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17年間ツッパリ続けた俺は、後悔を押し殺しながらセンセーの大切なものを奪い去りました。

「うぼわぁあーー!!」




 俺の手から出た巨大な光がエバハン先生を包み込む。




「……くっ」




 俺には俺の生き方がある。




 俺はこいつらが好きだって。




 俺はこいつらが見下されたり、ひでぇことされてんのが嫌だって。




 そういう風に思ったら、やっぱよ?




 やんなきゃなんねぇんだよ。




 俺に出来ること、思いつく事がありゃ、それをやんなきゃ男じゃねえって、やっぱ思っちまうし、そう思う自分でありたい、死ぬまでそうでありたいって思うよ。




 ……けど、やっぱ辛い。




 一度は好きになりそうになったセンセーを。




 やっと受け止めてくれるんだなって、嬉しいなって思ったことのある相手に、こんなひどいことはしたくはなかった。




「……っ?」




 光が収まり、その中で腕をクロスさせて防御な体制をしたセンセーが、目をパチクリさせる。




「……あれ、生きてる?」




 言いながらセンセーは自分の手で自分の身体を触る。




「あれ? ある、あるぞ? 腕も、脚も、首も、頭も、……っ! ……頭?」





 けれど俺は振り返らない。




「……はっ、やっと気付きやがったか」




 後悔してる素振りなんか見せない、ずっとワルに徹する。




 それが、ワガママな俺に出来る、たった一つの筋の通し方だ。




「……け、けけけ毛は?」




 センセーがツルツルになった頭を、ワケがわからないといった様子でペタペタ手で触る。




「あはははは! センセーよぉ、何存在しねーもんを触ろうとしてんだよ?」




 そう、俺は魔法でセンセーの肉体から生える毛という毛を吹き飛ばしてやったのだ。




「……っ! ……そそそそんなバカな!」




 中年&独身&絶賛隣のクラスのバーボー先生を口説き中であるエバハン先生にとって、毛髪の重要度はそれはもうヤバいレベルで高いだろう。




「ふっ、あれから練習したんだよ、魔法、なぁ、褒めてくれよ? 教え子の魔法が成長して嬉しいべ?」




「え? な、ない? ま、マジでないの? え? 私のカッコいいリーゼントは?」




「心配すんじゃねぇ。センセーのリーゼントは元からダセェからよ」




「う、うぅ……」




 頭を押さえたままんセンセーは、瞳から虹彩を消しうめき始める。




 ……ちっとやりすぎたかな。




 けど、魔物にひでぇことしたらひでぇ目にあうって思わせないと、ビビらせないとってなるとやっぱこんくらいはやんなきゃな。




「ま、んでもセンセーがマジに反省したっていうならよ?」




 そして、人に対して自分の意見を通す時に大切なのは、飴と鞭、絶望と救いだ。




 人は追い込まれた時、逃げ道が用意さえされていれば、たとえそれがどんなに分の悪いものでもすがりついてしまうが、逆に逃げ道がなければ、どんなにヘタレな奴でも無理矢理前に出てしまう。




「う、うぼぁ……」





「その髪の毛、一応戻してやるしゅ……」





「うぼぁあーーーー!」





 センセーが叫びだすと同時に、センセーの両手両足が赤く光りだす。




「し、しししし死ねーー! ダイナ・マイティ!!」




 そして無数の赤い閃光は細く鋭く、けれども力強く俺に向かって発射された。




「ちょ! さすがにそれは!」




 ふむ、……飴を見せるのが少し遅かったみたいだ。

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