第4話「
短くてすみません。
第4話「
俺はアスタを連れ、森を歩いていた。すると途中で大勢の冒険者達に出会った。
「お前は…冒険者か?何故ここにいる?」
すると一人の男が俺に尋ねてきた。
「冒険者だが…何故と言われても、依頼でここに来たんだが…何かあったのか?」
俺が聞くとその男は少し躊躇い、やがて話し始めた。
「先程この魔の森で膨大な魔力をギルド長が感知してな、魔道具で確認してみたところ森を覆うほどの邪気が溢れていたそうで、調査に来たんだ。だが、その邪気のせいで俺たちも森に入れなくてな…」
それは恐らくアスタがやったやつだろうな。だが、どう伝えるか…
「だが森の中心部で強い光が出てその後その邪気は無くなったんだ。だから俺たちは森の中心部の調査に行こうとしている」
「へぇ、そうなのか。じゃあお前らはその調査に来たんだな。頑張ってな。俺はギルドに報告に行くんだ」
と、俺がその冒険者達を通り過ぎようとすると、その男は俺の肩を掴み、
「ちょっと待てよ」
と言った。
「俺の話聞いてなかったのか?俺は中心部に調査に行くと言ったんだ。つまりその方向から来たお前らは疑いの対象になっている」
ヤバい。バレそうだな。最悪殺すけどあんまり目立ちたくない。
「それにお前さんの連れてる、龍人か?そいつが秘めてる魔力量はこの森の龍に匹敵する。魔力の波長も似ているしな」
「そこまで見抜いたのか。そうだよ、こいつがこの森の龍だ」
やっぱりかと、その男は溜め息を溢し、他の冒険者達は少し慌てて、震えているようだった。
そこでやっとアスタが口を開いた
「何かあったのか?主殿」
「お前マジで余計なこと言うなよ」
やっぱこいつ連れてくべきでは無かったか。
「…しかもその主って、ほんとお前何者だよ」
呆れたようにその男はまた溜め息を溢す。
「まぁ、ちょっと強い普通の冒険者だよ」
「…わかった。とりあえずあの馬鹿げた魔力はその龍が原因てことでいいんだな?」
「ああ、それで頼む」
俺がそう言うと、その男は連れてきた冒険者を連れて王都へ引き返した。
「なぁ主殿。一体何の話をして…」
「お前マジ捨てるぞ。そのバカでかい魔力を抑えろ」
「はい…」
シュンとしたアスタを連れて、俺も王都へと向かった。
冒険者ギルドに帰ると、すぐにシュリーに奥へ連れてかれた。
そこにはベルフと先程会った男がいた。
「…で、ゼロくん?その龍人が魔の森の龍なんだって?」
ベルフは言葉に少し圧をかけて問いかけてきた。
「さぁ?ご想像にお任せします」
まだ間に合う。誤魔化そう、と俺がそう言うと隣の男が口を開いた。
「いや龍だろ。自分で言ってただろ」
チッ、と俺は舌打ちをする。黙っとけばいいのにな。
「舌打ちをしないでください。別に君を責める気はありません。どういう経緯でそうなったのか知りたいだけです」
ベルフは真剣な眼差しで俺を見てくる。
「…アスタ、お前が説明してくれ」
面倒だからアスタに丸投げしよう。
「いや主殿に聞かれてるのだから主殿が答えるべきでは」
「え、やだよ」
全く…生意気な龍だな。今からでも森に捨ててくるか。
「仕方ないな。頭が弱い人間に我自ら説明してやろう」
「ありがとう。よろしく頼むよ」
生意気な龍と違ってこのギルマスは誠実だな。生意気な龍と違って。
面白くなくてすみません。