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難しく考えても結局バカな俺は、センセーにひどいことをしてしまいました。

「おっ、センセー久しぶりじゃねーか、つっても一週間くれぇか?」




 久しぶりに会う先生に、俺は皮肉を込めて力一杯ニカッと笑って言ってやる。




 実際俺が、センセーに対してどんな感情を抱いているのかと言われれば、俺自身微妙な感じ。




 確かに魔物への態度はひでーなって思ったけど、急に転入してきた俺に優しくしてくれたのは嬉しかった。




 それに、俺は昔っから“価値観の押し付け”ってやつが嫌いなんだ。




 『いい子にしてなさい』




 『先生の言うことを聞きなさい』




 『勉強出来るのが偉いよ』




 とか大人に言われてムカついてさ。




 そんでそーいうのにムカついてるやつらと連んだらさ。




 『あいつダサいからシカトしない?』




 『え? お前あんな奴の事庇うの?』




 とか言われたんだ。




 別に俺はさ? 全部、間違ってんと思うワケじゃねーんだ。




 高々17年しか生きてないとしてもよ? いろんな奴見てきたらさ? わかるじゃん。




 何が嬉しい事で、何がヤなことかとか。




 何がカッコよくて、何がカッコ悪いのかとか。




 一人一人全部違うんだよな。




 皆んな必死に合わせるから、一瞬おんなじように見えちまうけど、実際色んなことがちょっとずつ違う。




「ふん、……こんなところで何をしている」




 俺には、センセーが小馬鹿にしたような半笑いな視線を向けてくるこの感情がわからない。





『バカなのはセンセーなんじゃねーの? 魔物の痛みが想像出来ないから、心が鈍感だから、自分で考えることができない程バカだから、そんなことするんだろ?』




 とか基本的にゃあ思ってる。





 けど別に、センセーと交わした言葉なんてちょっとだけだし、真面目な感じで語り合ったことなんてない。




「あ? 俺ぁレベル1モンスターなんだよ♡ ぶっ殺してケーケン値にすりゃあいいべ?」




 もしかしたら俺が傲慢なだけなのかも知れない。




 センセーにだっておれには語ってない、俺には言えない心の傷とか事情があるのかも知れねー。





 ……けど。





「ふん、だったらそうさせてもらおうか。……モンスターに味方する人間など、人間の敵、すなわちモンスターとして扱ってしまっても問題などないだろう」





  エバハン先生が杖を構えると、先が青白く光る。




「……へっ、そんなもんでよぉ、俺をヤれるとでも思ってんのか?」 




 負けじと俺も手を前に突き出して頭の中でイメージを固める。




「……ふっ、相変わらず異常なまでの魔力だな。しかし、甘いな」




 センセーの杖の先がさらに強く光る。




「……はっ、甘いのは、どっちだろーな♡」




 俺も負けじと強く念じる。掌が乳白色に強く光り、熱を帯び始める。




 俺は間違っているのかもしれない。




 俺は、昔から厄介者として扱われてきた俺は、平気なフリしちゃきたけどずっと寂しくて。




 犬っコロどもが俺をしたってくれたのが嬉しくて、奴らのヒーローになりたい。




 そんなワガママな感情でセンセーを傷つけようとしているのかも知れない。




 ……けど。




「ワリぃなセンセーよぉ? 俺ぁどうやら、こんな生き方しか出来ねぇらしい」




「ふん、ならば死ぬがいい! 俺の快ら……、いや世間に仇なす輩がぁ!」




 そしてセンセーは杖を真っ直ぐ水平にする。




「アイスニードル!」




 センセーが叫ぶと、無数の氷で出来たでっかいツララみてーのがこっちに飛んでくる。




 ……センセー、ごめんな?




「モー・コンインザアビス!」




 そして、俺の手から出た眩い乳白色のビームが先生を包み込んだ。

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