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ワガママ放題生きてきた俺は、困っているダチの前で無力でした。

「……と、いうわけでお前達“ガルム族”には次週より、レベル1.8.11の個体を4周にわたっての提供を命じる」





 ガルムの親分について来るとそこは村の入り口。




 だだっ広い大草原に似つかわしくないイカツイ鎧(なんかロープレに出てきそうなやつ)を身につけた人間が三人。




 真ん中のガタイがいいにーちゃんがリーダーなのだろう。丁寧目かつデッカい態度で親分をツめるように要求を提示していく。




 その後ろには鎧を着ていてもバレちまう程ヒョロっこい奴らがオドオドと立ち尽くしている。




 兜から覗く顔を見るに男と女が1人ずつ。




「なぁケーちゃん」




 俺が呼びかけると、ケーちゃんは視線だけで『ん?』と返す。




「……こいつらよぉ」




 ケーちゃんは視線だけで『落ち着け』と返して来る。




 ーーーーけどなぁ。




 鎧のにーちゃんが来てから30分。




 鎧のにーちゃんと親分がする話をバカな俺なりにまとめるとこうだ。




 どうやらこのにーちゃんは“初心者ダンジョン”って施設? で働いてるらしい。




 んで、その施設はなんか弱っちい人間を鍛えるための施設で、全く鍛えてない人間でもやっつけられるような生き物がいて、そいつを一匹ずつぶっ殺して行くことでなんか経験値? みてーのが貰えて、レベル? ってのが増えるらしい。




 そう、レベルってCD出す権利じゃなくてそいつの強さだったらしいよ。




 ……レベル1の俺超弱いじゃねぇか。




 おっと話が逸れちまった。




 で、その弱っちい奴らにぶっ殺される役の生き物を色んな場所からこの施設の連中は無理矢理はかき集めてるみたいだ。




 で、来週からはここ、“ガルムの里”から親分の仲間を“殺されるのがわかってて”差し出せって命令してきてる感じだ。




 そして俺はこの話を聞いて、こいつらにどうやって地獄を見せてやろうかで頭がいっぱいって感じ。




 ……けどなぁ、こーいうのって多分、親分が自分で喧嘩してぇだろ……。




「わかった」




 え? 俺は耳を疑っちまう。




 そんなボロクソな要求に親分が頷いたのだ。




「ちょ! テメ何言って……」




「では、来週また来る」




 そう言って鎧野郎どもは立ち去ろうと。




「テメェちっと待てよ! んな無法うがっ!」




 言い終わる前に後ろからガル太郎から口を押さえられる。




「お前! 魔物が人間に手を出したらどうなるかわかっているんだろうな!」




 ヨロ兄にピシャリと言われ、ガル太郎は慌てて手を離す。


 


 不思議に思ったのでガル太郎を見る。




「……お前」




 ガル太郎の目は死んじゃいない。怒りに燃えている。




 けれどもそこには一切の“圧”はない。




 そいつが強いだとか弱いだとか関係なく、怒りの感情が生み出すピリピリとした“圧”が全く感じられない。




「すまん、とにかくここは、黙っていてはくれないか」




 親分に頭を下げながらそう言われた俺には、黙ることしか出来なかった。

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