今日で閉鎖してもらう」




「そりゃあ無理な相談じゃな! ワシゃここを運営してたくさんの社員を養っていかにゃならんのじゃし?」




 流石ジジイもたくさん修羅場は潜ってきたのだろう。ケーちゃんの暴力的な圧にビビっちゃいるものの、言いなりにはならないという強い意思が伝わってくる。




 こういう時、相手に凹ませられないために大切なこと、それは相手に従わないって自分の中で“決めちゃう“こと。




 これが簡単なようで案外難しいのだ。一朝一夕のハッタリじゃ意外とすぐバレちまうし、かといって“何があってもそうする”ってレベルで思考を固定してしまうと、相手が前に出てきた場合殺されるしか無くなってしまう。




 ジジイはその間ともとれる絶妙なバランス感覚でケーちゃんを睨み返す。




 不謹慎かも知れないが、2人のそんな精神的なやりとりを見るのが楽しくなってきた。




 さて、ケーちゃんどうす……。





「……お主、最近魔法学園小等部に入学した孫娘がいるな?」




 ……そうきたかぁ。悪役かよ。

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