カッコつけな俺は、恐縮するネーチャンをデコピンで黙らせました
「あ、あの、危ないところを、本当にありがとうございます」
助けてやったキレーな姉ちゃんが深々と頭を下げる。
ネーチャンは金髪ロングの割には大人しそうな感じで、白いシャツの胸元はいい感じに空いてて、いい感じだ。
そしてお辞儀によってシャツの隙間から胸の谷間が見える。
……ふむ、でけぇな。
……しかし。
「んな凝り固まってんじゃねえよ、俺にとっちゃああんな鳥ヤローなんてセキセイインコと大して変わんねぇからよ?」
女を助けて女を恐縮させてりゃシブイ男とは言えねーべ?
ならわかんだろ? ここは意地でもカッコつけなきゃなんねーってよ?
「で、でも……」
女は尚も頭を下げながら小声で言う。
「てめぇよ? んなかしこまるくれぇだったら乳の一つでも揉ませろってんだよ、なぁ?」
「……えっと」
どうやらこの姉ちゃんは俺のバカ受けギャグを間に受けたらしい、……本来の意味ではウケずに。
「その、……どうぞ」
姉ちゃんは言いながら手を後ろで組み胸をこちらに差し出す。
え? マジ? マジでいーのか? っていうか今日はコーマンか?
「では、……遠慮な、いや待て」
胸を触る直前、姉ちゃんはビクッとする。
「姉ちゃんよ? アンタ、嫌がってるよな?」
「そ、そのようなことは」
「うーるせうるせえばーか!」
言いながら姉ちゃんのデコを指で弾く。
「あいたっ!」
「冗談だってんだよ、いらねーよ、礼なんてよ?」
ったく、俺ぁ困った奴を助けるナイスガイなんだぞ? んな助けたお礼に身体とか、悪役みてぇなマネできっかよ。
「んじゃ、鳥に気ぃつけて帰れよ?」
「…………ありがとう」
ふっ、また善行を積んじまったぜ。