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女に全く意気地のねぇ俺は、メッセージウィンドウに怒られました。

「ぬわぁぁぁぁ!」




 ギュイーーン!!


 


 魔法弾がジジイに当たる直前、魔法の光が黒い球体に包まれディスクグラインダーのような強烈な摩擦音。




「……あれ、無、事じゃと?」




 そして無傷のジジイが自分の身体をペタペタと触り、その無事を確かめる。




 ヒュン!




 とその瞬間、黒い球体は消えてしまう。




「……なんだ?」




 バゴン!




 「ーーーーっつ!」




 ってぇ! 轟音と同時に、後頭部に猛烈な痛みが弾ける。




 ピコン!




【いったいなぁもう(*`へ´*)】




「……うぅ」




 猛烈な痛みになんとか耐えながら音の方を見ると、そこには所々削れて銀色になりながらも文字を表示するウィン子。




「ーーウィン子?」




 ピコン!




【全く(*`へ´*)バカなんですか?】




「……もしかして、さっきの球体は」




 ピコン!




【そーですよ( *`ω´) チョー痛かったんですから! 女の子にあんな事するなんてホント最低なんですからね(ㆀ˘・з・˘)】




 そう言うウィン子の文字は所々掠れていて、その掠れている部分からは金属的な色味が覗いていて痛々しい。




「あ、……いや、その」




 バゴン!




「っつぅ!」




 ピコン!




【バーカバーカ(ㆀ˘・з・˘)】




 痛みに呻きながらウィン子に表示された文字をジッと見る。




 ……確かにな。俺は、バカだ。




 少し掠れた顔文字が、自分のやった事を雄弁に語りかけてくる。




「……すまねぇ。……許してもらえるとは思わねーけど、……その」





 バゴン!




「ーーーーってぇなぁ……」




 ピコン!




【なーに急にウジウジしてるんですか! ちょっとキモいですよ( ̄^ ̄)ゞ】





「……あれ?」




 新たなメッセージを表示するウィン子には傷ひとつなく、漆黒ともいえる黒の中に真っ白な顔文字がウザい程にクッキリと映る。




「傷は?」


 




 ピコン!




【これの ことですか?】




「うわっ」




 再び表示されたメッセージの途中にものすごいひび割れが。




 ピコン!




【こんなもん嘘に決まってるじゃないですか(*゜▽゜*)】




「よかった、けど、……すまねぇ」




 ピコン!




【うわぁ(ㆀ˘・з・˘)全然空気読めてないですね(ㆀ˘・з・˘)こー言うときは悔しがるのが礼儀なのに\\\٩(๑`^´๑)۶////】




 ……確かに。




「そうだな」




 けれど、そうするのを忘れちまうくらい申し訳なかったし、嬉しかった。




 恥ずいから言わねぇけどよ。




 ……さて。




「ーーーー覚悟しやがれ」




 腰を抜かしたままのジジイを再び睨みつけると、俺は右手の中に再び魔法の球を発生させる。




 ピコン! 




【バカーー!】




 バゴン!




「痛だっ!」





 魔法弾を右手に構えながらウィン子に後頭部を叩かれ、魔法弾はてを離れる。




 ドカン、という音の鳴る上の方を見上げるとそこには綺麗な青空。




 “初心者ダンジョン”第一セクターの天井は俺の魔法により半分ほどが吹っ飛んでしまった。


 


 ジジイは更に腰を抜かし、ローブの股間が濡れている。




「テメ何すんだよ!」




 バゴン!




「って……」




【バカーーー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾】




「誰がバカだテメェ!」




 ピコン!




【……ホントは嫌なくせに】




「は? 何がだよ?」




【ホントはおじいさん傷つけるの嫌なくせに(*`へ´*)】




 いやそりゃヤだけどよ、けど俺は……。




「へっ、べっつにこんなジジイどうなろーと知ったこっちゃねーやい!」




【はい嘘ー(*´ω`*) いざやっちゃったら絶対泣くー(*´ω`*) 3日3晩泣くー(*´ω`*)】




「……うるせーんだテメェは」




 俺はもう一度掌に魔弾を作ると、それに念をこめ大きくアイタタタタ!




「ちょ! お前何すんだよ!」




 ウィン子が黒いボディーを湾曲させ、俺の米神にアイアンクローをキメてくる。




【……ほんとに、やめてよ】




「…………お前」




 ただの黒い板に表示された活字が、なぜか俺には泣いているように見えた。

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