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犬が大好きなはずの俺が、またもや犬とタイマンを張ることになりました。

「グオォォォ!」




 赤い犬っころは、馬鹿でかい声で吠えた後、センセーに向かって一直線に飛びかかる。




「う、うぉっ! ば、バーニング!」




 センセーが手を前に突き出してなんか技名みたいなのを叫ぶと、犬っころに向かって赤い球が飛ぶ。




「グォっ!」




 犬っころは図体のデカさに似合わない素早さでそれを左右にひょひょいと避けながら、センセーに飛びかかっていく。




 ……まずいな。




「コラァ!」




 犬が今センセーにら攻撃しようと飛び上がる瞬間、俺は犬よりも高く飛び上がり、その脳天にげんこつをくれてやる。




「グォォっ!」




「えっ、……ガルムを素手で殴った?」




「何あのジャンプ力!」




「レッドシグナル神殿のオークを素手で倒したという噂はやはり本当だったのか……」




「……それで魔力もあんなに高いなんてほとんど反則……」




 そして俺は犬に向かって『めっ!』のポーズで言ってやる。




「コラァ! ダメだぞ! いきなり噛もうとしたら!」




「グルルル……」




 すると犬は俺を殺しそうな眼光で睨みつけ、低く唸り始める。




「なるほど、テメェ、さては普通の犬じゃねえな?」





「え? ……今? 気付くの今?」




「……フツーに犬だとおもってたのかよ? だからあんな暴挙を?」




 クラスの連中がさっきから後ろでボソボソなんか言ってやがるが今は無視だ。




「テメェ、さては、……野良犬だろ!」




 ズルっ! っていう音が後ろから大量に聞こえたが今は無視だ。




「グルルル……、グオォォォ!」




 犬が怒りを露わにし、周囲にはピリピリとした不穏な空気が張り詰める。




「ふっ、そんなに怒りやがって、図星かよ」




 ……懐かしいぞこの感じ。




 こいつ、西中のゲンタくんみてぇな目ぇしてやがる。




「……来いやぁ!」




「グォォ!!」




 言った瞬間、赤い犬は弾けるようなスピードでこちらに向かって飛んで来る。




 ……上等!




 俺はすかさず右に半身ほどずらすと、犬の脚に爪先を軽く引っ掛ける。




「グォっ!!」




 それに見事に引っかかった犬ヤローはバランスを崩すが、すかさず体制を立て直し、こちらを振り返る。




「グルルルゥ……」




「……やるじゃねぇかよ?」




 犬ながらにナイスプレイだ。ちょっとテンション上がってくる。




「グルルル……、っグォォっ!」




 そして俺が犬ヤローに向き直ってからワンテンポずらしたタイミングでもう一度こちらに飛びかかる。




「ふっ、甘……」





「グォルルァ!!」




 蹴りで弾いてやろうと待ち構える俺に達するよりも早く、犬が叫びながらビクンと海老反りになる。





「な、なんだ?」





「グォァア!」




 犬ヤローが地面でのたうち回るのをよく見ると、脇腹から血が流れているのがわかる。




「ふぅ、……ムトーくん、ナイス引きつけだ!」




 声の方を振り返ると、そこには突き出した掌から煙を出してドヤ顔のエバハン先生がいた。

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