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気合の入った俺が、神殿に殴り込みをかけたらブタが出てきました。

「よし、着いたぞ!」




 ケーちゃんの背中に乗ってかっ飛ばすこと15分、俺達の目の前にはなんか神殿? っていうのか? なんかバカでかい白い建物がある。




「ふむ、流石は魔王親衛隊の居城、……禍々しい“気”を感じるな、主人よ、気をつけ……」




「コラーーーー!!」




 俺は神殿の前に仁王立ちしてとりあえず全力で叫んだ。




 基礎中の基礎だけど、知らねえ奴がいるかも知れねえから説明しといてやる。




 喧嘩する時は、遠慮・恐れ・計算はしちゃいけないんだ。




 喧嘩ん時に本当に怖ぇ奴ってのは強い奴じゃねぇ、危ねぇ奴だ。




 つまり初対面の時に、『あっ、こいつやべぇ奴かも?』と思わせられたら有利になるし、『こいつってまともな奴じゃん?』とか思われちまったらほぼ終わり。




「ちょ! いきなり何をしている!」




 そしたらケーちゃんがなんか驚いた感じでこっちを見てくる。




 ……ええ、ケーちゃんこんなでっかい図体して喧嘩初心者かよ。




「バーカ、かまし一発に決まってんべが? こらから喧嘩しよーって時に舐められたら終わりだろ?」




 俺が呆れ声で言ってやると、ケーちゃんもまた呆れた様子で睨み返してくる。




「いやいや、相手は魔王親衛隊だぞ! そこらの酒場のならず者と争う時のような……」




 ったくわかってねーなーケーちゃんはよ? 俺だって魔王がやべー奴なんだろーなってくれーは感じちゃいるんだよ。




 けど、だからこそこっちはそれを悟られちゃおしめぇなんだ!




「……ま、いいからよ? ちっとそこに座って頭下げてくんねぇ?」





 そしたらけーさは渋々ながらもお座りの姿勢で頭を、顎が地面に着くくらい下げてくれる。




「……あらよっと!」




 そして俺はケーちゃんの頭の上に飛び乗り、その上であぐらをかく。




「主人よ、私は主人に仕えることを決めた身、どのような扱いも受け入れるつもりではいるが、……これには一体どんな意味が?」





「悪りぃな、後でちゃんと説明してやんからよ? 魔王のヤローが出てきたら、ずっと機嫌悪そーに『ゔぅ〜』って唸っててくれねぇか?」





「まぁ、それはかまいはしないが……」




 拗ねた感じの声でケーちゃんが言う。




 ……さて、やりますか。




「コルァーーーー!!!」





 俺がもう一度怒鳴ると、神殿のデカいドアがゆっくり開く。




「おい! マオーヤロー! 大モン気取ってねーで早く出てきやがれ!」




 そしてでっけぇドアから現れたのは、5mくらいの、鎧着て斧持ったブタだった。

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