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びぎにんぐ 2

プロット無しなので矛盾点は後で直しますね。

─── 僕たちは阿呆のように “壁” に群がっていた。これから起こる出来事をもしあらかじめ知っていたならもっと他に行くべき所があったのに───


 体験してはいないはずなのに既視感を覚える。

 一般的にはデジャブと呼ばれるめまいにも似た感覚に襲われながら俺は外の騒ぎのうつった教室の喧騒を遠くに聞いていた。


 俺以外にも外の騒ぎに気づいたクラスメイトはいたようだ。

 というか、グラウンドにいた二クラス分の生徒が大声を出していたのだから、気がつかない方がおかしい。


 角度の関係───異変自体は校舎の真上で起こっていたの───で分からなかった騒ぎの原因も、上空から流れるように降りてきた紫のベールが視界に収まってしまえば誰でも理解できる。


 俺がグラウンドにいれば──

 閉ざされる空間から逃げようと走っていただろうか?


 それとも──

 これから起こるであろう試練に立ち向かうべく踏ん張っていただろうか?


 いづれにせよ、教室にいた俺が間に合うはずもなく。

 できるのはピンク色が地面にソッと降りるのを目撃する事ぐらいしかなかった。


「行ってみようぜ!」

 異変は起こっているが、すぐ自分達に影響はなさそうだ。

 そう誰かが判断したのだろう。

 それでも一人で行くのは嫌だ、という思いが口から漏れて誘われたであろう群れが廊下を走る音になっている。


 ・・・どこのクラスも考える事は同じようだ。


「ちょっと待ってくれ!」

 ガッと両手で二人の肩を掴む。


 それが赤シャツと委員長だったのはただの偶然だが、後にして思えば何らかの力が発動したのかもしれない。


「何か?」「ンだぁ?」

 二人とも自分の行動を邪魔されたのが不満そうだ。


 それはそうだろう。

 俺だって何も知らなければあの壁をツンツンしてみたい。

 実際には触れないのだが。


 それ(・・)を知っている身としては、やるべき事がある。


「これを見て欲しい」

 俺は愛読書をポケットから取り出した。

 身だしなみを気にする人なら噴飯物だろうが、案外学生服の腰ポケットは本をしまうのにちょうど良い。


「学園漂流記?」

 さっきまで学校の備品の扱いで喧嘩していた二人の声が揃うのが面白い。


 そう、面白くなるのはこれからだ。

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