第7話「婚約」
疲れた
第7話「婚約」
なんかこの先の展開が予想できる。
「君にはクリスと結婚して欲しい」
「却下で」
俺は即答する。
「な、何故かね?!クリスは可愛いと思うんだが!」
今にもクリスが泣きそうだな。どうでもいいけど…
「いや、本人の意見も尊重しろよ」
俺はクリスの方を見てそう言うと、
「私は…そのお方と結婚したいです!」
?! やばいぞ、これは流されるパターンだ。
「いや俺は結婚する予定は無いから」
「何故断るのかね?ならせめて婚約でも…」
「いや婚約したら結婚確定するじゃないか」
後ろで黒丸がニヤニヤしながらこちらを見ている。助けろよ。
「私じゃ…ダメですか…?」
「ダメだ」
「ええっ!!」
どうやってこの場を切り抜けよう…
そうだ!!
「お、俺実はサクラと婚約してるから無理なんだ」
「へ?」
「そ、そうなのかね?」
「あ、あぁ」
これはサクラ怒らせたかなぁ。
「あ、あの…ゼロ様…?」
「ん?なんだ?」
「私達はいつ婚約したのでしょう?」
サクラが頬を真っ赤に染めて聞いてきた。
「今だ。この場を切り抜けるにはこれしかない」
これでクロノも引いてくれるだろう。
「ではゼロよ、2人目の妻として迎えるのはどうだろう」
終わったわ。なんで諦めねぇんだよ。
「はぁ、じゃあ婚約してやるよ。ただし結婚は確定事項では無い。分かったな?」
「クリスもそれでいいかい?」
「2番目ですか…まぁいいでしょう!サクラと言ったかしら!これからはライバルね!よろしく!」
「え、あ、あの…はい!」
サクラも流されやすいみたいだな。また今度黒丸も道ずれにしてやる。
「…ん?なんか寒気が…」
「クロノ、俺達は冒険者だ。ならばクリスも冒険者として働いてもらうがいいか?」
「クリスのことを守ってくれるのならいいだろう、許可する」
「まぁ、もし許可しなかったら婚約は破棄だったけどな」
サラッと怖いことを言う。とりあえずクリスのステータスも見とくか。
無魔法-鑑定-
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
クリス・サウザンド
Lv3
体力 20
筋力 5
敏速 6
知力 300
魔力 100
幸運 50
スキル
王族の誇り
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こんなものか。これで冒険者が務まるのかね。まぁ俺が守ってればいいか。
「はぁ、めんどくせぇ」