霞 作者: 澄 掲載日:2019/04/24 霞を口にしている どの人も口を開けそれらを美味しそうに食している この街では、霞が食料であり、それ以外は、口にすることも出来ない ただ、それを口にする間、人は、忘れることが出来る 幸福に浸ることが出来る だから、それら行為は、必然であり、必要なことなのだと人は考え、熱心に霞を口に運ぶ それらは、幸福な彼等なりの宗教だ そのことによって なにか大事なものが溶けていっても それすら、幸福への足がかりだと信じて 彼等は街にしがみつこうとしている